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川口市立辻小学校 授業レポート (2025年6月23日)

 2025年6月23日に川口市立辻小学校を訪問し、宮本優子 先生が担当する3年1組で「プレゼンテーションのコツ」を伝える授業をさせていただきました。
 授業の最初に、「プレゼンテーションという言葉よりも、もしかすると“発表”という言葉の方がみんなは使っているかもしれません。授業とかで意見を発表したりするでしょう?得意な人も苦手な人もいるかもしれないけど、コツを知っておくといいですよ」と伝えて、9つの「プレゼンテーションのコツ」を電子黒板に映して紹介していきました。

 この授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが教材として使えるように設計したものです。
 「プレゼンテーション・パターン」は全部で34のパターンがありますが、そのなかから3年生にわかりやすく、実践しやすいパターンを選んで紹介していきます。
 「メインメッセージ」「成功のイメージ」「ことば探し」「適切な情報量」「図のチカラ」などのパターンが書かれたカードを1枚ずつ大きく映して、パターンのタイトルを紹介し、そのパターンの意味と、どういうふうにプレゼンテーションに活用できそうか、ということを紹介していきました。
 授業では、「パターン」という言葉は子どもたちにとってわかりにくいので、「コツ」と言い換えて伝えていきます。

 9つのコツを紹介した後で、僕が子どもたちに簡単なプレゼンテーションをします。僕のプレゼンテーションを聞いて、さっき紹介した「プレゼンテーションのコツ」が使われているかを子どもたちに評価してもらいます。
 この日の授業では、Padletに9つのパターンのカードを貼っておいたので、1枚ずつカードを開いてもらって、「いいね」機能とコメント機能を使ってフィードバックをしてもらいます。
 「できていたと思うコツには、“いいね”のハートマークを押してください」「できたらもっと良くなると思うコツのカードには、コメントを書いてください」と子どもたちに伝えて、僕のプレゼンテーションへのフィードバックをしてもらいました。
 まだタイピングのスピードがそんなに速くない子も多いと事前に聞いていたので、書きたいことをPadletに入力するのに時間がかかりすぎてしまわないように、キーボード入力でもいいし、手書き入力でもいい、ということを伝えました。

 また、Padletでボードを作るときに、コメントの添付オプションとして「カメラ」「オーディオレコーダー」「描画」を設定しておきました。
 Padletのコメント欄で「描画」を押すとそのままノートみたいに書くことができることを電子黒板んで実際に操作しながら説明しました。また、「カメラ」を押すと写真が撮れるので、ノートに書いてそれを写真で撮ってもいいと説明しました。
 今回の授業のときにはいませんでしたが、「オーディオレコーダーを押したら、声で話したものがそのまま貼り付けられるよ」ということも操作しているところを見せて紹介しました。今回の授業ではマイクの設定の問題があって残念ながらできなかったのですが、何人かの子どもたちがチャレンジしていました。さまざまな方法での考えの出力方法を提示できたのがよかったと思っています。

 プレゼンテーションのコツを知っているだけではなくて、自分でプレゼンテーションを良いものにするためにコツを使えるようになることがこの授業のゴールです。そのための練習として、僕のプレゼンテーションを題材にして「できているコツ」と「もっと良くするためのコツ」はどれだろう?と考える機会を作っています。
 Padletでやっているので、9つの「コツ」が書かれたカードにみんなの書いたコメントが並んで表示されていきます。クラスメイトの書いたコメントを参考にして、自分のコメントを考えることもできます。こうして教室全体で、「どういうコメントをすればいいのか」を練習することができるのは大事だと思います。

 最後に、クラス全体でPadletを読んでみます。みんながどんなコメントを書いていたのかを共有していきます。
 僕が「これ、もっと詳しく知りたいな」と思ったコメントには、「これ、もう少し詳しく言えますか?」「これ、どういうことかな?」とコメントを書いてくれた子にもっと細かいコメントを聞き出す質問をしました。
 例えば、「ことば探し」のパターンに、「もうちょっと言葉をさがすといいです」とコメントがあったので、「どんな言葉がいいかな?」と質問をしていきます。
 この場面で、すぐに答えを言えなくてもいいと思っています。でも、こうして「これってどういうこと?」と質問を返していくやりとりを、グループでプレゼンテーションを作るときに子どもたち同士でできるようになってほしいと思っています。そのために、こういうやりとりを体験することに意味があると思います。
 こうしたやりとりは、この授業のときだけでなく、他の教科の授業で子どもたちがプレゼンテーションや発表するときにも行われることが大事だと思います。だからこそ、担任の先生がこうしたコメントをすることでより「プレゼンテーションのコツ」の学習効果は高まると思います。

 校内研修レポートに続きます。
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(為田)