2025年7月12日から8月3日にかけて、「小中学校の教科書の内容量についてどう思いますか?」という先生向けのアンケートを行いました。
たくさんの先生方や関係者の皆さまにSNSでシェアなどしていただきまして、合計で13人の先生(小学校 11人、中学校 2人)から回答をいただくことができました。お忙しい中、ご協力をいただきまして本当にありがとうございました。回答数としては少ないですが、大変勉強になりました。
現行の教科書の「ページ数」と「指導事項」は多い?
先生方には、現行の教科書の「ページ数」についてどう思いますか?という質問と、現行の教科書の「指導事項」の量についてどう思いますか?という質問をしています。
「ページ数」と「指導事項」で回答の傾向は大きく変わりはありませんでした。「多いと思う」「やや多いかなと思う」と答えた先生が多かったです。

教科書に掲載してほしい、ページを割いてほしい内容
先生方には、「教科書に掲載してほしい、ページを割いてほしい内容があれば教えて下さい。(例:算数の問題を多く、理科では写真を多く、など)」という質問もしています。
「ページ数」については「多い」と「やや多い」という回答が多かったのですが、それでも掲載してほしい内容はあるはずで、どういった内容が先生方に求められているのかを答えてもらいました。13人中10人の先生が回答してくれました。
- 自分は理科専科をしているので、実際に見られないものは写真があったらいい
- 学習内容と日常生活との関連性が分かるコラムを多く掲載して欲しい。
- デジタルのリンク先を増やしてほしい。資料(社会)動画(算数)とか。
- 理科では写真資料を多くするといいが、ただの資料集的な写真だけではなく、写真をみたことによって問いが生まれるようなものが望ましいと思う。
- 理科では実験動画、植物の成長動画も。今年度は例年にないほど、ホウセンカの発芽が悪く4年の担任は苦慮していた。教科担任制が進む傾向は歓迎できるが、小学校教員は主要教科を教えたことがないと、総合的な学習の時間等で多面的視点の欠如、児童のとコミュニケーションの接点の不足を危惧している。満遍なく指導できるよう教材研究のサポートとして資料や実験事前準備の手順など教科書会社の壁を超えてストックして欲しい。
- 見方考え方を児童と共有だからような吹き出しなどを今でもありますが、充実してほしい。
- 発展問題が少ない。子どもが思考するような問題を単元ごとに入れてほしい。
- 理科では、活用や発展などの問題がもう少し欲しいです。
- 英語の絵辞書(中学校の教科書にも)、英文法のまとめページを単元ごとではなくまとめてほしい、英語の質問&回答集、英語の本文に関する資料の二次元コード一覧
- 国語では、身につけた力を活かすことができる読み物が、それぞれの単元ごとにつくといいなと思います。
こうして具体的に掲載してほしい内容が並ぶのは、教科書を活用してどんな授業を設計しようとしているのかも見えるので、とても勉強になります。教員研修を自分で設計するときにも参考になります。
小中学校の教科書の内容が絞り込まれた場合、学校の授業にはどのような変化が起こると考えられますか?
「教科書の内容が減る?」というようなニュースの見出しも見ますが、現場の先生方は、教科書の内容が絞り込まれた場合にどのような変化が起こると考えているのかを訊いてみました。13人中12人の先生に回答していただきました。
- 少なくとも教える内容が減るので、授業時数に余裕が生まれ、わかりにくい内容のものについては、じっくり教えることができる。また、年間時間数や日々の授業時数にも変化があると思う。そもそも、毎日6時間やらなければいけないのは、35週で計算しなければならない標準時数が多すぎるからで、40週にするとか、標準時数を減らすとかしなければ、週あたりの時間数は減らない。
- じっくりと探究的な学習に浸ることができるようになると考えられる。
- +αの学習に進ませたい児童向けの教材の需要が高まる。自分でアクセスしてどんどん学んでいけるような教材。
- もし時数に余裕ができれば、探究的な時間を設けたり、かつかつで飛ばされがちだったところまで丁寧に出来るのではないか。
- 基礎学力が低下する
- 協働的な学びの時間確保、
- 教師の自由裁量が増す
- まず、教員の指導力低下につながります。
- 個別最適の学び方(自ら学習課題を決める)の方に動くのではないでしょうか。
- 教科書「を」資料のように活用した授業が可能になる(生徒が必要なときに閲覧する)、時間に余裕ができるので、教科内での探究的な学びがやりやすくなる
- 時間的にゆとりをもって、一つ一つの単元や教材をじっくりやりこむこと(探究的に)ができるようになりそうだと思います。反面、教師の指導力が求められるようになりそうだなとも思います。
- 絞り込まれた理由を分析できる教師の教室では、余白の時間をさらなる探究等に費やしたり、より良い余暇活動を児童生徒が自ら考え行動することにつながると思います。一方、「教科書を教えれば良い」という教師がいる教室では、削減された内容のみが指導され、児童生徒の学びが少ないまま終わってしまうことが懸念されます。
教科書の内容が絞り込まれることによって起こるかもしれない変化を考えると、良い変化も悪い変化も想像できるのがわかります。個人的には、教科書を読んで自分で学習するのが難しくなり、結果的に「基礎学力が下がってしまうのではないか?」というのがいちばん気になっているところではあります。
こういったさまざまな観点も、学校現場で先生方とお話しするときにとても参考になります(というか、いろいろな学校の先生とこの件についてディスカッションしたいと思いました)。
No.2に続きます。
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(為田)