読書猿さんの『苦手な読書が好きになる! ゼロからの読書教室』を読みました。読書に苦手意識をもつ原因となることが多い、「本は最初から最後まで通読しなくてはならない」「内容をしっかり理解しなくてはならない」などについて、「そんなことないよ」とフクロウが教えてくれる本です。もともとは『基礎英語レベル1』のなかの連載「中学生からの本となかよくなる方法」の連載がもとになっているそうで、中学生・高校生に読んでもらいたいです。
第1部 本となかよくなるために……しなくてもいいこと、してもいいこと
「第1部 本となかよくなるために……しなくてもいいこと、してもいいこと」の目次を見ると、「しなくてもいいこと」と「してもいいこと」が、「全部読まなくていい」「はじめから読まなくてもいい」「最後まで読まなくてもいい」「途中から読んでもいい」「いくつ質問してもいい」「すべてを理解できなくてもいい」…と続いていきます。
読み方について書かれている本なのに、僕が圧倒的に惹かれたのは、「書き方」について書かれてた部分です。書くことと読むことは裏表だな、と思いながらメモをとりました。(セリフはフクロウなので、ちょっと独特です)
これから言うのは、書き言葉について知るべき最も大事な事実じゃよ。文章というものは、書き手が思ったとおりに書くだけでは、基本的に伝わらないのじゃよ。(p.75)
これ、本当に大事だと思います。「書き手が思ったとおりに書くだけでは、基本的に伝わらない」ということは、作文教育で教えてほしい。そんな感じなのだから、本を読んで全部がわからなくてもいい、ということも伝えたい(何なら、書き手の責任でもあるじゃないか、と)
本を読むことは、作者が書いた言葉と、読み手がそれを理解するために持ち出す知識やイメージが協力しあってはじめて成り立つ。逆に何かが読めないということは、その協力がうまくいってないのじゃよ。本が提供してくれない、しかし読むのに必要なあれこれを、読み手が差し出すことができないと、読むことは確かに難しくなってしまうじゃろう。(p.76)
だから、読めるようになるために、読まなきゃいけないし、書く体験が必要だ、と僕は思うのです。
文章が読み手の記憶や経験の力を借りるだけのものなのだとしたら、本を読むことは、実際の経験を超えることはないじゃろう。書物が読む人を、実人生を超えたところまで誘うために、《描写》は必要なのじゃよ。(p.78)
フクロウさん、マジでいいこと言いますね。
第2部 出会いたい本に出会うために……してみるといいこと、知っておくといいこと
「第2部 出会いたい本に出会うために……してみるといいこと、知っておくといいこと」では、リサーチのノウハウを学ぶことができます。こういうことを、僕はまったく知らないまま大人になりました。高校生の頃に知っていたら、何か変わったかな…と思うことがあります。
紹介されていたさまざまなツールのなかで、いちばんおもしろかったのはレファレンス協同データベースです。レファレンス協同データベースは、図書館員が作成した調べものに役立つ情報を利用できるデータベースです。例として、「魔法使いになりたい」という質問をした小学生への回答が紹介されていました(p.127)。こういうのを見ると、図書館のお仕事、めちゃくちゃ素敵だなと思いますね。
それから、青空文庫をもとにした便利なサイトが2つ紹介されていました(p.192)。
どちらも使ったことがないので、今度使ってみようと思います。
感想
タイトルの「ゼロからの読書教室」が本当に素敵だと思います。学校の授業や読書の時間などと連動して、この本に書かれていることを紹介できたらいいなと思いました。
(為田)
