2025年8月6日に山形市立第九中学校で行われた、山形市中学校教育研究会 メディア教育部会の研修で講師を務めさせていただきました。これまで2018年・2019年・2023年・2024年と、山形市「小学校」教育研究会 メディア教育部会の研修会では講師を務めさせていただいているのですが、今年は「中学校」教育研究会のメディア教育部会へお招きいただきました。
小学校と中学校では、ICT活用の現状はけっこう違っています。中学校は教科担任制ですし、学習内容は難しく量も多くなります。中学校では定期考査がありますし、高校入試にも備えなくてはなりません。そんななか「ICTを使って授業を行うのがなかなか大変だ」という中学校の先生方の声も多く聞きます。
だからこそ、中学校教育研究会のメディア教育部会で、中学校の先生方だけに焦点を合わせて研修講師をさせていただけるのはありがたいと思っています。中学校での実践事例をいつもより多めに準備して、「デジタルを活用した授業づくりのアップデート」というテーマで話をしました。

Mentimeterで「山形市の中学生に身につけてほしい力」を書いてもらい、読み合う
この日の研修の参加者は、50人ほどでした。研修の最初に、参加してくださった先生方に「山形市の中学生に、どんな力を身につけてほしいですか?」という質問をしました。できるだけたくさんの先生方の言葉で「山形市の中学生に身につけてほしい力」と考えていることを教えてほしいと思ったので、Mentimeterを使って書き込んでもらいました。
参加者の先生方には、山形市の中学校で導入されているWindowsタブレットを持ってきてもらっていたので、そこからMentimeterに答えてもらいました。また、スマートフォンでもQRコードを読み込んで答えることができます。Mentimeterに書き込んでもらうことで、挙手をして発表してもらうよりもずっと多くの言葉を聴く(読む)ことができます。
少し時間をとった後で、先生方がMentimeterに書いてくれた回答をみんなで読み合わせしていきます。「知識を活用できる力。応用力。」「自律、セルフコントロールする力をつけてほしい」「自分で様々な手段を講じて思考して答えを導く力」「目標に向かって仲間と共に粘り強く取り組む力」「嫌なことから逃げ出さない力、強さ」「相手の気持ちを考えられる力」「自分の考えを表現できる力」「失敗してもあきらめず取り組むことのできる生徒」「考えに根拠をもって伝える力」「協力しながら課題を解決できる力」「仲間から学べる生徒。アドバイスできる生徒。分からないことを仲間に聞ける生徒」「いろいろな情報を知り、正しく判断して、活用できる力」など、さまざまな回答が書き込まれました。

Mentimeterで先生方が書いた回答は、講師である僕が紹介しなくても、先生方が自分のWindowsタブレットやスマートフォンを使って読むことができます。講師が取り上げた回答だけでなく、あらゆる回答が参加者全員に対して開かれていて、どんどん読み合うことができます。研修の場でやりとりされる情報量を増やすことができると思っています。せっかく50人もの先生方が集まっているので、どんどんやり取りをしてもらいたいなと思います。
研修の中でMentimeterのようなデジタルツールを活用することで、「挙手して口頭で発表するよりも、自分の考えを書くハードルが低い」「挙手をしてもらうよりもずっと多くの声を聴ける」というようなデジタルを活用するからこその利点を先生方にも体験してもらうことができます。
「こうした活動を中学校の授業でやってみたら、どんなふうになるか、ということも考えてみてください」ということを先生方に伝えました。
ICTを活用した中学校での授業事例の紹介
Mentimeterで回答として出ていた、「自分の考えを表現できる力」「考えに根拠をもって伝える力」「協力しながら課題を解決できる力」「いろいろな情報を知り、正しく判断して、活用できる力」などは、ICTを活用した授業を行うことで、中学生たちに身につけてもらう機会をより多く広く提供できると思います、ということを伝えて、中学校でのICTを活用した授業事例の紹介をしました。
ICTをうまく活用して、授業での生徒たちの学びを変えていっている中学校はたくさんあります。そうした事例を紹介したうえで、「授業の中でのICTの使い方はそれぞれであっても、共通しているのは“何のためにICTを使うのか”という目的を明確にしていること」と先生方に伝えました。
紹介した授業事例で設定されていたICTを活用する目的を類型化して、1つずつまとめて紹介していきました。

Padletで「コメント」と「質問」を受ける
最後にPadletで、「コメント」と「質問」を色分けして書き込んでもらいました。色分けしてもらうことで、質問を見つけやすくなります。
こうしてPadletを活用してコメントと質問を書き込んでもらうのも、挙手をして発言してもらうと、この日の研修のように50人を超えるとほとんどの先生方にとっては「誰かの発言を聞く」時間になってしまうからです。そうではなく、自分が発信をしてほしいと思っています。

Padletに書き込んでもらった「質問」のなかから、参加者全体に共通しそうな質問を選んでその場で回答していきました。すべての質問には時間の都合で回答しきれなかったので、それらについてはその日のうちに僕がPadletのコメント機能を使って回答して、後日参加した先生方に読んでもらうようにしました。
「コメント」として感想を書き込んでくださった先生方も多くいらっしゃいました。いくつかの感想を以下に紹介します。
- 様々な実例を見れたので、目的に合わせてやってみようと思いました。
- デジタルを活用した具体例が多く見られた。取り入れられそうなものがあったので夏休み明けにやってみようと思う。
- ICTを使った実践例を見れてよかったです。校種や教科が違っていても、いろいろな使い方ができることがわかってよかったです。
- 山形市で活用できるスカイメニューをもっと上手く使い、生徒の様々な意見を取り入れたい。
- 多様な実践例を、なぜするのかという理由もつけて講義していただけてよかったです。夏休み明けから目的に応じて実践してみたいと思います。
- 今回教えていただいた事例はどれもいまの環境で取り入れられそうな感じがした。ぜひ夏休み明けからやってみたい。
- 先生のお話を聞くまでの自分は、ただ使えばいい、という考えに近かったと思います。何のために使うのか、教師・生徒目線で目的を考えて使っていきたいと思いました。
- デジタル・ICTを使わなくては!というストレスとプレッシャー、不安がまだぬぐえないでおりました。デジタルの良さを理解した使い方・授業づくりに役立てて行きたいと思います。
- 目的の類型がとても参考になりました。「効果的な活用」が一歩具体化しました。授業づくりにおいて、生徒の姿として落とし込むことで、活用できたかの評価もできると思いました。
こうして先生方に書いていただいた感想のなかで、「デジタル・ICTを使わなくては!というストレスとプレッシャー、不安がまだぬぐえないでおりました」という言葉が印象的でした。こうした気持ちをもっている中学校の先生方は多そうに思います。
僕は、「使いましょう!」とプレッシャーをかけるのではなくて、先生方に「こんなふうに使えたら、先生方のやりたかった、生徒たちの学びをパワーアップさせる授業ができるのではないですか?」ということを伝えていきたいのだなと、改めて感じました。
(為田)