月刊私塾界10月号が発刊されました。特集は「国語教育の多様な形を一望する」で、すごく興味深く読みました。

取り上げられていたのは、古典的作文指導を続ける「のびのび学習教室」、ICTによる読書支援を展開する「ことばの学校」、オーディオブックを教育現場へ届けるオトバンクの「audiobook.jp」、創作を通じて表現力を育てる「かまくら国語塾」、飲食と国語教育を掛け合わせた「グリーンカレー&国語教室M」(カレーと国語教室を一緒にやってるの、おもしろい!)、中学受験国語に特化した「PREX」でした。
特集記事の中から気になったところをメモしてみました。
- のびのび学習教室
- 長文読解を重視しながら、独自の指導をおこなっている国語で特に大切にしているのが、「考えさせること」だ。「今の子はすぐに答えを知りたがりますが、まずは考えさせることから始めている」(のびのび学習教室 長原昌弘 氏)。
- わかりやすい解説を聞き、新たな考え方を得たことで、子供たちは今までとは違った視点で書けるようになることが多いという。
- かまくら国語塾
- 子供たちは本当は書きたいことがあるのに、「早く書きなさい」「これだけしか書けないの?」のように言われると、嫌気が差してしまう。ライティングの楽しさを、お絵かき教室のように味わってもらいたいと、この塾を立ち上げた。(かまくら国語塾 塾長 中本順也 氏)
- 中本氏もAIを使うが、AIを使えば80点の文章は書けるものの個性は消え、自分の言葉が失われていく感覚があるという。そしていずれ「「自分の言葉はどこにあるんだろう?」と、探す時が来ると思います」と指摘する。
- audiobook.jp
- 小学校では教科書の音読から国語を始め、文字を音声に変換する練習をする。そのため、目からの情報インプットが苦手な子でも音声変換がスムーズにでき、内容も理解できる。そのうち黙読に移行するが、ここに大きな落とし穴があるのだ。「黙読の時は頭のなかで声を出して読まなければならないことを、誰も教えてくれません。これができないと、内容が入って来づらいんです」(オトバンク 代表取締役 会長 上田渉 氏)
「ライティングの楽しさを味わってもらいたい」というところとか大賛成です。それと、音読に苦労をしている子どもたちの話も先生方からよく伺うので、audiobook.jpのようなサービスで先生方を支援するということもできるのかな、と思っていたので、タイムリーに紹介されていてよかったです。
audiobook.jpは、オーディオブック作品数「15,000点以上」、会員「300万人以上」と書かれています。音読というと小学校のイメージが強いですが、むしろ本を読んでいろいろな知識をどんどん吸収して世界を広げていく、という意味では中学校・高校で本を読むのが苦手な生徒たちのサポートになるほうが先かもしれないな、と思いました。勉強になりました。
いつものように、僕の連載記事も掲載されています。6月から7月の記録です。1学期の終盤の学校訪問や、夏休み前半の研修に伺っていた時期でした。

(為田)