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書籍ご紹介:『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』

 山根承子さんの著書『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』を読みました。僕は、地道に努力することができることはとてもいいことだと思っているのですが、「がんばれ!」と言っているだけではなかなか努力できない、という人も多いと思っているので、タイトルの「努力は仕組み化できる」にすごく惹かれて読みました。

 目次を開いて、第6章、第7章、第8章、第9章の章タイトルがいいなと思いました。「努力しない言い訳と戦う」ってめちゃくちゃいいなと思います。

  • 第6章 【努力しない言い訳】と戦う①「今回は、運が悪かったね」
  • 第7章 【努力しない言い訳】と戦う②「(努力しなくても)何とかなるでしょ」
  • 第8章 「環境からの悪影響」と戦う
  • 第9章 他人からの低い評価に立ち向かう

 オーストラリアで行われた、健康的な行動が取れている人の特徴を見た研究の成果について書かれていたところを読んで、「ああ、そういうことあるかも…」と思いました。

この研究によって、実際に健康的な行動を取れていない人は、自分の意志力に問題を感じていることがわかります。
そして、努力を続けられない人ほど「努力には意志の力が必要だ」と考えているともいえます。つまりある意味で、意志力と努力の関連が示されているといってもいいでしょう。
一方、努力を継続できている人は、意志の強弱が行動のハードルとなっているとは感じておらず、「努力を努力と思わずにできること」の重要性を示唆されています。(p.40)

 「努力を継続できている人は、意志の強弱が行動のハードルとなっているとは感じておらず」というところ、周りの努力を継続できている人を見て、同じようなことを感じます。みんな「努力して努力を続けているわけじゃない」感じがするのです。このあたり、とても興味深かったです。

では、このように自分の「意志の弱さ」を障壁だと感じている人は、どのようにすれば努力を継続することができるのでしょうか。
意志の力を鍛えるというのは、なかなか難しそうです。そもそも意志の力は、鍛えようと思って鍛えられるものなのでしょうか。だとすれば、可能なことは何かしらの工夫を行うことでしょう。いったいどんな仕組みがあれば、意志の強さに頼らずに努力を続けていくことができるでしょうか?(p.42)

 もうひとつ、成功を運の力と思うのか、努力の力と思うのか、ということについて書かれていた部分もよかったです。

ポジティブな出来事については「運も実力のうち」と捉えてしまい、どこまでが運の力で、どこまでが努力の力なのかをきちんと分けることができないということでしょう。つまり成功者の話を聞いたときには、運によるものを努力だと考えたり、逆に努力によるものを運だと考えたりしてしまうことがありそうなのです。

本当は、ネガティブな出来事が起きたときに「運がなかったから仕方ないよ」と思うのと同じだけ、成功体験を聞いたときも「運が味方したからかもしれない」と考え直す必要があります。成功者の話を参考にするときは、このバイアスをより意識しておいたほうがいいでしょう。
成功者のまねをしても成功できない理由も、ここにありそうです。同じだけの努力と、同じだけの幸運を身につけなければ、同じように成功することは難しそうです。(p.184)

 僕自身、努力を継続するのが苦手なので、全面的に仕組みに頼っています。ToDoリストを管理するためのアプリを使い、PCでもスマホでもいつでも確認できるようにしていますし、週に1回はアプリから紙の手帳にやるべきことを書き写すことにしています(「紙の手帳に書き写す」というタスクがToDoリストに入っています)。やり始めると楽しい、努力の仕組み化をするのに参考になりそうな本だと思いました。

(為田)