2025年10月29日に京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、稲垣希望 先生の担当する4年1組のメディア・コミュニケーション(MC)の授業を参観させていただきました。この日の授業は「プレゼンテーションで考えを伝えよう」というテーマで、子どもたちが今年度に行った南丹市美山町での農家宿泊体験学習について、1学年下の3年生に伝えるプレゼンテーションを作る活動をしていました。

グループごとに分かれて、「3年生はどんな情報を知りたいと思っているのか?」を話し合います。4年生の教室にはたくさんのホワイトボードがあるので、グループごとにホワイトボードの前で話し合いをしていきます。ホワイトボードに考えて話し合った「3年生が知りたいと思っているだろうこと」をたくさん書いて、その中から一番知りたいと思っていそうなことに○をつけていきます。

それぞれのグループで考えた「3年生が知りたいと思う情報」をもとに、稲垣先生がロイロノート・スクールを使って「3年生が知りたいと思う情報」が書かれているカード1枚を子どもたちに配付します。
「3年生が知りたいと思う情報」のカードは、縦軸に「期待 / 不安」、横軸に「宿泊学習のこと / 美山のこと」と書かれた2軸のチャートの上に置いてあります。子どもたちは自分のロイロノート・スクールで、この2軸に合わせてカードを分類していきます。5分間で一人ひとりがカードの分類をして、その後でグループで共有します。

「3年生が知りたいと思う情報」をまとめたら、稲垣先生は「どうやってプレゼンを作る?」と子どもたちに質問します。子どもたちからは、「3年生が不安に思っていることについてスライドで伝えたら、不安がなくなると思う」「一度美山に行っている僕らが、“こうだったよ”って実際に知らせたい」「3年生が不安に思っていることを書いてあげて、ほぐしてあげたい、やわらげてあげたい」という答えがありました。
また、こうした内容面だけでなく、3年生にしっかり伝わるように、「しっかり説明する」「クイズを出したりする」というプレゼンの方法面について答えている子もいました。
稲垣先生が「3年生は美山に行くことに不安を感じているかもしれない、ってことだよね。では、不安の反対って何だろう?」と質問すると、「安心」「楽しみ」という答えが子どもたちから出てきました。そこから「3年生の不安をほぐして、安心させてあげる」ことを目指して、どんなことをプレゼンテーションで伝えればいいのかを考えるために、フィッシュボーン図の作り方を説明していきます。
稲垣先生はホワイトボードに「人との関わり」「泊まるところ」「食べ物(ごはん)」の3枚のテーマを示すカードを貼ります。その下に、「知らない人とコミュニケーションをとることが不安」「どんな家に泊まった?」「食べられないごはんがあっても大丈夫なの?」と3年生が感じているだろう不安のカードを貼ります。
それぞれの不安のカードの下に、その不安をほぐしてあげるためにプレゼンテーションで伝えられることを考えていく、ということを伝えます。子どもたちからは、「家で楽しかったことを教えたい」「正直に食べられない、と言ったらいいと思う」などの声があがっていました。それらを、不安のカードの下に書き込んでいきます。

こうして「3年生の不安」と「不安をほぐしてあげるために伝えたいこと」をセットに考える方法をホワイトボードで見せた後で、子どもたちは自分のロイロノート・スクールでフィッシュボーン図のカードを開きます。子どもたちはいまやったのと同じように、「3年生の不安」と「不安をほぐしてあげるために伝えたいこと」をセットにしてフィッシュボーン図に書いていきます。

授業の最後に、子どもたちはフィッシュボーン図で書いた「不安をほぐしてあげるために伝えたいこと」を、Googleスプレッドシートを使ってクラス全体に共有します。スプレッドシートにまとまっているのを見て、「こんなことを伝えたら、3年生の不安がほぐれそうだ」というアイデアを考えるきっかけになるかと思います。

「3年生の不安をほぐしてあげる」というプレゼンテーションのゴールが明確になったので、ここからプレゼンテーションを構成して、スライドを作成していくことになります。3年生という対象がはっきりしているプレゼンテーションを作る土台となる部分を考える授業だったと思います。
(為田)