宮口幸治 先生と田中繁富先生の共著『「頑張れない」子をどう導くか 社会につながる学びのための見通し、目的、使命感』を読みました。先日読んだ『ケーキの切れない非行少年たち』に続けて読むことになりました。
「はじめに」で、この本のテーマと目的がしっかり書かれていました。前提として、僕はこの本のタイトルにある「頑張れない」子をどう導くかということが下手だと思っているし、まさに学びたいと思っていることなのでした。
本書は目の前にいる「頑張れない」子どもたちをどう理解してどう正しく導けばいいのかがテーマになっています。「頑張れない」ことの背景にはさまざまな要因が考えられますが、子どもの能力的なものに起因するものではなく、周りの大人の思い込みや押しつけ、固定観念、生活・教育環境などによって、その力が奪われてしまっているケースを取り上げました。大人のどのような言動があって、それによって子どもたちがどんな影響を受けてしまうのか、ではどう考えて対処していけばいいのかといった観点から、主に学習面について解説したものです。
本書の一番の目的は、さまざまな理由で頑張れない子どもたちのやる気に少しでも繋がるように、我々大人ができることを考えていくことです。それに先立ち、やる気に繋がる3つの段階というものを仮定してみました。それが本書の軸となっている”見通し”、”目的”、”使命感”です。(p.3-4)
「頑張れない」子を導くために大人ができることとして、やる気に繋がる3つの段階「見通し」「目的」「使命感」がまとめられています。「はじめに」で書かれていた部分をまとめてみました(p.4-6)。
見通し、目的、使命感のまとめ(p.4-6)
- 見通し
- どれだけやれば自分の目的や目標が達成できるか、もしくはその努力が報われるのか、がわかること。
- 見通しは地図のようなもの。地図がないとどうやって行けばいいのかイメージできない。
- 「やればできる」「努力は報われる」と大人に言われても、本人の能力に比べて高すぎる目標だったり、大人の過剰な期待から生じた目標であれば、どうすれば達成できるのかイメージできない。
- 見通しがもてれば、どのくらいすればできるのか、どのような努力をすれば実現できるのか、子ども本人が具体的にイメージできるようになる。
- 見通しがもてないと不安で、頑張ることも困難になる。
- 目的
- 何のために頑張るのかを具体的にイメージできる一つのゴールと言えるもの。
- 地図で言えば、目的地を決めること。
- 大人としては、目的地が遠すぎないか、本人に適した場所か、安全か、途中で迷わないか、など配慮しながら子どもに伴走していく。
- 使命感
- 目的の先にあるもの。
- 地図で言えば、その目的地に無事に着けたとして、そこで何をしたいか、ということ。
- 目的地でやること、頑張ることが自分の人生にとってどんな意味があるのか、社会にとってどんな意義があるのか。
- 周囲の大人は自分たちの経験からアドバイスしながら支えることができる。
この3つの段階が、この本ではそのまま「第一章 子どもが”見通し”をもてるように」「第二章 子どもの”目的”を支えるために」「第三章 やる気を”使命感”に繋げるために」で詳しく解説されていきます。読めば読むほど、自分はこんなふうに子どもたちを見られているだろうか、と考えさせられました。
(為田)
