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戸田市立笹目中学校 授業レポート No.2(2025年12月4日)

 2025年12月4日に戸田市立笹目中学校を訪問し、目黒哲太 先生が担当する1年5組の社会「ヨーロッパ州をながめて」の授業を参観させていただきました。ヨーロッパについて学ぶ最初の授業だったので、最初に目黒先生は「今のイメージで、ヨーロッパってどんな地域だと思っていますか?」と生徒たちに質問して、周りの人と話し合ってもらうと、生徒たちからは、「小麦めっちゃとれそう」「サッカー強い」「なんか進んでそう」「寒そう」…というような声があがっていました。

 目黒先生は、「まずはヨーロッパの自然や気候について知ろうか」と言って、ロイロノート・スクールでワークシートを配付します。ワークシートには、ヨーロッパがどんな特徴をもった地域なのかを知るための2つの問いが書かれていました。生徒たちはワークシートと合わせて地図帳も開いて、この2つの問いに取り組みます。

 ワークシートの1つめの問いは、「カードの雨温図や自然環境は、地図のどこで見られるものだろう?」というものです。
 ワークシートにはヨーロッパの地図が大きく貼られていて、その周りにヨーロッパのいくつかの都市の雨温図、北大西洋海流と偏西風の矢印、ヨーロッパのいくつかの名所(ソグネ・フィヨルドとアルプス山脈)の写真のカードが置かれています。「それぞれがヨーロッパのどこで見られるものなのか、正しい場所に置いてください」と目黒先生は言います。

 目黒先生は、「いまから20分とるので、自分の席でもいいし、移動して好きな人と好きなように好きな場所でやってください。20分後に必ず全員提出でお願いします。教科書、地図帳、資料集、何を使ってもいいですよ」と言います。生徒たちはそれぞれにワークシートの問いに取り組み始めます。

 目黒先生は教室を回りながら、生徒たちの進捗を確認して、コメントをしたり質問をしたりしていきます。

 2つめの問いは、「ヨーロッパ州の気候にはどんな特徴があるのだろう?」というものです。1つめの問いから発展させて、ヨーロッパ州の気候の特徴を文章でまとめていきます。

 目黒先生は適宜クラス全体に対してのコメントを入れていきます。20分間で2つの問いに生徒たちは取り組みますが、少し早く終わってしまう生徒や、手掛かりを探せず手が止まってしまう生徒もいるので、ときどき全体の進度を確認しながら調整をしていくことは大事だと思います。

 20分経ったところで、もう少しやりたいという状況の生徒が多かったので、もう5分追加して取り組んでもらいました。その後で、ロイロノート・スクールでワークシートを提出してもらいます。
 提出箱では回答を共有して、お互いのワークシートを見ることができるようになっているので、他の人を参考にすることもできます。

 ここで、生徒たちに元の自分の席に戻るように目黒先生は言って、「どこで学習してもいい」環境から、「全体で一緒に学習する」環境へ変化させます。
 目黒先生がクラス全体に対して「フィヨルドって調べた人いる?」と質問すると、1人の生徒が調べていたので、内容をクラス全体に共有してもらいます。その後で「ヨーロッパの気候はどんなだった?」と質問すると、何人かが手を挙げて意見を発表してくれます。目黒先生は、生徒たちから出てきた意見をホワイトボードに書き込んでいきます。

 ワークシートにあったロンドンの雨温図についての解説するときには、「札幌とロンドンを比較すると、ロンドンの方が緯度が高いのに気温が温かいのはなぜだろう?」というふうに生徒たちに質問します。ワークシートの内容から発展した質問は、生徒たちが一人ひとり学習したところで必ずしも出てくる発想ではないので、こうしてクラス全体に向けて問いかけることが大事だと感じました。

 一人ひとりが個別に学習する時間と、それをもとにして全体で問いを共有して考えていく時間とを、バランスよく使うことが重要だと改めて感じさせられる授業でした。

 No.3に続きます。

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(為田)