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東福岡高等学校 授業レポート No.2(2026年1月22日)

 2026年1月22日に東福岡高等学校を訪問し、Kelvin Yeoh 先生が担当する国際教養コース 1年20組の英語コミュニケーションの授業を参観させていただきました。Kelvin先生の授業はオール・イングリッシュで行われています。
 授業の最初に「Please open loilo.」と言って開いたロイロノート・スクールの共有ノートの中央に、「Are you happy today?」と問いかけが書いてあります。Kelvin先生が「You can’t use “yes” “no” “good” “happy”」と伝えると、生徒たちは「Are you happy today?」の問いに、“yes” “no” “good” “happy”などの単純な返事以外の方法で、返事を書き込んでいきます。画面には「yep」「not really」などさまざまな表現がリアルタイムに書き込まれていきます。帰国子女の生徒たちもクラスにいるので、「yeah dude」などくだけた表現もたくさん書かれていましたが、それも含めてKelvin先生が生きた英語コミュニケーションを教室に持ち込もうとしている様子を感じました。

 その後で、Kelvin先生は「Are you happy?」という問いに対する返しに使えそうなさまざまな感情表現をプロジェクタで映して紹介していきます。「写真を撮ったり、メモしたりしてください」とKelvin先生は言います。さらに、感情を表現する単語をまとめたカードをロイロノート・スクールで一人ひとりに配付します。

 紹介した感情表現をみんなで音読練習をしてから、もう一度さっき書いた共有ノートにみんなで追記していきます。Kelvin先生は、「英語は使ってはじめて自分のものになるので、(習った表現は)そのままでもいいので使ってね」と生徒たちに伝えます。

 次に、ロイロノート・スクールでワークシート「Rank 10 happiest countries」を配布します。ワークシートに置かれている10の国カードを、幸福度ランキングを予想して並べていきます。「2分で予想してみてください。インターネット検索は使わないで」とKelvin先生は言います。

 ランキングの予想が終わったら、周りの人と比べる時間をとります。それぞれの予想を共有した後で、Kelvin先生がランキング結果を発表します。結果が発表されると、一人の生徒が大きな声で「Why?」と言いました。Kelvin先生は「そう、理由を考えてみましょう」と言い、「How do you think these countries were ranked?」と問いを提示して、生徒たちに「based on …」の表現を使いながらこのランキングの理由について話し合う時間をとります。
 ランキングの理由について話し合った結果を発表してもらいます。「financial freedom」など、いろいろな答えが挙がっていきます。「high tax」と言った生徒には、Kelvin先生が「high taxだとhappy?」と質問をしていました。その生徒は「high taxだと returnも大きいと思うから」と自分の考えを返していました。
 こうしたディスカッションをみんなの前で行っていくことで、英語でロジカルにコミュニケーションをしていく感覚が教室に作られていくのかなと感じました。

 Kelvin先生は続けて、今回のテーマに関連する「Gross Domestic Product(GDP)」「social support」「life expectancy」「freedom」の4つのボキャブラリーの確認をします。Kelvin先生が紹介するボキャブラリーを撮影してロイロノート・スクールを使ってメモを書き込んでいる生徒もいました。

 その後で、ロイロノート・スクールで配付した資料に書かれている「Happiness Level」を使って、生徒たちは比較級、最上級を使った例文を5つ書く活動に取り組みます。

data.worldhappiness.report

 資料を見ながら、「シンガポールが東アジアでいちばん幸福度が高いのか…」とか「日本の数字は…」とか、生徒たちはいろいろな感想をつぶやきながら英作文をします。キーボードで入力している生徒もいますが、ペンを使って手書きで英作文している生徒も多くいます。
 比較級、最上級など習った文法事項の復習するための英作文というだけでなく、「国による幸福度の違い」というトピック周辺の知識も生徒たちに伝えられるようになっていました。

 1人ずつ、自分の書いた5つの英作文のうち1つずつ発表をしてもらって、Kelvin先生が解説をした後で、隣の人と自分の書いた文章を伝え合う時間を1分とりました。

 生徒たちが見ていた「Happiness Level」のデータにある「Life Evaluation」のスコアで、シンガポールのスコアが6.565、日本のスコアが6.147だったのを見た生徒が「Singapore is happier than Japan.」と言ったときに、シンガポール育ちのKelvin先生が「It depends. That’s why I came here.」と返したやり取りが印象的でした。
 こうして最新の調査データを使って、英作文やディスカッションをすること、また、Kelvin先生が自分自身の体験を、一人称の言葉を使って生徒たちとディスカッションをしていること、こうした学習環境がとてもいいなと思いました。

 No.3に続きます。

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(為田)