2026年1月22日に東福岡高等学校を訪問し、松下直樹 先生・Kelvin Yeoh 先生・髙橋清楓 先生が担当する国際教養コース 1年20組と21組合同で行われる「総合的な探究の時間」の授業を参観させていただきました。これまで、「分かり合えないこと、から」をテーマに、自分とは異なる背景を持つ他者との「ずれ」を 対話で調整する学びに取り組んできたそうです。
特徴的なのは、探究学習の手法として演劇(スキット)を用いていることで、生徒たちは4ヶ月にわたって4~5人のグループでオリジナル脚本の制作をし、3月にスキットを演じることになります。
この日の授業では、最初に平田オリザさんの『転校生が来る』の台本が配られて、2分間でグループ内で配役を決めて、演じられるように読み合わせなどの準備をします。


準備のための2分間が終わったら、特別講師の上原炎 先生が順に指名した2つのグループが立って台本を演じました。上原先生は「失敗して当たり前。だから、思いきり楽しんで遊んでください。演劇は“play”とも言います。その役になりきって遊ぶ。失敗しましょう」と言います。「思いきり楽しんで、遊べ」とはっきり言われて、それを実践する場が学校にあるのはいいなと思いました。
演技が終わると、教室にいる全員から拍手が湧きます。上原先生に言われたように、そのまま読むのではなくて誰かになりきって演じている様子がわかります。
終わった後に、上原先生が「誰になり切ったの?」と演じた生徒に質問すると、「内気だけどがんばってみた女の子」というふうに生徒が返していました。

授業の終盤には、全員でホールへ移動して、3月のスキットの上演会を待たずに、1月のうちにニュージーランド留学に出発することが決まっているグループが、自分たちで作って演じるスキットを見ました。
この日は観客だった生徒たちはみんな、3月にはスキットを演じる側に回るので、作り手の大変さもすでに想像できているらしく、スキットの後の質問やコメントのやりとりもとてもよかったです。

スキットが終わった後で、上原先生の「台本があるとそれは正解になりがちだけど、台本の通りやらなくてもいい」というコメントがとてもいいなと思いました。
あらかじめ配られていた台本と演じられたラストシーンが違っていて、しかも台本に書かれていたラストシーンより実際に演じられたラストシーンの方が、セリフも演出も僕は好きだったので、演者の生徒に訊いてみたら、「当日のスタート20分前くらいに変えたんです」と言っていました。こういう、土壇場で変えて、それが観客に受け入れられてばっちりはまってうまくいった体験というのは、なかなか他では得られない体験かもしれないな、と感じました。
(為田)