教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

戸田市立美谷本小学校 研究発表会 レポート(2026年1月28日)

 2026年1月28日に戸田市立美谷本小学校で行われた研究発表会に参加させていただきました。美谷本小学校は『心豊かに学び合い、未来を拓く児童の育成 ~心を育てる学級経営 SEEPプロジェクト~』を研究主題として、先生方がさまざまな授業づくりを行ってきました。

 僕は4月からSubject(教科教育)の面で先生方と、1年生の国語、2年生の国語、きらきら学級の図画工作の3つの授業の指導案検討の場で伴走をさせていただきました。2年生の国語「あったらいいな、こんなもの」は2025年10月に研究授業をして、先生方と共に研究協議も行いました。
 1年生の国語「これは、なんでしょう ~ふたりでかんがえよう~」と、きらきら学級の図画工作「世界に一つだけのけやきものがたり」は、この日に公開授業となったので、それぞれの教室で授業を参観させていただきました。

公開授業:1年生 国語「これは、なんでしょう ~ふたりでかんがえよう~」

 1年生の国語「これは、なんでしょう ~ふたりでかんがえよう~」では、みんながわくわくするクイズを作る活動をしていました。出題者からの「これはなんでしょう?」という問いに、少しずつヒントを出していって、答えにたどりつくかを楽しむクイズです。
 クイズの答えにたどりつくまでのヒントを2人でできるだけたくさん考えて、ロイロノート・スクールでカードに書き出していきます。ヒントを思いつかない子たちには、生成AIを使ってヒントを考えてもいい、というふうになっていました。
 次に、ヒントの難しさによって「まだまだ」「まあまあ」「ズバリ」の3段階にカードを振り分けます。カードを振り分けながら、「どのヒントをクイズで出すか」を2人で話し合いながら決めていきます。
 ロイロノート・スクールをアウトプットの最終段階で使うのではなく、そこに至るまでの過程で使ってもらえるように先生方が授業をしていました。

公開授業:きらきら学級 図画工作「世界に一つだけのけやきものがたり」

 きらきら学級の図画工作「世界に一つだけのけやきものがたり」では、美谷本小学校のシンボルツリーであったけやきの木の切り株を主材量にしたさまざまな素材を子どもたちが自分で選んで、並べたり組み合わせたりしながら作品を作っていきます。

 制作の途中でChromebookやiPadで写真や動画を撮って、ロイロノート・スクールにまとめていきます。いろんな素材があって、いろいろなものを自由に組み合わせられるのが本当に楽しそうな授業でした。

トークセッション「未来を拓く児童の育成~PBL・Subjectの可能性~」

 公開授業後の授業セッションで、それぞれの授業について戸田市教育委員会の指導主事の先生方と参観された先生方で話し合いが行われた後、体育館で全体会とトークセッション「未来を拓く児童の育成~PBL・Subjectの可能性~」が行われました。僕は札幌国際大学の朝倉一民 先生と一緒に登壇させていただきました。朝倉先生がPBLの面から、僕がSubjectの面から、この1年間で美谷本小学校の先生方が積み上げてきたものについてお話をさせていただきました。

 僕は、指導案検討でお手伝いをさせていただいた3つの授業のなかで、子どもたちが「自分の考えを伝えたい」と思う場面と、「他の人の考えを聴きたい」と思う場面ができるだけ多く現れるようになってほしいなと思っていて、その様子が、公開授業のなかでも垣間見えたように思います。
 こういう「自分の考えを伝えたい」「他の人の考えを聴きたい」という場面は、学校で先生方と一緒に、Subject(授業・教科)のなかで学ぶからこそ現れるのではないかと思っている、という話をさせていただきました。

 トークセッションの後半では、美谷本小学校で「未来を拓く力」として考えている、創造性・論理的思考力・課題設定力・耐性・寛容の5つの力がどう育っているかをAi GROWで数値化したデータが紹介されました。
 こうして数値化したデータと、先生方が「この力を育成できているだろうか」ということを合わせて紹介してもらえたのが、とてもよかったと思います。データですべてを測ろうというわけではなく、「データで出ているものと美谷本小学校の先生方の子どもと接していて感じる肌感覚にどれくらいの差があるのか」ということを知って、授業をつくっていくことがとても大事だと思っています。

 ここで挙げられていた、創造性・論理的思考力・課題設定力・耐性・寛容の5つの力を身につける授業実践について、朝倉先生からもさまざまなヒントが紹介されたのも勉強になりました。

 個人的には、公開授業、授業セッション、トークセッションを通じて、「先生がどのような問いを提示して、子どもたちを没頭して学べる場をつくるか」ということを考えさせられる時間となりました。

(為田)