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藤沢市立中里小学校 授業レポート(2026年1月29日)

 かながわ学びづくり推進地域研究委託事業の実践授業として2026年1月29日に藤沢市立中里小学校を訪問し、6年1組で「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を担当させていただきました。
 授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが授業で使いやすいように教材設計したものです。

 最初に「プレゼンテーションのコツ」を紹介していきます。教材として使う「プレゼンテーション・パターン」には全部で34のパターンがありますが、そのなかから6年生にわかりやすく実践しやすいと思われる「メインメッセージ」「心に響くプレゼント」「ことば探し」など9つのパターンを選んで「プレゼンテーションのコツ」として紹介します。
 プレゼンテーションを聴くときやプレゼンテーションを自分でするときの評価の軸として多様なパターンを知ってほしかったので、あえて多様なパターンを選ぶようにしています。

 パターンが書かれたカードを1枚ずつ大きくプロジェクタで映して、パターンのタイトルと意味を紹介して、それぞれのパターンについて子どもたちが理解しやすいようなエピソードを加えながら説明していきます。

 「プレゼンテーションのコツ」を紹介した後で、僕から生徒たちに対して簡単なサンプルプレゼンテーションをします。紹介した9つの「プレゼンテーションのコツ」を知ったうえで、他者のプレゼンテーションを聴く体験をしてもらって、プレゼンテーションのどんなところに注意がいくのか、もっとプレゼンテーションを良くするためにどんなふうにコメントすればいいのかを体験してもらいたいと思っています。

 サンプルプレゼンテーションを聴いてもらった後で、「プレゼンテーションのコツ」のカードを並べたワークシートを、ロイロノート・スクールで子どもたちに配付して、サンプルプレゼンテーションで「できていたコツ」と、サンプルプレゼンテーションを「もっとよくするコツ」について、それぞれパターン・カードを選んでコメントを書いてもらいました。
 「プレゼンテーションのコツ」が書かれたカードがきっかけになって、子どもたちは「面白かったけどもう少し、字の量が多い方が良いと思った」「サッカー部の例えがめっちゃわかりやすかったです」「声のトーンが変わってて分かりやすい」「文字のメリハリがもう少しあっても良い気がします。少し分かりづらいかも」「カモの話やサッカーの話で伝えたいことを少し忘れてしまった」など、具体的なコメントを書いてくれました。
 また、コメントを書くことができなくても、「このコツはできていたかも」とパターン・カードを選ぶだけならできる子もいます。子どもたち一人一人が自分に合った表現で、プレゼンテーションにコメントをしてくれていたと思います。

 途中でロイロノート・スクールの提出箱に提出してもらって、回答を共有してクラスメイトがどんなコメントを書いているのかも見られるようにしています。「もっとよくするコツ」は、他者に指摘をすることを遠慮してあまり書けない子もいますが、提出箱でクラスメイトが書いているコメントを見るだけでも、「こういうふうにコメントを書けばいいのか」という学びに繋がると思います。
 こうしてサンプルプレゼンテーションに対して具体的なコメントを書くことを体験した後で、自分たちのプレゼンテーションに対しても具体的なコメントができるようになってくれたらいいと思っています。

 最後に、自分で使ってみたい「プレゼンテーションのコツ」を、パターン・カードを選んでコメントを書いてもらいました。子どもたちが書いてくれたコメントの一部を紹介します。

  • メインメッセージ
    • 自分は話がそれてしまうことがよくあるのでメインメッセージを大事にしたい。
    • 何を伝えたいのかがわからないと嫌だからメインメッセージを一番大切にしたい
    • 自分だとメインじゃない話も長くなっちゃうから。
  • ひとりひとりに
    • いつも自分が発表するとき全員の顔を見て発表できてないから自分で使ってみたいと思った。
  • ことば探し
    • いろんな言葉を使っていろんなイメージをしてもらいたい
  • 図のチカラ
    • たくさん写真を載せすぎても情報量が多すぎるとわからなくなっちゃうから

 「プレゼンテーションのコツ」を覚えていることが重要なのではなくて、使えるようになることが重要なので、こうして「このコツを使ってみたい」と考えてもらうことは大切だと思っています。

 授業後に、中里小学校の先生方と研究協議の場を設けていただきました。そのなかで、「プレゼンテーションのコツ」の授業についてのコメントをPadletに書いてもらいました。先生方にいただいたコメントを紹介します。

  • 校内研究のテーマが「のばそう聴く力」という点でいうと、プレゼンテーション力を高めることが聴くチカラの向上にもつながると感じました。(話す視点が分かれば聴く視点も分かるなと。)
  • コメントを書けない子が何人かいましたが、カードをよかったコツ、もっとよくするコツと仕分けるだけでも子どもはできた、選べた、となると思うので、よい手立てだと思いました。
  • カードの大きさを変えることで、気持ちを伝えている子がいました。やるなぁ。やりたいことの自分の中の順番を大きさや場所で表現するのもプレゼン力ですね。
  • 『発表=プレゼン』というイメージでしたが、為田先生の話を聞いて、相手に何かを伝えることがプレゼンだと思いました。毎日の授業も、職員資料の提案なども全てプレゼンの一つだと思いました。コツを聞けたことで、自分が何を意識して相手に伝えれば良いか考えるきっかけになりました。ありがとうございました。

 この日の授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」が子どもたちのなかに根づいて、先生と子どもたちの間で共通語彙となって継続的に使われるようになると、先生方がおっしゃるようにプレゼンテーション力を高めることの助けになれるのではないかと思いました。
 子どもたちが中里小学校を卒業してから後も、いろいろな学校の場面で「プレゼンテーションのコツ」を身近に感じて、少しずつ身につけていってもらえたらいいと思います。

(為田)