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東福岡高等学校 授業レポート No.1 (2026年1月23日)

 2026年1月23日に東福岡高等学校を訪問し、Kelvin Yeoh 先生が担当する国際教養コース 1年21組の「GCP(Global Competence Program)」の授業を参観させていただきました。GCPは異文化理解、多言語環境などをテーマに講義形式で学んでいく学校設定科目で、この日は「Prejudice(偏見)」をテーマにした全6回の授業の2回目をオール・イングリッシュで学んでいました。

 この日の授業は反転授業の形式をとっていて、生徒たちは事前にYouTubeにアップされている動画「Debate on Prejudice(1956)」を見て、ワークシートにある問いについて内容についての回答を書いて授業に参加しています。

 Kelvin先生は授業の最初に「What is prejudice?」と生徒たちに問いかけ、「prejudice」という言葉の意味を解説します。そこから、「bias」「stereotype」「assumptions」などの類義語を紹介していく過程で、「sexism」「男尊女卑」「専業主婦」「gender roles」「 gender equality」などに話が展開していきます。
 シンガポールの学校に通っていた生徒が、「シンガポールで体育は男女一緒だった」という話をしてくれて、国による違いなどについても話が展開していきました。こうして生徒たち自身の体験も授業のなかでどんどん出てくるのがいいと思います。

 Kelvin先生が「Talk with your friends. When do people learn prejudice? Where do people learn prejudice?」と生徒たちに伝えると、生徒たちは近くの人と意見交換をスタートします。
 生徒たちからは、「Joint information. News, TikTok…」「Personal experience. Family, friend…」などの意見が出てきます。TikTokというプラットフォームがあがっているのが、いまの高校生のリアルを反映しているなと感じました。

 どこから「Prejudiceが生まれるのか」について話し合った後でもう一度、課題になっていたYouTube動画「Debate on Prejudice(1956)」をみんなで見てみます。今度は、途中でKelvin先生が補足説明をしながら、ワークシートに書いた回答を確認していきます。

 最後にKelvin先生は、「なぜPrejudiceについて対話するのが大事なのでしょう?」ということについてワークシートに書いてもらいます。

 いまの社会にも課題として存在している「Prejudice」をテーマにして、動画教材を見て自分の考えを書いて、関連するボキャブラリーを学習して、生徒同士で意見交換をして、最後に自分の考えを英語で書く、という授業形式が印象でした。

 Kelvin先生に後日お話を伺ったところ、この次の授業ではケーススタディとしてBlack Lives Matterという社会運動について学び、“A World Without Prejudice”をテーマとしたスローガンを作ったそうです。その後も、他教科「論理表現」で学んでいる「See-Think-Wonder」のフレームワークを使って英作文、ディスカッションを行っていったそうです。

 全6回の授業のなかでこうしたさまざまな場面を授業で作るからこそ、生徒たちが「Prejudice」についていつでも考えられる土壌ができるように思いました。

 No.2に続きます。

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(為田)