かながわ学びづくり推進地域研究委託事業の実践授業として、2026年2月4日に藤沢市立御所見小学校を訪問し、4年2組で「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を担当させていただきました。授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが授業で使いやすいように教材設計したものです。
最初に「プレゼンテーションのコツ」を紹介していきます。教材として使う「プレゼンテーション・パターン」には全部で34のパターンがありますが、そのなかから6年生にわかりやすく実践しやすいと思われる「メインメッセージ」「心に響くプレゼント」「ことば探し」など9つのパターンを選んで「プレゼンテーションのコツ」として紹介します。
パターンが書かれたカードを1枚ずつ大きくプロジェクタで映して、パターンのタイトルと意味を紹介して、それぞれのパターンについて子どもたちが理解しやすいようなエピソードを加えながら説明していきます。

「プレゼンテーションのコツ」を紹介した後で、僕から生徒たちに対して簡単なサンプルプレゼンテーションをします。紹介した9つの「プレゼンテーションのコツ」を知ったうえで、他者のプレゼンテーションを聴く体験をしてもらって、プレゼンテーションのどんなところに注意がいくのか、もっとプレゼンテーションを良くするためにどんなふうにコメントすればいいのかを体験してもらいたいと思っています。

サンプルプレゼンテーションを聴いてもらった後で、ロイロノート・スクールで「プレゼンテーションのコツ」のカードを並べたワークシートを子どもたちに配付します。子どもたちに、サンプルプレゼンテーションで「できていたコツ」と、サンプルプレゼンテーションを「もっとよくするコツ」について、それぞれパターン・カードを選んでコメントを書いてもらいました。
子どもたちは「プレゼンテーションのコツ」が書かれたカードをきっかけにして、「もっと字を大きくする場所があってもいいと思います」「為田さんが走っている写真や動画をふやしたほうがいい」「文字をもう少し真ん中に書いたほうが見やすい」「もっと漢字を多くしてほしいです!」「1枚のテキストにかく文字をもうちょい増やしたほうがいいと思いました」など、具体的なコメントを書いてくれました。
また、コメントを書くことができなくても、「このコツを使ったらよかったかも」とパターン・カードを選ぶだけならできる子もいます。子どもたち一人一人が自分に合った表現で、プレゼンテーションにコメントをしてくれていたと思います。

途中でロイロノート・スクールの提出箱に提出してもらって、回答を共有してクラスメイトがどんなコメントを書いているのかも見られるようにしています。「もっとよくするコツ」は、他者に指摘をすることを遠慮してあまり書けない子もいますが、提出箱でクラスメイトが書いているコメントを見るだけでも、「こういうふうにコメントを書けばいいのか」という学びに繋がると思います。
こうしてサンプルプレゼンテーションに対して具体的なコメントを書くことを体験した後で、自分たちのプレゼンテーションに対しても具体的なコメントができるようになってくれたらいいと思っています。
御所見小学校の4年生は都道府県についてのプレゼンテーション作りに取り組んでいるところだったので、自分の都道府県についてのプレゼンテーション作りに使ってみたい「プレゼンテーションのコツ」を、パターン・カードを選んでコメントを書いてもらいました。
- メインメッセージ
- 相手にわかりやすくメインのことについて説明できるようにする。
- メインメッセージを考えずにずっとやっていた。
- ことば探し
- 言葉をちゃんと考えずにやっていたから、都道府県のプレゼンテーションも、他のプレゼンテーションでもちゃんと考えてやる。
- 図のチカラ
- 文字だけじゃなく写真も入れたい。
- ひとりひとりに
- 緊張してみんなのこと見れないので一人ひとりのことちゃんと見れるようになりたい。
- パソコンばかり見ないで聞いてくれている人にむけて言うことをしてみます。
- メリハリ
- 字を大きくしたり色をかえたりして分かりやすくする。
自分たちでいま準備をしているプレゼンテーションがあったからこそ、自分事として一生懸命「プレゼンテーションのコツ」について考えてくれる子が多かったように思いました。

授業後に、御所見小学校の先生方と研究協議の場を設けていただきました。そのなかで、「プレゼンテーションのコツ」の授業についてのコメントをPadletに書いてもらいました。先生方にいただいたコメントの一部を紹介します。
- 子どもがロイロ上で選んでいた、プレゼンテーションのコツのカードが分かりやすかったです。イラストもイメージしやすく、子どもにとっても活用しやすかったと思います。
- カードが分かりやすくて、先生と児童生徒の共通言語として進めていける。ここで学んだことをほかの機会、授業でも活かしていくために、先生も日常の中でもキーワードとして活用していくことが大切になると思います。
- プレゼンテーションのコツカードが9枚もあったので、子どもたちにはそれこそ情報が多すぎるのかと思いましたが、たくさんある方が選べるというのも確かにそうかもしれないと思いました。
- 「声の大きさや視線、間の取り方」について国語の学習で取り扱う。今回はプレゼンテーション自体の内容についてを重視していて、プレゼンとはこういうものだと子ども達は理解できたと思う。
- 子どものプレゼンの仕方の指導がよく分かりました。人の作品のよさを活かすことの大切さを感じました。
- 都道府県のプレゼンについて、早速明日子どもたちと考えたいと思います。
- 授業の最後に実際に自分が使ってみたいプレゼンのコツを選ばせたのが良かった。なんとなくやるより、目標を持ってやった方が良いし、自分のプレゼン後に振り返りもできて良いと思った。
- 今日のパターン・ランゲージを使いたい!使って授業をしたい!補填の1時間とかではなくて、発表までの長いターンで授業を組み立てたいと思いました。
- 最近まで、学習のまとめといえば新聞作りが定番でしたが、それが移り行くのだなと感じました。であるならば、プレゼン作りの指導のノウハウはまだ蓄積が少なく、開発を急ぐ分野だと今回の授業で感じました。
- プレゼンした後に感想や共有をグループやクラス全体で行っても、為田先生がおっしゃった通り、声が大きいとか、クイズがあって面白かったなど表面的な部分になった経験があるので、プレゼンをよりよくするためにコツがあるといいと感じました。
- プレゼンのコツは、発達段階によりますが、学校全体で共有するとプレゼンで話し合う質が変わると思います。とってもいいコツだと思います。
先生方から、「実際にプレゼンテーションのパターン・ランゲージを使って教えてみたい」というコメントを多くいただいたのが印象的でした。先生が書かれていた「学校全体で共有するとプレゼンで話し合う質が変わると思います」というコメントがうれしいです。話し合いの質を高めるための先生と子どもたちの間の共通語彙として、「プレゼンテーションのコツ」を継続的に使っていただけたらと思います。
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御所見小学校は、1月29日に「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を行った藤沢市立中里小学校と同じ中学校区で、2校合同で今回の「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業をする場を作ってくださいました。ありがとうございました。
(為田)