2026年2月6日に山形市立第九中学校を訪問し、齋藤匡広 先生が担当する1年1組の国語「少年の日の思い出」の授業を参観させていただきました。
最初に教科書本文を読んで、感じたことを隣の人と共有した後で、齋藤先生が「珍しいチョウを捕まえたけど、仲間に見せないのはなんでだろう?」と生徒たちに問いかけます。生徒たちから「うらやましい」という言葉が出たので、齋藤先生はその言葉から「劣等感」などの語彙を新しく伝えていきました。こうして生徒たちと先生が一緒に授業で使う言葉を増やしていくのはとても大事だと思います。
「珍しいチョウを捕まえたけど、仲間に見せないのはなんでだろう?」という問いを投げかけて、「授業支援ツールでどう思ったかを書いてみて」と最初から個人での活動に移る授業が最近は多くなっているように思いますが、こうして一対他で生徒と向き合って、語彙を共有する時間をとることも大事だと思います。語彙だけでなく、文章の読み方や解釈なども同様だと思います。個人での活動に移るのは、語彙や読み方を共有した後でも遅くないと個人的には思っています。

この後で、齋藤先生は「少年の日の思い出」に出てくる2人の少年のどこが違うと思うか、生徒たちにPadletに書いてもらいます。クラス全体でPadletを共有していて、前の時間には「レッド」のカードを書き込んでもらっていて、今回はカードの色を「ブルー」に指定して書き込んでもらいます。Padletにはレッドとブルーのカードがたくさん並んでいきました。
齋藤先生は教室を見て回って、生徒たちがPadletに何を書いているのかを確認しながら声をかけていきます。

「わからなかったら、教科書に立ち返りましょう」と言って、生徒たちが本文にどんなふうに描写されているのかに着目してPadletに書き込みができるように声をかけていました。

しばらく時間が経ったところで、齋藤先生は「悩んでいる人は、同じチョウ集めをしている少年2人が、何を楽しみにしているかな、と考えてみて」とヒントを出します。
また、「ヒントはすでにPadletに投稿してくれている人たちの書いていることの中にあるね」「まず、浮かんだところまで書いて投稿してください。みんなで学んでいこう」と言って、クラスメイトが書いたカードを読んで考えることをきっかけに考えて書いてみることを促します。
こうしてPadletに書き込みをまとめることで、生徒それぞれが一人で考えて何も思い浮かばなくてただ時間が過ぎていくのではなく、クラスメイトが書いたカードを読んで「こういうふうに考えたらいいのか」とヒントにする体験ができる授業になると思います。
齋藤先生は生徒が書いたカードに、質問をコメント欄に書き込んでいました。これで、カードを書いた生徒は深く考えるきっかけになるし、やりとりをクラス全員が見ることができるのもいいと思います。

授業時間が残り5分になったところで、2人の少年の方向性の違いが読み取れる箇所を齋藤先生が読みました。本文のどこに書かれている描写でそれがわかるのか、ということをきちんと解説してくれるのは、これからいろいろな文章を読む生徒たちの助けとなると思います。最後に、チョウ集めに対する2人の方向性の違いをノートにまとめて授業は終わりました。

授業中に、「2人の少年の方向性の違いをPadletに書くよりも、表にして対比させた方が分かりやすいのではないか」と思った生徒がWordで表を作成していました。こうして、自分で情報をまとめやすい方法を自分で考えて提案できることは大切だと思います。また、この方法でまとめることについてOKを出した齋藤先生の対応もとてもいいなと思いました。
授業後に齋藤先生が、「これもPadletに投稿してよ」と言ったら、スクリーンショットを撮って投稿してくれていました。Padletに投稿されたこの表を見て、「こういうまとめ方もあるな」と気づく生徒もいて、情報のまとめ方の幅がクラス全体として広がっていくと思います。

Padletを使うことで、生徒たちがそれぞれに書いたことをたくさん読み合う機会を作っていて、一斉授業で先生と考える時間と、生徒たちが一人ひとり考える時間のバランスがとれている授業だったと思います。
No.3に続きます。
(為田)