2026年2月13日に仙台白百合学園小学校を訪問し、4年菊組・桜組の合同で「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を担当させていただきました。僕は授業の最初に「プレゼンテーションが好きですか?」「プレゼンテーションが得意ですか?」と質問するようにしています。多くの学校で、あまり好きでない子、得意でない子が多いのですが、その理由の多くは人前で話すのがいや、というものです。僕は、「プレゼンテーションは何かを伝えることであって、伝える相手の人数は関係ないですよ」ということを子どもたちに言って、「これからプレゼンテーションのコツを教えたいと思います」と言って授業を始めます。


授業で紹介する「プレゼンテーションのコツ」は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが授業で使いやすいように教材設計したものです
「プレゼンテーション・パターン」には全部で34のパターンがありますが、そのなかから4年生にわかりやすく実践しやすいと思われる「メインメッセージ」「心に響くプレゼント」「ことば探し」など8つのパターンを選んで「プレゼンテーションのコツ」として紹介します。プレゼンテーションを聴くときやプレゼンテーションを自分でするときの評価の軸として多様なパターンを知ってほしいので、あえて多様なパターンを選ぶようにしています。
パターンが書かれたカードを1枚ずつ大きくプロジェクタで映して、「プレゼンテーションのコツ」としてパターンのタイトルと意味を紹介していきます。それぞれのコツについて子どもたちが理解しやすいようなエピソードを加えながら説明していきます。

子どもたちは熱心に一つひとつの「プレゼンテーションのコツ」(=パターン)についての説明を聴いてくれました。「ああ、それわかる」という感じで頷くコツは、一人ひとり違います。「ああ、わかるなあ」というふうに感じてもらえる、自分に合ったプレゼンテーションのコツに出会えるようにエピソードを紹介していきます。

「プレゼンテーションのコツ」を紹介した後で、僕から生徒たちに対して簡単なサンプルプレゼンテーションをします。紹介した8つの「プレゼンテーションのコツ」を知ったうえで、他者のプレゼンテーションを聴く体験をしてもらって、プレゼンテーションのどんなところに注意がいくのか、もっとプレゼンテーションを良くするためにどんなふうにコメントすればいいのかを体験してもらいたいと思っています。
サンプルプレゼンテーションを聴いてもらった後で、「プレゼンテーションのコツ」のカードを並べたワークシートを、MetaMoJi ClassRoomで子どもたちに配付して、サンプルプレゼンテーションで「できていたコツ」と「もっとよくするコツ」について、それぞれカードを選んでコメントを書いてもらいます。

途中でMetaMoJiのモニタリング機能を使って他の人が書いている様子をモニターに映して紹介します。また、「生徒同士で見られる」設定にして、他の人が選んだカードや書いたコメントを読んで参考にする機会も作りました。

「プレゼンテーションのコツ」が書かれたカードがきっかけになって、子どもたちは具体的なコメントを書いてくれました。「もっとよくするコツ」として子どもたちが選んでくれたカードと、それにつけたコメントの一部を紹介します。
- メインメッセージ
- 頭に入りづらかったから、もう少しゆっくり喋れるといいと思います
- 大事なところがよく分からなかった。
- ことば探し
- このプレゼンは想像力より感情に頼る感じが少ししていた。想像力があるとプレゼンを聞いているうちに眠くなる人などが少なくなると思う。
- 適切な情報量
- いろんな事を言葉では話してくれたけど、スライドの文が少なかったから、もう少し増やした方が良いと思います。
- メリハリ
- もうちょっとゆっくりしゃべったほうが良いと思う
- 伝えたいところを色を変えたほうがいいと思う
- 少し文が短くていい感じはしますが、もう少し付け足してやった方がいい気がする。文があった方が長くて詳しい説明ができる気がする。
- 話すスピードが早くて内容があまり入ってこなかったからもう少し遅く話したらいいと思う。
- 遅かったり速かったりしていて聞くのが追いつかなかった。
「周りの人と相談してもいいですよ」と言うと、MetaMoJi ClassRoomのカードを一緒に読んでみて、コメントを考えてくれていました。


サンプルプレゼンテーションを聴いて、「できていたコツ」と「もっと良くするコツ」について考えてコメントすることは、紹介した「プレゼンテーションのコツ」を使う練習になります。
サンプルプレゼンテーションへのコメントをした後で、今度は自分でこれから使ってみたい「プレゼンテーションのコツ」を、MetaMoJi ClassRoomで書いてもらいました。そのうちの一部を紹介します。
- メインメッセージ
- メインメッセージを決めないとみんなに伝わらないから。
- タイトルをメインメッセージにする
- 私が一番使いたいプレゼンテーションのコツはメインメッセージです。なぜなら、自分が頑張って調べたものが分かってもらえなかったら、とても悲しいからです。
- 成功のイメージ
- 私はどうなったら成功だとかまったく気にしないで、ただかんだりしないで最後まで話せればいいとだけ思っているから、これに気をつけたらいいと思った。
- ひとりひとりに
- きんちょうしたらひとりひとりをみられなくなっちゃうから。
- 色々と難しい言葉を使っているのでそれを全員にわかるようにしたい。
- みんなが理解までいけるかなーと見て、まだ行けてなかったら、もう少しゆっくり喋るとかを考えてやりたいです。
- 相手がどう思っているかが分かる。
- 適切な情報量
- 1ページに多く書いちゃうことがあるから、使ってみたい。
- つい文章を多くしちゃうから、もう少し少なくしたいと思いました。
- 自分が書いてあるプレゼンの量が多くやっても短くやってもあまりまとまりがない。そのまとまりをできるようにしたい。
- よく、調べたことを全部のせてしまったりするから、長すぎないように、短くもならないように、気をつけたい。
「プレゼンテーションのコツ」を覚えていることが重要なのではなくて、使えるようになることが重要なので、こうして「このコツを使ってみたい」と考えてもらうことは大切だと思っています。「プレゼンテーションのコツがわかりやすく説明されていて、他の授業よりも楽しくできた」と感想を書いてくれている子もいました。
「プレゼンテーションのコツ」をこうしてみんなで学ぶことで、「メインメッセージ」や「適切な情報量」という共通語彙をみんなで使えるようになります。共通語彙を得られると、これから授業でプレゼンテーションを作るときに子どもたちが「メインメッセージは何だっけ?」と考えながらプレゼンテーションを作るようになりますし、クラスメイトのプレゼンテーションを聴いて「このプレゼンのメインメッセージって何ですか?」というふうに質問ができるようになると思います。
この日の授業は、仙台白百合学園小学校の4年生以外の先生方も参観してくださいました。先生方も子どもたちのプレゼンテーションを指導するときに「プレゼンテーションのコツ」を共通語彙として使うことで、よりプレゼンテーション力を高めることができると思います。

仙台白百合学園小学校の子どもたちが「プレゼンテーションのコツ」を使って学ぶことで、プレゼンテーションで他者に何かを伝えることの楽しさと難しさを知ってもらえたらいいなと思います。
(為田)