弊社フューチャーインスティテュートは淑徳小学校放課後クラブ「淑徳アルファ」内で、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を実施しています。2年生のクラスでは、2025年10月から2026年1月にかけて10週にわたって、自分の「好きなもの」「好きなこと」を紹介してもらうプロジェクトに取り組みました。
1回目・2回目:発想を広げる
1回目の授業では、みんなに紹介する「好きなもの」「好きなこと」を選ぶために、発想を広げてもらいたいことを子どもたちに伝えます。スクールタクトでワークシートを開いて、自分の「好きなもの」と「好きなこと」をできるだけたくさん書いてもらいます。最初は一人で書く時間をしっかりとってから、共同閲覧モードをONにして、クラスメイトが書いている「好きなもの」「好きなこと」も参考にできるようにします。
2回目の授業では、前回の授業で自分で書いた「好きなもの」「好きなこと」をドラッグして移動させ、仲間分けしていきます。どんなふうにやってもらいたいのかは、サンプルをプロジェクタで映して、実際に動かしながら説明していきます。
「好きなもの」「好きなこと」を移動ができたら、直線を引いたり曲線で囲ったりしてグループを作ります。グループを作ったら、そのグループに「得意なこと」とか「好きな食べ物」とか「毎日やっていること」のように名前をつけてもらいます。グループに名前がつくと、「そういえば、これもあった…」と書き足したいことが増えている子もいました。
ある程度「好きなもの」「好きなこと」が書けた段階で、他の人の書いたワークシートを読んで、コメントを書く時間をとりました。好きなこととして「小説を読む」と書いている子に、「小説はどんなのを読んでるのか聞きたいです」というコメントを書いている子がいました。こうして自分の「好きなもの」「好きなこと」に他者からフィードバックを得られるような場面をできるだけ作りたいと思います。

他の人のワークシートにコメントを書くことは、つい楽しくていたずらコメントを書いたり、言葉足らずのコメントが行き違いになってしまったり、ということも起こりやすいのは事実です。カズトロジーの授業で設定しているルールは、「人を傷つけるコメントはしない、人がいやがるコメントはしない」というルールだけです。このルールを、コメントを書き始める前に再度確認しました。
残念ながら、このルールが誰かによって破られてしまったときには、コメント機能を一時的に停止して、みんなで話し合うようにしています。ほとんどの子どもたちは大丈夫なのですが、年に1回か2回くらい、「コメント機能を使うときのルールって、どんなだったか考えてね」と話をする機会が出てきます。
オンラインでのコミュニケーションの仕方を体験しながら身につけてもらうためにも、コメント機能を子どもたちが自由に使える機会を作るようにしています。
3回目~4回目:「好きなこと」「好きなもの」を選んで深掘りしていく
3回目の授業の最初で、前の時間でワークシートにたくさん書いた「好きなこと」「好きなもの」のなかからいちばん伝えたいものを選んで、そのことについてより詳しく掘り下げてクラスメイトに伝えてもらうためにフィッシュボーン図を使うことを子どもたちに伝えます。
フィッシュボーン図が描かれたワークシートをスクールタクトで配って、「好きなこと」「好きなもの」から1つを選んでフィッシュボーン図の頭のところに入れてもらいます。前回の授業でお互いのワークシートを読み合ってコメントを書いていたので、ここで1つの「好きなこと」「好きなもの」を選ぶときに参考にしてもらえたらいいなと思ったのですが、そこまではいかなかったようです。クラスメイトからもらったコメントよりも、自分が紹介したいものを選んでいるようでした。それはそれで、全然悪いことではないと思います。
ワークシートに描かれているフィッシュボーン図の身体の部分には、あらかじめ「きっかけ(いつ・どうして)」と「思い出(あったこと)」と「数(どれくらい)」という3つのテーマを指定してラベルを貼ってあります。それぞれのテーマに合うことを書いてほしいと伝えます。
右下には何もラベルを貼らずに、自由なテーマで書いてもらいます。「どこに入れたらいいかわからないけど書きたい」ということもあるので、それはすべて右下のところに入れていきます。
テーマに沿って書けているかどうかよりも、子どもたちがたくさんの情報を書き込んでいるか、ということが大事だと思います。いきなり「自分の好きなこと・好きなもの」について紹介してください、と活動を始めると、思いついたことから順に書いていくことになりがちなので、自分の「好き」という気持ちを他者に伝えるときにどんな理由やエピソードがあるのかをできるだけたくさん出してほしいと思っています。そのうえで、どのことを詳しくクラスメイトに伝えようか、と考えてもらえたらいいと思っています。
4回目の授業の最初に、フィッシュボーン図の進捗具合をみんなで共有しました。クラスメイトがどんなふうに書いているのかを知ることで、自分でもっと発想を広げてほしいと思うし、どんなふうに書いていいかわからなくて手が止まってしまう子にはヒントを得てほしいと思っています。

5回目~8回目:発表用のスライドを作っていく
5回目から8回目の授業では、書けたフィッシュボーン図をもとにして、プレゼンテーションのスライドを作っていきます。フィッシュボーン図を書いたワークシートの2ページ目以降に、ページを自分で新しく挿入して、どんどん詳しく書いてもらいます。2年生にわかりやすいようにと思って「紙芝居とか、絵本のように」と言ったので、短めの文章を書いてどんどんページをめくっていくスタイルで作っている子も多かったです。
1ページ目のフィッシュボーン図に戻って、「あ、これも書こう」とテキストボックスをコピーして、2ページ目以降にペーストしてそこに書き足していく、という子も多くいました。 これができるので、フィッシュボーン図とスライドを分けずに同じワークシートにしています。
写真や画像を入れたり、ふりがなをふったり、発表を聴いてくれる人、スライドを見てくれる人がわかりやすいように、と工夫をしていました。

9回目・10回目:チャレンジしたい人は発表してみる
9回目と10回目の授業で、最後の10分間を発表の時間にしました。自発的に発表することを選んだ子どもたちでも、みんなの前に立って発表するとなると、恥ずかしがってしまうこともあります。聴く子たちも集中力を長時間保つのは大変なので、10分間だけに集中して毎回3~4人ずつ発表するようにしています。
スライドの完成が近づいてきたタイミングで、「自分の作ったスライド、発表したい人はいますか?」と募ったら、全部で10人が「発表したい!」と手を挙げてくれました(昨年度は5人でした)。カズトロジーの授業では、全員必ずやるという形式で発表(プレゼンテーション)はしていません。「やりたい人がやってみる」「ちょっと不安だけどチャレンジしてみる」「やってみて失敗しちゃったけど別に怒られない」というような場にしたいと思っています。
No.3に続きます。
(為田)