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京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.2(2026年6月10日)

 2026年6月10日に京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、6年1組と6年2組のメディア・コミュニケーション(MC)の時間に「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業を担当させていただきました。京都教育大学附属桃山小学校では、昨年度の4年生での「プレゼンテーションのコツ」を学ぶ授業に続いての実施となります。
 この授業は、株式会社クリエイティブシフトが開発した「プレゼンテーション・パターン」を、「パターン・ランゲージ授業づくりパートナー」である弊社フューチャーインスティテュートが授業で使いやすいように教材設計して活用しています。教材として使う「プレゼンテーション・パターン」には全部で34のパターンがありますが、そのなかから「メインメッセージ」「心に響くプレゼント」「ことば探し」「適切な情報量」など9つのパターンを選んで「プレゼンテーションのコツ」として紹介しました。プレゼンテーションを聴くときやプレゼンテーションを自分でするときの評価の軸として多様なパターンを知ってほしいので、あえて多様なパターンを選ぶようにしています。

「プレゼンテーションのコツ」を知る

 授業の最初に、どちらのクラスでも「プレゼンテーションは好きですか?あまり好きではないですか?」「プレゼンテーションは得意ですか?あまり得意ではないですか?」という質問をしました。メディア・コミュニケーション(MC)の授業でプレゼンテーションをする機会も多いし、授業の中でもさまざまな意見を発表する機会が多い子どもたちなので、「好き!」「得意!」と手を挙げる子が多かったです。

 プレゼンテーションをより上手になってもらえるように、プレゼンテーションがちょっと得意でない子には、少しでも得意になってもらえるように、「プレゼンテーションのコツ」を紹介していきます。教室のモニターに「プレゼンテーション・パターン」が書かれたカードを1枚ずつ大きく映して、パターンのタイトルと意味を紹介します。それぞれのパターンについて子どもたちが理解しやすいようなエピソードを加えながら説明していきます。

「プレゼンテーションのコツ」を使ってプレゼンを評価してみる

 この後で、僕が「たくさんの「好き」を見つけよう」という簡単なプレゼンテーションを子どもたちに対して行って、さっき紹介した「プレゼンテーションのコツ」が使われていたかどうかを評価してもらいます。
 紹介した9つの「プレゼンテーションのコツ」を知ったうえで、他者のプレゼンテーションを聴く体験をしてもらって、プレゼンテーションのどんなところに注意がいくのか、もっとプレゼンテーションを良くするためにどんなふうにコメントすればいいのかを体験してもらうことがねらいです。

 「プレゼンテーションのコツ」のカードを並べたワークシートを、ロイロノート・スクールで子どもたちに配布して、僕のプレゼンテーションで「できていたコツ」と、僕のプレゼンテーションを「もっとよくするコツ」について、それぞれパターン・カードを選んでコメントを書いてもらいました。「ひとりひとりに」「適切な情報量」「ことば探し」などのパターンが書かれたカードを選んだ後、なぜそのパターンを選んだのかを具体的にコメントを書いてほしい、ということを伝えます。

 子どもたちはパターン・カードを選び、その横に具体的なコメントを書いて提出してくれました。 ロイロノート・スクールで提出してもらった後で、クラス全体でコメントを見ながら確認をしていきます。

 たくさん書いてくれた「もっとよくするコツ」の一部を紹介します。

  • メインメッセージ
    • 僕的にはバン!とメインメッセージをかいたり、出したりしてほしかった。
    • 「好き」を大事にしてということはわかったけど、「苦手が好きになる」なのか、「好きが広がる」なのか、どれがつたえたいのか、わかりにくかった。
    • メインメッセージは分かったけど少し「なんで?」と思う時があったので、そこを直したほうが良いかなと思いました。
    • いろいろな「好き」の種類が出てきていましたが、為田さんが何を一番伝えたいかがいまいちわかりませんでした。
    • 何を伝えたいか、あまり良く伝わらなかった。
    • タイトル、結論に使われている「キーワード」が伝わりにくかった。
    • 先生の余談に引っ張られてしまった。
  • ことば探し
    • 「ピタッ」とした言葉がないため、説明が少し長く、集中がきれていました。
    • 興味を引く、独特な言葉を使ってみても〇!
  • 図のチカラ
    • 図が少なかった。
  • 適切な情報量
    • 最初のほうが、少し情報量が多いと思った。
    • ちょっと情報量が多いな、と思いました。(私の集中力が足りないせいか)途中で集中力が途切れてしまったので、もう少し情報量を減らすというか、文章を短くしてもらえるとわかりやすいと思います。
    • ちょっと喋り過ぎな部分があったけど、最後にはまとめてくれたので良かったと思います。
    • 情報が多すぎて最後のページが頭に残らない。
    • ちょっと量多かったかも…。あと、回転がちょっと早くて、この回転の早さだったら、もうちょっと少なくしてもいいと思う。
  • メリハリ
    • 少し、厳しいですけど、強弱やスピードがずっと同じだったかなと思います。
    • 文字が全体的に集まっていたから、少し空白を開けたり大きさや色を変えるとより見やすくなる気がする。
    • すげーっていうところやどっちも出来るということなどのびっくり感じ出せていない感じする。わからないところなどもはにゃ?って感じでより広い表現出すのもありかもです。

 今回の授業では、特に「メインメッセージが何だかよくわからなかった」というコメントが多かったのが特徴だと思います。子どもたちがしっかり「プレゼンテーションのコツ」として学んだ「メインメッセージ」を、僕のプレゼンのなかで探してくれていたことがわかります。

使いたいコツ

 授業の最後に、「自分のプレゼンを良くするために、「プレゼンテーションのコツ」をどう使いたいか」を書いてもらいました。「プレゼンテーションのコツ」のカードを選ぶことで、子どもたちにとってはコメントが書きやすくなると思います。1枚だけでなく、複数のカードを選んでコメントを書いてくれる子も多くいます。

  • メインメッセージ
    • やっぱり、主題が1番大事だから
    • 自分も人のプレゼンのときにメインメッセージがわからなくなってしまうので自分も気をつけようと思います。
    • いつも、最後のメインメッセージが、曖昧になっているので、メインメッセージをちゃんとしたいです。
    • まず、何を伝えたいのかというところをわかっていないと相手に伝えること自体失敗に終わるから、とにかくメインメッセージを意識したいと思います。
  • 心に響くプレゼント
    • 自分のプレゼンに集中しすぎない!相手のことをよく考える。
  • 適切な情報量
    • つい自分はいっぱい調べてわかりやすくならなくなってしまうので、メインテーマが全然意味わからなくなることがたまにあるから、いい感じの情報の量でやりたいなと思いました。
    • 情報量が多すぎても少なすぎてもだめということにすごく納得できました。
    • 伝えたいことが多い=情報量が倍になる!と私は考えています。たくさん知ってほしい気持ちはありますが、見ている側が気持ちよく、楽しめるようなスライドにしたいです。
    • 情報量が多すぎて、聞き手の集中力を損なう時があったので、情報量をしぼりたいです。
  • 図のチカラ
    • 図があることでよりわかりやすくなると思うけど、そこまで使えている気がしないから使いたいです。
    • 僕は語彙力がなさすぎるので、どうしても伝えたいことがはっきりしないときは図を使おうと思います!
    • 文字だけで伝えることが多かったような気がするし、口で言いたいことを全部言ってしまうようなことがあったから。
  • ことば探し
    • その相手が誰なのかを意識してことば探しを使っていきたいです。
    • やっぱり、言葉が見つからなくて、ダラダラ説明することがあるからです。

 選んだ複数のカードを組み合わせて、自分のプレゼンをどうしたいかを書いてくれる子もいます。この日の授業で学んだ「プレゼンテーションのコツ」を、自分のプレゼンを良くするためのツールとして、続けて使っていってもらいたいと思います。

  • メインメッセージをあまり明確に表現していなかったので、これからは、メインメッセージを明確にしていきたいと思います。適切な情報量でも、情報量が多すぎて、聞き手の集中力を損なう時があったので、情報量をしぼりたいです。
  • 今までは、メインメッセージくらいしか考えていなかったけど、プレゼンで大切なことはたくさんあるんだと思いました。図や写真はたくさん使っているけれど、コツを使うことで、相手もわかりやすかったり、自分もコツを意識すればいいから、もっとプレゼンテーションがしやすくなると思いました。プレゼンテーションでは、相手にわかりやすく伝える以外にも、自分が説明しやすくできるようにコツをうまく使いたいです。

 京都教育大学附属桃山小学校の子どもたちが、メディア・コミュニケーション(MC)の授業でずっと学んでいる基盤の上に、今回の授業で紹介した「プレゼンテーションのコツ」が組み合わさって、他者に何かを伝えるスキルをさらに磨いていく手助けになればいいなと思います。

(為田)