2026年6月26日に戸田市立教育センターで開催された、セサミストリートカリキュラムの研修会に講師として参加させていただきました。2018年4月から、戸田市立の小学校全12校でセサミストリートカリキュラムが導入されています。毎年1回、各校から1名ずつセサミストリートカリキュラム担当の先生が教育センターに集まる研修をさせていただいています。

セサミストリートカリキュラムの目指すところの紹介
90分間の研修の最初に、セサミストリートカリキュラムで実現したい授業の形と、「セサミストリート」が目指していることを紹介しています。
僕自身は、セサミストリートカリキュラムのなかで子どもたちに、「正解がないことを考えることの楽しさ」と「自分と違う他者と考えを交流することの楽しさ」を感じてほしいと思っています。

セサミストリートカリキュラムは、6学年×12テーマ=72コマが提供されていて、戸田市の各小学校では、そのなかから各学年で1~3回くらいを割り当ててセサミストリートカリキュラムの授業を行っています。
各校で授業を実施するときに提供される、指導案・メディア(教材スライドや動画)・ワークシートを紹介します。提供されている指導案でそのまま教えるのでもいいし、各校の実態に合わせて改訂して使ってもらうこともできます。2018年の導入以来、戸田市内の小学校でも、学校の特色に合わせて少しずつ変えたデータが校内の共有フォルダに蓄積されています。
セサミストリートカリキュラム 模擬授業
カリキュラム内容や提供する教材データを紹介するだけでなく、「実際にどんな授業なのか」ということを体験してもらうために、研修の後半では参加者の先生方を対象に短時間の模擬授業を行います。
この日は、3年生向けのカリキュラムである「いるものとほしいもの」と、4年生向けのカリキュラムである「コミュニケーションの選択(思い込みを乗りこえよう)」の2つの模擬授業を行いました。
セサミストリートカリキュラムの授業では、最初にメディアを使って子どもたちとストーリーを共有して、そのストーリーに関連して子どもたちに考えてほしいことを伝えて、ワークシートに書いてもらいます。
ワークシートは一人でしっかり時間をかけて、思いついたことをできるだけたくさん書いてもらうようにしています。僕はICTを活用した授業をすることが多いですが、セサミストリートカリキュラムについては、紙でワークシートを使う方が好きです。子どもたちが考えて思いついたことをどんどん書いていくスピード感が大事だと思っているからです。
ワークシートがある程度書けたら、子どもたちにグループを作ってもらって、お互いの考えたことを共有して、最後にクラス全体で共有するという形式になります。この日も先生方にグループになってもらって、お互いに書いた内容を共有してもらいました。

最後に、それぞれのグループでどんなことをことが考えられていたかを紹介してもらいます。例えば、この日の「ほしいものといるもの」の授業だったら、海水浴に持っていきたい「ほしいもの」と「いるもの」で書かれていたものを発表してもらいます。
人によってワークシートに書く「いるもの」と「ほしいもの」は全然違うことがわかります。それから、同じものでも人によって「いるもの」に入れられたり、「ほしいもの」に入れられたりすることもあることもわかります。こうした違いをクラス全体で共有しながら、「いるもの」と「ほしいもの」がどう違うのかを考えていきます。
模擬授業に参加してもらうことで、先生方には授業スタイルを体験してもらうことができるのと、「うちの学校の子どもたちだったらどんなことをワークシートに書くだろうか…」と想像をしてもらうことができます。
それぞれの学校の子どもたちのことをよく知っている先生方が教えることで、セサミストリートカリキュラムの効果はより高められると思っています。
まとめ
セサミストリートカリキュラムは、ある特定の結論に必ず行きつくという授業ではありません。だからこそ、先生方にとってはおもしろくもあるし、難しくもある授業だとは思っています。
「正解がないことを考えることの楽しさ」と「自分と違う他者と考えを交流することの楽しさ」を子どもたちが感じる場面を授業内で作るというのは、小学校においてどの授業でもできることではないと僕は思っています。
例えば、算数はしっかり「正解」を出せないといけない授業だと思います。国語で文章を読むときも、いろんな読み方はあるとは思うものの、「正しい読み方」というのを身につける必要があると思います。だからこそ、そうした授業とは違う文脈で、「正解がないことを考えることの楽しさ」と「自分と違う他者と考えを交流することの楽しさ」を子どもたちに伝えるための「セサミの授業」をしてもらえたらな、と思います。そのためにセサミストリートカリキュラムが役立てたら、と思います。
(為田)