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校内研究に役立つかも:令和8年度全国学力・学習状況調査 学校・教育委員会への提供資料とその見方

 国立教育政策研究所教育データサイエンスセンターと教育課程研究センターが、令和8年度全国学力・学習状況調査の結果について、学校・教育委員会に提供される資料とその見方を説明する動画「令和8年度全国学力・学習状況調査 学校・教育委員会への提供資料とその見方(7月に提供される結果データ)」を作成し、文部科学省 国立教育政策研究所のYouTubeチャンネルで公開しています。

 約15分の動画は、「Part1 学校・教育委員会への提供資料」と「Part2 提供資料の見方」の2つのパートで構成されています。 ターゲットとしている視聴者は、教育委員会の指導主事の皆さんと各学校の管理職の先生方、という感じですかね?

Part1 学校・教育委員会への提供資料

 「Part1 学校・教育委員会への提供資料」では、学校や教育委員会に返却されている資料について紹介されています。

 学校へ提供されている資料は以下の11種類です。概況についてはもちろん状況の把握のために役立つのだと思います。それに加えて、どの資料に関心があるか、どの資料を重点的に見るかというのは、学校によっても先生によっても違うかと思いますが、どの資料がよく校内で参照されているのだろうか、と興味があります。

  1. 調査結果概況
  2. 問題別調査結果
  3. 問題別(回答類型)調査結果
  4. 回答結果集計(児童質問<表>)
  5. 回答結果集計(児童質問<グラフ>)
  6. 解答・回答状況(児童)
  7. 回答状況(学校質問)
  8. 結果チャート(学校)
  9. 学校別解答状況整理表(S-P表)
  10. 学級別解答状況整理表(S-P表)
  11. 個人票

 市町村教育委員会への提供資料は、以下の15種類です。11から14までの「結果チャート学校一覧」は、市町村教育委員会が所管している各学校の結果チャートが、全国/都道府県との比較でずらりと並んでいる資料だそうです。15の「結果チャート」は、各市町村教育委員会全体の状況を1つのチャートにまとめられているそうです。
 結果チャートを組み合わせて、それぞれの学校が全国・都道府県のなかでどういった立ち位置にいるかを評価できるのは、見てみたいなと思いました。

  1. 調査結果概況(児童)
  2. 問題別調査結果
  3. 問題別(解答類型)調査結果
  4. 回答結果集計[児童質問<表>]
  5. 回答結果集計[児童質問<グラフ>]
  6. 回答結果集計[学校質問<表>]
  7. 回答結果集計[学校質問<グラフ>]
  8. クロス集計[児童質問ー教科<グラフ>]
  9. 実施概況(学校)
  10. 学校質問回答状況
  11. 結果チャート学校一覧(全国)
  12. 結果チャート学校一覧(全国)
  13. 結果チャート学校一覧(都道府県)
  14. 結果チャート学校一覧(都道府県)
  15. 結果チャート(教育委員会)

 このほかに、教育委員会が独自でデータ分析ができるように、CSV形式のローデータや、所管の学校に提供された資料もすべて提供されているそうです。

Part2 提供資料の見方

 「Part2 提供資料の見方」では、各学校に提供されている11種類の資料に掲載されたデータの読み取り方が解説されています。架空の中学校のデータを見ながら、データをどのように見るのか、そこで使われている数値の意味などが紹介されていきます。個人的に興味があったところを以下で紹介します。

 「01 調査結果概況」では、平均正答数、正答率、中央値、標準偏差、四分位などについての解説がされていました。平均だけではなく、標準偏差、四分位など学校内のばらつきが分かるデータやグラフも掲載されているのがわかります。平均が同じ学校でも、全員が平均レベルというケースも、上位層と下位層の差が大きいケースもある、ということもわかります。
 学校で先生方と話していると、「クラスの学力差が…」という話になることも多いですし、その背景もあって自由進度学習や学びの個別最適化を進めている先生も多いので、その成果として学校内のばらつきはどうなっているのかを見ることに役立つのではないかと思いました。

 「06 解答・回答状況」では、一人一人の生徒がどの問題・質問にどのように答えたかという情報がすべてまとめられているそうです。「11 個人票」もそうですが、大きな学校だとすごい分量になるのだろうな、と思います。
 学校の先生方は一人ひとりの児童生徒と向き合っているので、マクロの視点で分析をしつつ、「あの子はどうなんだろう?」と思うこともあるのかな、と思います。全員分を見ていく、ということはあまりないかもしれませんが、深く課題を分析をするときに個人のデータまで見たいということはあるのかな、と思いました。

 「08 結果チャート」のところでは、学校の教科調査と質問調査の結果を、全国や都道府県と比較できることが説明されていました。ここの例で話をされていた、学力のチャートを見て、影響しているものを考えるときに学習習慣の数値を見て、課題を発見できるかもしれない、という説明が、先生方が授業を改善していくときのひとつのモデルになるように思えました。

 動画の解説で使っているスライドのPDFは、国立教育政策研究所の「教育データ活用講座」のサイトで公開されているので、そちらを読むとより理解が深まるかと思います。

動画を見ての感想

 全国学力・学習状況調査で、いかにたくさんのデータをとっているのかというのを感じました。これが学校・教育委員会へ提供されていて、それを読んで自治体と学校での施策に落とし込んでいく、というのは大変な仕事だな、と改めて思います。

 国全体の結果とその分析の発表は8月3日に予定されているそうです。国全体でのデータと各自治体・各学校でのデータとの差分はどうなのかという点が、個人的には気になります。

 学校に提供されている「06 解答・解答状況」や「11 個人票」など、個人の学習の様子を読み取れる資料もあるし、教育委員会単位で独自の分析もできるようにローデータも提供されているのはいいな、と思いつつ、これを自分たちで独自に分析できる教育委員会はそんなに多くはないのではないかと思います。

 こういうところこそ、AIを使って要約を表示することができたり、気になるポイントを見つけてアラートを出してくれたりするような、ダッシュボードを共通でどこかが出せたらいいなと思いました。あるいは、個人帳票を読み込んで分析もできるセキュアなAIを国が提供するとかでもいいのかな、と思いました。

www.youtube.com

(為田)