湊かなえさんの『暁星』を読みました(読み方は、「あけぼし」です)。現役の文部科学大臣が刺殺される事件の犯人が書いた手記と、この事件を描いた小説とからなる構成で、最後まで読み切った瞬間に、「え?ちょっと待って…」と思って、もう一度最初からすぐに読み返しました。人生のなかで小説を読んでいてこういう体験ははじめてです。
もう一度最初の手記を読み返すと1回目に読んだときには何とも思わなかった描写やキーワードが「あ、それって!」と違う意味をもって見えてきます。これを仕込んでいるの、めちゃすごい…。文字を読んでぞわぞわっとくるこの体験は、本というフォーマットだからこそだと思いました。
あることを知ったら、物の見え方はがらっと変わってしまう。あることを知ってさえいたら、物の見え方は全然違っていたかもしれない、というすごさというか怖さを僕は感じました。
この本を読んだ後の、「すごかったよね!」という感想を誰かと共有したいです。
僕が『暁星』を手に取ったきっかけは、大好きで見ているYouTubeチャンネル「出版区」の【本ツイ!ー本屋ついてって1万円あげたら何買うの?ー】に作者の湊かなえさんが出演した回を見たことです。
湊かなえさんの本屋でのトークがものすごくおもしろかったのですが、後半で淡路島で高校の先生をしながら小説家を目指した話、デビュー作『告白』で生徒たちに証明したかったこと、生徒たちへの思いを語っていたところがすごくよかったです。
僕にとっては、湊かなえさんは、『告白』と『Nのために』の印象がすごく強いのですが、こんな柔らかい話し方をされる人なんですね(小説と全然違う、さすがすぎる)。ぜひ、こちらの動画もあわせて見てみてほしいです。
(為田)
