教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『教育にもっと自由を!』

 生駒市教育委員会で学校の先生方を支えるお仕事をされている若松俊介 先生から、齊藤慎一 先生・久保賢太郎 先生との共著『教育にもっと自由を!』をお送りいただきました。若松先生、ありがとうございます。

 タイトルにある「教育にもっと自由を!」という言葉に、先生方をはじめ学校に関わる子どもたちも保護者の方々も、いろいろな意味づけをしそうだな、と思いました。そんないろいろな意味づけを助けてくれるようにいろいろなトピックが語られている本だったのですが、僕は授業の中で子どもたちに与えられる「自由」が最近は気になっているので、そこに焦点を当てて読んでいきました。
 「自由による弊害」と題されているページに書いてあったことを、僕はずっと悩んでいます。

教育の目的は、その子が他者との関係の中で自己実現をすることと述べましたが、これは一歩間違えると非常に危険な要素を含んでいます。「人に迷惑をかけていないし、自分は勉強をしたくないからやらない。それも自由だからいいよね」など、わがままな意見を容認してしまうことになるからです。もしくは、「もう私はここまでの勉強で満足しているから、これ以上、深く考えなさいって言われても関係ないや」と、学びが深まらないことにもつながります。学ぶ意識の高い子にとって自由は最高のスパイスになりますが、そうでない子にとっては、自分の怠慢を価値付ける格好の隠れみのになってしまいます。
これは自由の価値(意味)を子ども自身が知らない(もしくは、そこまでまだ育っていない)のに、いきなり大風呂敷を広げてしまったことが原因です。教師が自分に自由を与えてくれる理由が分かっていないのに、いきなり「はい、じゃあどんな方法でもいいですよ」と言われたら、子どもは混乱するか、「自由=楽になる=思いのままにできる」という勘違いをして、「楽しければ何でもあり」の状態になってしまいます。

大切なことは、目の前の子どもが、自由にできることの価値(意味)をどのくらい分かっているかを把握し、適切なタイミングで適切な範囲で自由を提示することです。(p.58-59)

 この本に書かれていることを読んで、わかったような気持ちになるだけでは足りなくて、結局「どういうことなんだろうな…?」とずっと考え続けながら学校で子どもたちや先生方と接し続けるということをしていきたいな、と思いました。

(為田)