教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台 レポート まとめ(2017年12月16日)

 2017年12月16日に、小金井市立前原小学校の松田孝校長先生と一緒に、先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台をNTTドコモ東北支社の会議室で開催しました。先生方にプログラミングを学ぶというのはどういうことなのかを体験していただけるように、今回は、午前中に【低学年編】、午後に【フィジカルコンピューティング編】として、プログラムを設計しました。
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 仙台での開催は、冬期→夏期→冬期と3回目で、リピートしてきてくださる先生方も多かったです。こうして先生方のコミュニティというか、横の繋がりができていけばいいと思っています。

 No.1では、【低学年編】をレポートしました。
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 No.2では、【フィジカルコンピューティング編】をレポートしました。
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 No.3では、参加者の皆さんからいただいたアンケートを紹介しました。
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 まだお読みになっていない方は、この機会にぜひ。

(為田)

授業に使えるかも?:情報ハンドブック デジタル版

 京都教育大学附属桃山小学校の木村明憲 先生から、情報ハンドブックのデジタル版が公開されました、とご紹介をいただきました。情報ハンドブックは、「情報を集める」「情報をまとめる」「情報を伝える」という各活動のポイントと事例を収録したものです。先生方と児童の両方が、授業のなかのさまざまな場面で参照し、活動の指針とできるものだと思います。
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活動のポイントと事例をわかりやすく説明

 情報ハンドブックには、学年別にそれぞれ「情報を集める」「情報をまとめる」「情報を伝える」という各活動のポイントと事例が収録されています。例えば、4年生の情報ハンドブックを見てみます。「A.情報を集める」「B.情報をまとめる」「C.情報を伝える」と上部に3つのタブがあり、このタブを選ぶことで、それぞれの活動のなかで、さらに細分化された活動のポイントが表示されます。
 「A.情報を集める」のタブのなかは、さらに「ア.情報を集める方法を選ぶ」「イ.集めた情報から選ぶ」「ウ.選んだ情報を整理する」と分かれています。
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 授業のなかで、インタビューを活動内容として取り入れるときには、「ア.情報を集める方法を選ぶ」から、「4 インタビューをして(聞いて)」を選びます。すると、「質問は前もって考えておく」「話している人の顔を見てインタビュー」「インタビューしながら素早くメモ」と、3つのポイントが表示されます。
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 ここからさらに、「質問を前もって考えておく」を選ぶと、実際に子どもたちが書いたノートが表示されます。
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学習活動の指針としての「情報ハンドブック」

 このように活動のポイントをわかりやすく示しておくことで、子どもたちが「どんなことをしたらいいのか?」ということに対する指針とすることができます。情報ハンドブックは、木村先生が長年積み上げてきた実践である「情報学習支援ツールの開発」から生まれたものです。木村先生は、ご自身のクラスで、情報学習支援ツールを使っています。木村先生は、以前、「情報学習支援ツールは、使うとすぐに変わる児童もいるが、多くの児童はそんなに一気には変わらない。ただし、継続的に活用することで、すべての児童に効果が現れます」と言っていました。
 情報ハンドブックを活用することで、子どもたちは、学習する方法と学習の進め方がわかるようになります。例えば、インタビューをする活動を始める前に、クラス全体で、情報ハンドブックの「A 情報を集める」→「ア.情報を集める方法を選ぶ」→「4.インタビューをして(聞いて)」と順に見ていくことで、どのような学習をすればいいのかがわかるようになります。

 また、情報ハンドブックの画面の右上にある「PDF」と書かれたボタンを押すと、情報ハンドブックに書かれていた活動内容がPDFで1枚にまとまっているデータをダウンロードすることができます。
 木村先生のクラスでは、これを「パワーチェックカード」と言い、印刷してラミネート加工して、児童がみんな下敷きとして使っています。下敷きとして常に持っているので、滑動を始めるときや、自主学習を始めるときに、どんな活動をすればいいのかを、すぐに自分でチェックできるようになっています。
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 活動の横には、チェック欄があり、その活動をしたら色を塗りつぶせるようになっています。同じ活動を、違う教科や違う単元で、何度もくり返し行うことで、児童に定着していくように設計されています。図形の塗りつぶしを完成させるために、「この活動をやってみよう!」と児童たちが思う、ゲーミフィケーション的な設計にもなっていると思います。カードは、さくら社のホームページにも掲載されています。
www.sakura-sha.jp

情報ハンドブックを使ってみたい方へ

 情報ハンドブックは、株式会社内田洋行の提供する教育用デジタルコンテンツ配信サービスEduMall に加入している自治体・学校等のユーザーであれば、無償で利用することができます。詳細はEduMallサイトの問い合わせフォームなどを利用して、株式会社内田洋行にお問い合わせください。
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 また、木村先生の情報学習支援ツールを活用した実践については、書籍 『情報学習支援ツール 実践カード&ハンドブック』の方でも、読むことができます。

情報学習支援ツール~実践カード&ハンドブック

情報学習支援ツール~実践カード&ハンドブック

まとめ

 木村先生の授業は、京都教育大学附属桃山小学校で何度も見せていただいていました。どの教科の授業でも、子どもたちが、目標が持てていて、学習する方法と学習の進め方がわかっていることに、非常に驚きました。そこに興味を持って、何度も何度も教室を訪問し、朝の時間から帰りの会まで、見せていただきました。子どもたちがそうして学べている背景には、今回紹介した情報ハンドブックに結実している「情報学習支援ツール」と、木村先生の教室に常に貼ってある「ルーブリック」があるのだと思います。
 今回、デジタル版になり、先生のPCから簡単にこの情報ハンドブックにアクセスすることができるようになることで、教室での学びがより深まるのではないかと思っています。興味がある先生方に、ぜひ試してみていただければと思います。

▼参考エントリー
 京都教育大学附属桃山小学校で、パワーチェックカードが使われている授業の様子は、このブログでも何度か紹介しています。興味をお持ちいただけた方は、以下のリンクからお読みいただければと思います。
blog.ict-in-education.jp

(為田)

三重県教育工学研究会 2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」 レポート No.5(2018年1月13日)

 2018年1月13日に、三重県教育工学研究会の2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」に参加してきました。サブタイトルには「これからの情報教育のあり方を探る」とあり、情報教育について考えるきっかけをいくつもいただいたように思います。
 No.5では、セミナーの最後に行われた、大喜利<パネルディスカッション>「子どもに情報活用能力を培うためには」の様子をレポートします。
 会場から、Twitterで発信していたものを中心にまとめます。その場で聴きながらのものなので、誤記等がありましたら、それは為田の責任です。

 登壇されたのは、株式会社教育システムの長尾幸彦さん、三好市立下名小学校 中川斉史 教頭先生、京都教育大学附属桃山小学校 木村明憲先生でした。
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「主体的・対話的で深い学びの実践とかけて、○○と説く その心は?」

 大喜利の最初のお題は、「主体的・対話的で深い学びの実践とかけて、○○と説く その心は?」でした。

 最初に答えたのは、木村先生です。

 学習支援カードは授業で使っているところを見たことがあります。まさに、くり返し何度も使わせるためのいいツールだと思います。

情報学習支援ツール~実践カード&ハンドブック

情報学習支援ツール~実践カード&ハンドブック

www.nhk.or.jp

 続いて、中川先生の答えです。

「自治体とかけて、○○と説く その心は?」(自治体の予算決定プロセスについて)

 次のお題は、「自治体とかけて、○○と説く その心は?」でした。機器の導入をどう進めていくか、ということについて、長尾さんが答えてくれました。
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 まずは、長尾さんが社長をつとめる株式会社教育システムの活動から話はスタートしました。


「プログラミング教育と学校現場とかけて、○○ととく。その心は?」

 最後のお題は、プログラミング教育です。木村先生と中川先生のコメントです。

永野先生からのコメント

 大喜利の最後に、永野先生からのコメントがありました。まずは、大喜利のなかで紹介された木村先生と中川先生の実践についてのコメントです。

 実践事例の紹介を聴いているだけではダメで、その実践を横に展開していくために、という視点を持たなければならないと改めて思いました。
 機材がなかったり、ネットワークがなかったり…というのがあっても、だから準備しなくていいというのではなく、できる状況になったときにすぐに動き出せるように準備しておこう、というメッセージをいただきました。

再び、プログラミングについて

 最後に永野先生が、プログラミングに関してもコメントをしてくださいました。

 永野先生、今でもご自身でプログラミングも書かれるそうです。その立場から、プログラミングがどう見えるのか、ということもおっしゃっていました。

まとめ

 大喜利は登壇された長尾さん、中川先生、木村先生の実践に裏付けられた話が本当に勉強になりました。
 そして最後の永野先生のコメントは、いろいろと考えさせられました。特にプログラミング教育は、指導要領やそれにまつわるさまざまな文書を読まずに、また決まった背景もあまりわからずに…というのでは、これだけメディアで「プログラミング必修化」と言われていると、ギャップを感じてしまいます。原典にあたる大切さを痛感しています。

 プログラミング教育だけでなく、その上位にある情報活用能力についても、考えるきっかけをたくさんいただきました。学びたいことが増えました。やってみたいことが増えました。

(為田)

三重県教育工学研究会 2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」 レポート No.4(2018年1月13日)

 2018年1月13日に、三重県教育工学研究会の2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」に参加してきました。サブタイトルには「これからの情報教育のあり方を探る」とあり、情報教育について考えるきっかけをいくつもいただいたように思います。
 No.4では、聖心女子大学名誉教授の永野和男先生による講演、「今後の教育に生かす情報教育的な考え方」の後半部分の様子をレポートします。永野先生は、この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である、中村武弘 先生の師匠にあたるそうです。
 会場から、Twitterで発信していたものを中心にまとめます。その場で聴きながらのものなので、誤記等がありましたら、それは為田の責任です。

学びの方法が変わってきている→学校も変わるべき

 情報教育の目標は、ずっと変わりませんが、一方で、学び方についての研究が進んでいることで、教え方については新たな展開があるというお話がされました。

 こうして見てみると、学校での授業のあり方というのも、当然変わってくるべきなのだと感じました。永野先生は続けておっしゃいました。

授業の形態・演習の形態の工夫

 人間の情報処理メカニズムから学習をもう一度見てみて、先生方は何をすべきか、永野先生の話は続きます。永野先生は、「授業の形態・演習の形態の工夫」について話をされました。

  • どのように興味を持続させるか
    • 先行オーガナイザー
    • 知っていることと教えるべきことの関係。
  • 学習の形態を工夫
    • 聞いているだけの授業は20分も集中できない。
    • 絵や写真を使う。
  • メディアの活用
    • 知っていることは、調べさせる。
  • 討論・自己確認
    • 教え合う、共同学習。
    • 教えることによって学ぶということがある。

 こうした4つを授業の形態に取り入れていく必要がある、と永野先生はおっしゃっていました。

情報教育的 実践の紹介

 ここで、情報教育的実践の紹介がありました。まず、情報教育的実践の要素が紹介されました。

  1. 課題意識を持った取り組み
    • どんな題材を取り上げるか、課題がすべて。
    • 全国一律では当然ない。
  2. 裏にある、知識や技術を(教員は)意識
    • 教科内容との関連、小中のつながり。
    • ちゃんと後で繋がる、ということを理解する必要。
  3. 子どもの手足(頭)を働かせる
    • 活動、体験時間を確保する。
  4. 自己による評価(自分で考えさせる)
    • 教え、わからすだけでは、限界がある

 「現在では考えられない」というコメントは、まだ当時、情報教育というものを専門にやっている方は少なかった、というお話でした。そのなかで、永野先生が情報教育の形を組み上げられた。その要素が、この本の中にたくさん見られる、ということだと思います。絶版なのが残念です。

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

これからの情報教育―発信する子どもたちを育てる

 この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である中村武弘 先生の実践この本のなかで取り上げられている、この本のなかで取り上げられています。

情報活用能力は教科の目標に埋め込まれた

 次期学習指導要領では、教える「内容」だけでなく、どう教えるかの「方法」が書かれています。その方法とは、今までの教え込み以外の方法であり、情報活用能力を育むための「方法」なのではないかと思います。

 この部分をうかがっていて、実は大学生だけではなくて、社会人でも同じだなあ、と感じました。情報教育、情報活用能力、考えべきことは多いと感じました。「授業の発問で変えられる」という永野先生の言葉は、この日の最初の中村先生の模擬授業を見ていても、「発問を本当に細かくする」と感じた自分の感想と重なるものでした。永野先生の思いが、中村先生に継承されている、というのを感じました。

先生たちへのメッセージ

 講演の最後に、永野先生は、先生方へのメッセージとして、「教える授業」から、「行動し、一人ひとりが考える授業へ」変えていきましょう、とおっしゃいました。

  1. 子どもたちが、参加する授業をつくる
  2. 自分で考えたり、まとめたりする機会をつくる

 これをするために、先生方に何ができるか、具体的に考えてほしい。大げさなことではないかも。ちょっとしたことかもしれない。子どもが考えるようになるアドバイスを先生はしていきましょう。全部を変えなくてもいい。授業の中の、一部でも、変えていくことはできる。
 そのことで、子どもたちがようやく、アクティブ・ラーニング=「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」へようやく繋がっていく。情報教育は数年かかる。一気には変わらない。先生も保護者も、同じメッセージを出していかなくてはならない。すぐには結果は出ない。

まとめ

 最後の言葉は、本当にズシンと来る言葉でした。永野先生のお話、本当におもしろかったです。永野先生のお話を伺うのは、今回が初めてでしたが、本当に勉強になりました。10年、20年先を見据えて、それを実現させていく。微力ながら、子どもたちが情報活用能力を身につけられるよう、学校の外からお手伝いをしていきたいと、思いを強くしました。


 No.5に続きます。
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(為田)

やってみた:光文書院のデジタル教材「デジ漢」

 光文書院は3月31日までの期間限定で、2017年度版デジタル教材を無料公開しています。光文書院のデジタル教材は、「ひまわりポケット」というプラットフォーム上で動きます。まず、iPadアプリ「ひまわりポケット」をインストールしてみました。
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 ひまわりポケットを起動すると、さまざまなコンテンツが選べます。キャンペーンページにアクセスすると、試用可能なコンテンツと認証コード一覧が表示されます。Windows PCにインストールしないと使えないものもありますので、インストール内容を確認してください。
www.kobun.co.jp

 多くのコンテンツがありますので、気になったコンテンツを実際に試用してみるといいと思います。実際に触ってみると、授業で活用するアイデアが出ることもあると思います。
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 デジタル漢字ドリルをiPadでやってみましたが、漢字を何文字練習するかが選べたり、書き順やなぞり書きよりも先に、「使い方」が表示されたり、「なりたち」や「じゅく語(熟語)」も表示されたり、さまざまな使い方ができそうです。

 また、漢字の読み方をフラッシュカードで表示する機能もあるので、スクリーンやモニターで投影することで、みんなで練習することもできるかもしれません。

ひまわりポケット

ひまわりポケット

  • 株式会社光文書院
  • 教育
  • 無料

 学校の先生だけでなく、家庭で利用する形でも試用できるので、子どもと一緒にやってみるといいと思います。
 それとともに、漢字練習については、ノートで漢字を書く練習方法と、タブレット上で漢字を書く練習方法とで、効果が違うのかなども、気になるところです。低学年の漢字練習は、学習指導というだけでなく、生活指導に近い感じのこともあるので、どういう効果を測るのか、というのにも興味があります。
 個人的には、漢字をすごくきれいに書ける必要はないと思うのですが、まったく漢字の練習をノートでやらなくてもいい、とまでは思いきれないなあ、という感じです…。

(為田)

三重県教育工学研究会 2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」 レポート No.3(2018年1月13日)

 2018年1月13日に、三重県教育工学研究会の2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」に参加してきました。サブタイトルには「これからの情報教育のあり方を探る」とあり、情報教育について考えるきっかけをいくつもいただいたように思います。
 No.3では、聖心女子大学名誉教授の永野和男先生による講演、「今後の教育に生かす情報教育的な考え方」の前半部分の様子をレポートします。永野先生は、この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である、中村武弘 先生の師匠にあたるそうです。
 会場から、Twitterで発信していたものを中心にまとめます。その場で聴きながらのものなので、誤記等がありましたら、それは為田の責任です。

情報教育に求められる2つの側面

 最初に永野先生は、「情報教育」という言葉の成り立ちについて話をされました。情報教育は、2002年からカリキュラムになっています。「情報教育」という言葉は、日本で生まれた言葉。「Information Education」などと、外国の人に話すと、へんなことになるそうです。
 情報教育に求められる2つの側面について、紹介されました。

  1. 専門としての情報
    • 知識理解内容。
    • 学習指導要領に書いてあるのは、教科で教える学習内容だけ。「情報」という強化を作るときに、当時の文部省から、教える内容が求められた。それがこの部分。
  2. 情報活用の実践力
    • 経験的知識、ツールの活用。
    • 「専門としての情報」だけでなく、「情報化社会がやってきたときに、情報社会に生き抜く、知恵や態度として、リテラシーとして身につける場の提供と的確な助言」が必要になる。

 この2つの側面の、2つ目「情報活用の実践力」について考えると、高校よりももっと前からやるべきだ、と永野先生はおっしゃっていました。

 情報活用の実践力として、「情報を見抜く目」「情報を処理する知恵」「情報を扱う心」の3つについて、永野先生は紹介されました。

情報教育の目標は、20年前から変わらない

 文部科学省が1997年に出した、「情報教育のねらい」で、情報教育の目標は3つの項目にまとまめられます。

 文部科学省のサイトを検索してみると、1997年10月に出した「体系的な情報教育の実施に向けて」のなかの、「情報教育の目標」のところに書かれています。
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 ここから、では、「どうやって情報教育をするか」というふうな問題に入っていきます。情報教育=情報活用能力=情報活用の実践力を身につけさせるために、実は総合的な学習の時間が作られたのだ、という話がされました。

 このように20年前から一貫して変わらない情報教育の目標だからこそ、永野先生は、「最初から一貫して、時代の変化によって変わるような内容は入れなかった。例えば、“ポケベルの使い方”などは、議論されたが、入っていない。絶対になくなると思っていたから。」とおっしゃっていました。
 この情報教育、情報活用能力の育成は、20年ずっと言われていて、ブレていない。この永野先生の講演を伺ったのは、1月13日。3日後の1月16日に、東北大学 大学院の堀田龍也先生にお会いしたときに、次期学習指導要領の話に関連して、「ようやく永野先生がずっとおっしゃってきたことができる状態になってきた」という言葉を聴きました。まさにそのとおりなのだと思います。

 このようにして、求められる能力が変わっていくにつれて、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」が次期学習指導要領で強調されていて、この部分と情報教育の理念とのリンクがとても興味深いと感じました。


 永野先生の講演メモの後半は、No.4に続きます。
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(為田)

【イベント情報】第43回 ビスケットファシリテータ講習 基礎編 in 宮城(2018年2月10日)

 2018年2月10日に、仙台のNTTドコモ東北ビルにて、第43回 ビスケットファシリテータ講習 基礎編 in 宮城が開催されます。ビスケット(Viscuit)は、絵を描いて、その絵をメガネに入れることで絵を動かすことができる、ビジュアルプログラミング原語です。簡単な操作で、さまざまな動きを自由に作ることができるのが魅力かと思います。
 学校での実践では2017年5月に、府中市立府中第三小学校の山内先生が実施した図工の授業「プログラミングでアートに挑戦!」で、一人1台タブレットを配布して、Viscuitを使ってメディアアートを作っていたのを見たことがあります。子どもたちが非常に簡単に使いこなしている様子が印象的でした。「メディアアートを作る」というテーマもとても良かったと思っています。
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 授業のレポートをお読みいただけると、Viscuitを使った授業の様子が少しわかるのではないかと思います。
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 今回のビスケットファシリテータ講習 基礎編 in 宮城では、3つのメリットが挙げられています。

  • 3つプログラミングの授業・講座ができるようになる
    • 講習ではビスケットをつかった3つのワークショップ・授業のロールプレイングをします。すぐに現場で活用できる内容です。教えるコツなど、余す所なく教えます。
  • プログラミングの本質がわかる
    • コンピュータ・サイエンス入門では、シミュレーションや二進法のプログラムをビスケットでつくることでコンピュータの本質に迫ります。体験を通して学ぶため納得感が高いのが特徴です。
  • ネットワークができる
    • この講習には毎回全国から、幅広い年齢層・分野の方が参加者として集まります。300名を超える修了生同士のお互いに助け合えるネットワークがあります。

 また、入門書も出版されましたので、そちらで実際に自分でやってみるというのでもいいかもしれません。

ビスケットであそぼう 園児・小学生からはじめるプログラミング (ぼうけんキッズ)

ビスケットであそぼう 園児・小学生からはじめるプログラミング (ぼうけんキッズ)

ビスケットであそぼう 園児・小学生からはじめるプログラミング

ビスケットであそぼう 園児・小学生からはじめるプログラミング

 ですが、やはり今回は講師がViscuitの生みの親でもあり、ハカセとして全国の小学校でViscuitを教えていらっしゃる原田先生ですので、この機会に直接、教えていただき授業での活用のヒントを得るのがいいのではないかと思います。

 興味のある方は、ぜひイベントページをチェックしてみてください。
facilitator43th.peatix.com

(為田)