教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするために、現場目線での情報発信をしていきたいと思います。

【メディア掲載】月刊私塾界 11月号発刊

 月刊私塾界11月号が発刊されました。特集は「教育サービス業界 2028」となっていて、今後の人口推計で、子どもの人口が学年別、都道府県別にどうなっているのかなどを見ることができました。さまざまな仕組みを変えていかないと対応できないと感じます。
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 また、9月30日に開催された、私塾界リーダーズフォーラム2019 教育ICT・入試改革のレポートも掲載されています。
 僕はパネルディスカションのモデレーターを務めさせていただきました。みなさんから多くのことを学びました。この日の基調講演をされ、パネリストとして参加されていた大学入試センターの白井俊さんの最後の言葉が非常に印象的だったので、引用します。

入試センターの作問に携わっているのは超一流の研究者ばかりですが、彼らも非常に悩みながら作問をしています。民間教育産業の方々にも、斬新な発想で問題を作っていただけると、高校の授業も変わってくるだろうし、何よりも、センター試験対策とか受験対策ということ以上に、日本全体の知的水準の向上に繋がるかなと思っています。

 指導要領がねらっている知識・技能だけでなく、思考力や表現力をどう問うのかは、国としての課題であり、教育に関わるプレイヤーがそれぞれの強みを持ち寄って、何ができるのかということを考えていくべきだと感じました。
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 いつもどおり、連載ページもあります。でも、今月はここよりも、ぜひ私塾界リーダーズフォーラムのレポートをお読みください。
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(為田)

セサミストリート エデュケーションサミット イベントレポート(2019年11月10日)

 2019年11月10日に、セサミストリート エデュケーションサミットをユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて開催しました。この日が、アメリカでセサミストリートの放送が始まってからちょうど50年。50周年のお祝いのイベントに、セサミストリートティーチャーとして参加してきました。
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 セサミワークショップ日本代表の長岡学さんと一緒に、セサミストリートの日本での活動報告をしました。ステージに導いてくれたのは、バート&アーニー。子どもの頃、テレビで見ていた「セサミストリート」で、すっとぼけたアーニーに振り回されるバート(でも仲良し!)というエピソードを見ていたので、とても光栄です。
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セサミストリートの学習目標とセサミストリート・カリキュラム

 セサミストリートは、すべてのエピソードに学習目標が設定されているということを紹介しました。例えば、南アフリカの「セサミストリート」では、HIVに感染したキャラクターKami(カミ)を通じて、触れても感染しないということを伝えています。また、アフガニスタンでは女子就学率が低いので、Zari(ザリ)というキャラクターを使って、男の子にも女の子にも学校へ行く権利があり、また社会の一員として女の子にも責任と役割があることを伝えています。
 そうしたセサミストリートからは、2017年に自閉症のキャラクター ジュリアが生まれました。日本でも、厚生労働省文部科学省、日本自閉症協会やNHKの支援で、ジュリアを紹介することができました。

Meet Julia・ジュリアの紹介【日本語吹替版】

 現在は、小学校向けのプログラムとして「セサミストリート・カリキュラム」を展開しています。2019年度からは、埼玉県戸田市にて全小学校で授業として教えられています。セサミストリートのキャラクターたちの力と、それを教材に授業をする先生方のスキルが組み合わさって、児童の変容も見られるようになってきています。より多くの学校に届けられるように、がんばっていきたいと思います。

セサミストリートカリキュラム紹介ビデオ

パネルディスカッション「子どもたちのために、セサミストリートは何ができるか、すべきか」

 続いての、パネルディスカッションでモデレーターを務めさせていただきました。パネリストとして登壇していただいたのは、戸ヶ崎勤 教育長(戸田市教育委員会)、井上雅彦 先生(鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座 教授)、瀬戸昌宣 さん(農学博士、NPO法人SOMA 代表理事)の3人でした。
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 瀬戸さんは高知県土佐町をはじめ、コミュニティをベースにして教育を変えていく活動をされています。また、自身でもセサミストリートティーチャーとして活動もしています。井上先生は、セサミとは自閉症啓発デーなどでコラボレーションをしてくださっています。戸ヶ崎教育長は、戸田市内の小学校で教えられているセサミストリート・カリキュラムの成果をよく知る方です。
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 パネルディスカッションのなかで出てきて、非常に印象的だったことを記録しておきたいと思います。皆さんのそれぞれの知見が重なり合って、いろいろと考える機会をいただきました。セサミストリート・カリキュラムのブラッシュアップ、授業実践に活かしていきたいと思います。

  • ジュリアのようにキャラクターがいることは、文字や絵で見るのとはまた違う印象を子どもたちに与えてくれる。それが学びのきっかけになる。
  • 戸田市の小学校では、セサミストリート・カリキュラムの教育効果のエビデンスが、子供たちの変容により表れ始めている。「将来の夢や目標をもっている」「始めたことは最後まで終わらせる」という項目など。
  • 正解がないことについて、どんどん話し合うセサミストリート・カリキュラムを実施することで、「子どもたちが自分の意見を持ち、話合いに参加するようになった」ということを先生方から聞いた。また、保護者からも「セサミカリキュラムで学んだことなど家でたくさん話すようになった」という声もある。
  • 多様性を学ぶときに、子どもの考えや意見をどんどん出してもらう機会を提供すれば、そのなかで大人も多様性のある学びをすることになる。

さらにセサミストリートは進んでいく

 その後の懇親会でも、たくさんの方々とお話をさせていただきました。意見交換なども多くさせていただきました。ありがとうございました。
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 懇親会の途中、スクリーンに「グッドバード・クラブ」という動画が流れていました。個人的に素晴らしく好きなストーリーなので、YouTubeで見られるので、ぜひ見ていただきたいと思います。学びの個別最適化という文脈のなかで、この動画を子どもたちと見て、教室や学校とはどういうところか、というのを考えたらおもしろいのではないかと思っています。

グッドバード・クラブ【日本語吹替版】

 セサミストリートには、2019年10月にKarli(カーリー)というキャラクターが新しく登場しました。カーリーのお母さんは、依存症と戦っていて、どのように手を差し伸べるかなどを学べることができる内容になっています。
www.youtube.com

 社会で取り組むべき問題は、国によってさまざまですが、常にアップデートして、それを子どもたち(そして保護者)へと伝えていくためのメディアとしてセサミストリートは進み続けています。
 セサミストリート・カリキュラムがより良い教育プログラムになるように取り組んでいきたいと思います。日本国内の、地域ごと、学校ごとに、最もいいプログラムになるように先生方・保護者の方々と協力して、さらに良いプログラムになるように努力していきたいと思います。そうした思いを強くしてくれた、50周年のセサミストリート エデュケーションサミットでした。引き続き、よろしくお願いします。
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(為田)

武蔵野大学中学校 授業レポート まとめ(2019年9月12日)

 2019年9月12日に武蔵野大学中学校を訪問し、中学1年生の数学の授業の様子を見学させていただきました。この授業は、経済産業省「未来の教室」実証事業に採択されたもので、Z会グループが学習サポーターを派遣し、学習を一人ひとりに最適化するAI先生「atama+」(アタマプラス)を活用した授業を実施しています。8月末に模擬授業などを行い、9月から授業としてスタートしたそうです。
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 No.1とNo.2では、atama +を活用した授業の様子をレポートしています。

blog.ict-in-education.jp

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 また、No.3では、見学させていただいた武蔵野大学中学校の図書館の様子をレポートしています。この図書館を使って行っているワークショップ、見てみたいです!
blog.ict-in-education.jp

(為田)

授業で使えるかも?:「ヴェルサイユ:宮殿をあなたのものに」

 Google Arts & Cultureで「ヴェルサイユ:宮殿をあなたのものに」というコンテンツがあります。美術や歴史(西洋史・美術史)の授業などで、教材として活用できるかもしれません。
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 アプリ「Google Arts & Culture」を起動して、「ヴェルサイユ」と検索するとアクセスできます。
 ヴェルサイユ宮殿内の天井画や肖像画などを見ることができます。
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 天井画をズームで大きくして見ることができます。肉眼ではなかなか難しいし、実際に現場に行ったとしてもこんなに近くで見ることはできないだろうというサイズで見ることができるのも、デジタルの良さです。
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 VRヴェルサイユ宮殿の中を体験することもできます。「本物に触れる」ということができるのではないかと思います。
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 メイキングの動画とブログ記事もオススメです。こうして作るのか、こうやって見えるのか、というのがわかるのがいいと思いました。
www.youtube.com

blog.google

Google Arts & Culture

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  • エンターテインメント
  • 無料

(為田)

Edvation × Summit 2019 イベントレポート No.2 「これからのSTEAM教育」(2019年11月4日)

 2019年11月4日に、紀尾井カンファレンス・麹町中学校を会場にして開催されたEdvation × Summit 2019に参加してきました。参加したパネルディスカッションなどから、自分用のメモとコメントを公開したいと思います。何かの参考になればと思います。

 パネルディスカッション「これからのSTEAM教育」に参加しました。登壇されていたのは、中島さち子 さん(steAm, Inc.代表、ジャズピアニスト / 数学者)、井上 祐巳梨さん(株式会社Barbara Pool 代表取締役 / STEAM JAPAN)、加茂フミヨシ さん(ギタリスト / ギネス世界記録樹立者)、木村健太 先生(広尾学園中学校・高等学校 医進・サイエンスコース統括長)の4人でした。
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 以下、自分で気になった部分のメモを公開したいと思います。

自己紹介~STEAM教育への取り組み

 まずは、パネリストの皆さまの自己紹介のところでの多様なバックグラウンドを知ることができました。

  • 2006年に経済産業省が発表した「社会人基礎力」は、「人生100年時代の社会人基礎力」へとアップデートされた。(加茂さん)
  • スポーツの中にもSTEAMはある。テクノロジーで頭の中にある音楽を顕在化することも可能に。つくっていく楽しさをプログラミングや算数を使って顕在化する。(中島さん)
  • サイト「算数、数学の自由研究」には、楽しい研究がたくさん。(中島さん)
  • 同志社女子大学 上田信行 先生と共に、Playful STEAMS。
    • Playfulness:ワクワク。楽しさの中に学びがある。
    • Possibilities:可能性を信じる。
    • 「Can I?」→「How can I?」→「How can we?」(上田先生)と進める。人と協働する力。
  • 木村先生
  • 広尾学園で身につけてほしいのは、学問を楽しむこと。「共有」もキーワード。一人1台のPCを持ち、外ともつながっている。(木村先生)
  • 広尾学園 医進・サイエンスコースの3本の柱は、「本物に触れる」「本質を捉える」「本気で取り組む」。(木村先生)
    • 高校1年生で研修テーマをもつ。先生を超えるテーマを許す。
    • 世界の誰も答えを知らない問題へどうアプローチするか。「このやりがいと方法を学んでほしい」
    • 学び方を学ぶ。最先端には英語の論文があることも多い。だから、どんどん英語で論文を読んでいく。

 最後に、木村先生が、HP Project Zで、「モーツァルトに新曲を書かせよう」というプロジェクトに取り組んだことを紹介してくれましたが、サイトにはドキュメントの映像やインタビュー、プロジェクトのタイムライン(進行案)も掲載されていますので、ぜひ見てみてください。
www.techdevicetv.com

 この流れで、STEAM教育のポイントについても述べられていました。どんどん、ミックスさせ、「創造していく」「クリエイティブになっていく」ことが求められているのだと感じました。

  • STEAMはSだけ、Eだけ、ではなくて、ミックスさせるのが大事(加茂さん)
  • 問題解決は、ぜんぜん違う分野からのアイデアなこともある(中島さん)
  • 学びのSTEAM化。生徒たちがワクワクする感覚が大事(木村先生)

STEAM教育での「変化」について

 日本の教育は、STEAM教育が入ってくることによって、どう変わっていくのかについてのコメントです。

  • 頭がいい=記憶、ではない。マービン・ミンスキーは「これからエンターテインメント以外に人間がやることはない」と言っている(参考:避けられない未来とAIによる技術的特異点の真実とは | GLOBIS 知見録)。中身自体が楽しいことが大事。(加茂さん)
  • みんなが何かをつくれるようになった時代。STEAMをきっかけにして、学校を越えて一緒につくるようになると、社会構造も変わっていくと思う。(中島さん)
  • 感覚がひろがる。ものの見方が多様になっていく。当たり前だと思っていたことの本質を捉え直していく。(中島さん)
  • いろんな分野において、all Japanの体制ができる。外と連携していくツールは揃ってきている。生徒たちも社会を作るメンバーとして認識されるようになるのが楽しみ。(木村先生)

STEAMをどう教えるの?

 最後に、「STEAMをどう教えるのか?」ということについて、実践者であるパネリストの3人からのコメントです。

  • 教えるというより、一緒にやるほうがいいと思う。生徒たちはチームを作るが、先生たちもチームに入っていく。大人も共に楽しむ。(木村先生)
  • 子どもの頃にワクワクしている人を見ると、惹きつけられた経験がある。答えがあるわけではないので、みんなで試していく環境を作る(中島さん)
  • PBLが多いが、カリキュラム的なものは少なくなる?「こういうのがあるのか!」と見つけられるものが出てくる。経産省のSTEAMライブラリーがそういうものに?(中島さん)
  • 先生は「先に生まれた人」というだけでなく、「先を見て生きている」人であるべき。大人も学び直し、分野横断していく。教えられている側にも、学びなおしていることが伝わる。(加茂さん)

 子どもたちと一緒につくっていく、取り組む、ということが大事なのだと改めて感じます。こうした観点から、プログラミング教育はどうなのかを評価もしてみたいと思いました。木村先生が、「学校は生徒と一緒に未来をつくる場所であり、今の社会に適応させる場所ではない。」と言っていました。また、中島さんは、「今は激動の時代。STEAMが無味乾燥な言葉にならないようにしなくてはいけない。失敗、弱さ、そういうことも認め、受け入れられることも大事。」と言っていました。こうした価値観がベースに持ちつつ、未来をつくる場を増やしていきたいと感じました。

 No.3に続きます。

(為田)

Edvation × Summit 2019 イベントレポート No.1 「教育メディアから見た教育改革」(2019年11月4日)

 2019年11月4日に、紀尾井カンファレンス・麹町中学校を会場にして開催されたEdvation × Summit 2019に参加してきました。
 僕は、パネルディスカッション「教育メディアから見た教育改革」にてモデレーターを務めさせていただきました。パネリストは、株式会社フジテレビジョン 報道局 解説委員の鈴木款さん、日本経済新聞社 編集委員木村恭子さん、教育新聞 編集部長の小木曽浩介さんでした。
 今回のEdvation × Summitなど、EdTechや教育改革などについての情報を得られる場所は増えてきているとは思うものの、教育に関心を持っている人や関係者だけでなく、一般の先生方や保護者の方にまで広げていくには、教育メディアの果たせる役割はとても大きいと思っています。教育メディアの第一線でお仕事をされている鈴木さん、木村さん、小木曽さんにお話を伺うことができて、とてもよかったと思っています。
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 最初に鈴木さんから問題提起されたのは、「教育では数字(視聴率)が取れない」ということでした。子育てをしている家庭に最先端の教育の情報を届けることは、本当に重要ですが、実際に地上波のテレビではなかなか視聴率がとれない。したがって企画としてあまり通らない、という話が出ました。
 一方で、木村さんが以前在籍していた新聞社では「ネタがないときには動物ネタか教育ネタ」というふうにも言われていたそうです。現在、日経電子版でも、教育の記事はよく読まれているそうですから、誰でもが興味を持っているというトピックではあり続けているのだと思います。
 教育の専門メディアである教育新聞では、2016年から情報発信を紙媒体からWeb中心に変えたそうです。それまでは学校ごとに購読してもらうという形だったのが、先生個人で購読してもらえるようになり、それによって読者の年齢層が20代、30代へと広がったと小木曽さんは教えてくれました。教育新聞のサイトを見ると、記事、特集のページだけでなく、EDUBATEという読者参加型のページも掲載されています。

 ほとんどの人が学校教育を受けてきているので、教育にはみんながひとこと言いたいことがある、というのは事実だと思います。みんながひとこと言えるテーマだからなのか、事実やデータなどのエビデンスを確認しなかったり、自分の個人的な体験を一般化してしまって、反応をしてしまっていることもたくさんあるように思います。
 例えば最近の大学入学共通テストでの英語民間試験の活用をめぐる報道でも、深く賛否両論について掘り下げる報道はなかなか目にしません。ある極端な事例を取り出して結論に結びつけるような見出しが書かれているようなこともあります。また、教育の制度などの問題としてではなく、政局と絡めて報道されてしまっていることも問題です。
 この日のパネリストの皆さまが属されている教育メディアの情報発信により、より多くの人たちが議論を深められるような情報を得られるようになればいいと、ディスカッションを終えて改めて思いました。
 ただ、そうした報道になるのは、そうした報道を求める視聴者・読者の数が多いから、というのも事実だとは思いますので、情報を受け取る側のリテラシーも上げていく必要がある、ということもディスカッションのなかで指摘されました。

 大学入試制度改革をはじめ、今回のEdvation × SummitでのEdTechなどの教育現場での実践事例など、どんどん広げて、より多くの先生方や教育事業者、保護者などステークホルダーをさらに越えて、高齢者などにも教育の重要性を伝えていくために、鈴木さん、木村さん、小木曽さんのそれぞれの教育メディアでの活動は本当に重要だと改めて思いました。
 40分という短い時間に、現場でのたくさんのエピソードをお持ちの鈴木さん、木村さん、小木曽さんに、もっともっとお話を伺いたかったです。これを機会に、また何かご一緒する機会があればいいな、と思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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 今回、会場でグラフィック・レコーディングをteam楽描さんがしてくださっていました。そちらの写真も載せておきます。自分の登壇した内容がグラレコされるのは初めてなので、とても勉強になりました、どうもありがとうございます!
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 No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

スマートに学べる問題集「リブリー(Libry)」を提供する株式会社Libry CEO後藤匠さん インタビュー No.5

 スマートに学べる問題集リブリー(Libry)を提供する株式会社Libryの代表取締役CEO 後藤匠さんのインタビューをお届けします。
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 最後に、後藤さんに今後の展望について伺いました。

 リブリーのビジョンは「一人ひとりが自分の可能性を最大限に発揮できる社会をつくる」というものです。それを実現するために、一人ひとりの興味や能力、状況に合わせて、適切に指導や情報を適切なタイミングでマッチングできるエコシステムをつくる、ということをリブリーのミッションとしています。そのために、より生徒が使いやすいように、より良く学習ができるように進化させていきます。まだまだ「興味」に合わせたコンテンツの提供や指導のサポートも、十分に取り組めているわけではありませんが、今やるべきことを見極めてしっかりとリブリーを進化させていきます。


 今年1年は、「よりウェット」になるようにアップデートをしてきました。スタンプの機能を追加したり、提携出版社の拡大やスマホ対応などにより対象ユーザーの裾野を広げた、というところが重要なアップデートでした。
 去年数十校だった正式導入校が、100を超えました。トライアルを含めると500校ほどの学校がリブリーを使ってくれています。全国で高校は5000校なので、10校に1校くらいがリブリーに興味を持ってくれているという規模になってきています。それはありがたいし、受け入れられているという自信にもなっています。


 「教育をなんとかしないと…」という責任感のもとでやってきましたが、学校や出版社など、ステークホルダーが増えるにつれて責任感も増してきています。これまでそうした責任を背負ってきた、学校や出版社をコンペティター(競争者)として見るのではなく、テクノロジーを使って学校や出版社、他のEdTechサービスとも一緒に教育を良くしていくという立ち位置のEdTechサービスとなりたいと思っています。
 教育は「過去の賢人へのリスペクト」を元に成り立っています。そのため教育サービスこそ、これまでの教育を支えてきた人たちへのリスペクトを失ってしまってはいけないと思っています。これまでの教育に対する敬意を最大限にもったうえで、良いことは残す、変えるべきことは変えながら、未来を創るというのが望ましい形だと思います。「Standing on the shoulders of Giants」という言葉が好きだし、そうした会社でありたいと思っています。


 学習者や先生が「使いやすい」サービスであることは最優先事項なので、妥協せずに「めちゃめちゃ使いやすいデジタル問題集」+「先生にとっての便利な宿題管理ツール」というスタンスというのでリブリーを作っていきますが、さらに教材や対応科目の拡大を進めて、より多くの学習者にリブリーを届けるようにしていきたいと考えています。また、学習履歴の積極的な活用にも力を入れていきたいですね。


 蓄積された学習履歴を、どう教育に還元できるのかというところに取り組んで、来年のインタビューでは、そのあたりの話をしたいです。構想はいろいろとあるので、来年が楽しみです。

 後藤さんは、「リブリーが目指しているのは、0.5歩先のイノベーション」と言います。1歩前に踏み出せない先生にも、まずは使ってもらうことで、先生方がその先に自身で「 ICT を使ってこんなふうに授業が変わっていく」という世界観を描けるようになっていくと思います。これは先生方にとって、挑戦しやすい道ではないかなと思います。 特に、たくさんの参考書を使っている高校にとっては、今回の第一学習社・東京書籍との連携によるコンテンツの拡充と、生徒がほぼ持っているスマホでの利用が可能、この2点をうまく組み合わせて、スタートをしてみるいい機会ではないかと思います。
 教科書・参考書への完全準拠と、ノート連携があることで、授業のなかでも活用しやすいリブリーは、簡単にトライをしてみられる教材だと思いますので、ぜひ0.5歩、踏み出してもらいたいと思います。

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 後藤さん、どうもありがとうございました。次はまた来年、学習履歴の分析や教科書会社との連携など、また一歩前に進んだ話を聴かせてもらいに来たいと思います。

(為田)