教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

授業で使えるかも?:トビタテ「高校生の留学ドキュメンタリー ~なんとなくで決めた留学編~(5分版)」

 2018年12月6日に、私塾界プレミアムセミナーに参加させていただいたのですが、第1部と第2部の間でステージで流れていた、「トビタテ」の映像がとても素敵で、あとでYouTubeで検索してしまいました。「高校生の留学ドキュメンタリー ~なんとなくで決めた留学編~(5分版)」というタイトル。
www.youtube.com

 英語が通じなくてまずい!と言っていた子が、自分の好きな写真(セルフィー)を通じて、だんだん会話ができるようになっていくところとか、好きです。
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 その後で、「インスタやってる?」と訊くところとかも、とてもいいな、と。コミュニケーションってこんな感じだよなー、と。グローバルなサービスを使っているとこういうこともできる。ちなみに、英語は「Instagram?」だけ。十分です。このコミュニケーションの先に、いろいろなものが広がっていると思います。
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 それから、クラスメイトに漢字を紹介したりするのも、自分でも初めてアメリカに行ったときにやったなあ、と懐かしく思い出しました。
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 トビタテでの日々がすごく参加者目線で見ることができて、子どもたちに興味を持ってもらえそうだし、誰かの背中を押すかも知れない動画だなあ、と思ってみていました。たったの5分ですけど、国際交流ってこういうところから始まるかも知れない、というのを考えられる動画でした。

(為田)

私塾界リーダーズフォーラム 教育ICTカンファレンス2018 レポート まとめ(2018年10月29日)

 2018年10月29日に開催された、私塾界リーダーズフォーラム 教育ICTカンファレンス2018に参加しました。きちんとした記事は、月刊私塾界にて記事として掲載されると思いますので、こちらはあくまでメモ的に読んでいただければと思います。
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 No.1とNo.2はセッションを聴きながら、Twitterでメモをとっていましたので、そちらを記録として並べてあります。No.1が「【トークセッション】プログラミング教育は未来を変えるのか?」、No.2が「【トークセッション】オンラインとオフラインの融合に向けて」です。
blog.ict-in-education.jp

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 No.3は、「【パネルディスカッション】未来の教室がやってきた」です。モデレーターをつとめさせていただきました。パネリストは、経済産業省 教育産業室 室長 浅野 大介 氏、英進館株式会社 代表取締役社長 筒井 俊英 氏、武蔵野大学中学校・高等学校 校長 日野田 直彦 先生、atama plus株式会社 代表取締役CEO 稲田 大輔 氏でした。こちらは、音声データから書き起こしました。あらためて見てみると情報量がすごいですが、議論がかみあっていて、パネリストの皆様に感謝です。
blog.ict-in-education.jp

(為田)

授業に使えるかも?:都立学校魅力PR動画「まなびゅ~」

 東京都教育委員会は、都立学校魅力PR動画「まなびゅ~」というサイトを公開しています。2018年12月6日現在、都立淵江高校、都立足立西高校、都立豊島高校、都立秋留台高校、都立田園調布高校の5校の動画が公開されています。このサイトは、高校生ならではの視点や感性で学校の魅力を見付け出し、中学生らに向けて発信するために制作したものだそうです。
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tokyodouga.jp

 作っている生徒たちの好みが見えておもしろいです。個人的には、ゲーム形式になっている豊島高校の映像が好きです。ページを見てみると、「体験型VR(もどき)映像」と書かれています。実際に授業を受けているような気持ちになるのもいいな、と思いました。
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 これからどれくらい学校数が増えていくかわからないのですが、だんだんYouTuberっぽいものとかが増えていくのだろうな、と予想しています。情報の時間にCMづくりをしている学校は多いので、せっかくなので学内でコンペをして、優秀な作品をここに並べるのもおもしろいと思います。受験生目線での動画が集まってくるといいと思いました。

 再生数を見るとまだまだ少なく、中学生に見てもらうという目標はまだまだ実現途上という感じもします。学校のサイトで紹介されているのかな…?と豊島高校のサイトを見てみたら、リンクが貼られていました。埋め込めばいいのに…。学校のTwitterアカウントもあります。情報発信もいろいろしているようです。こういうのを見ながら、進学先を決める、という中学生も増えてくるといいな、と思います。

(為田)

戸田市立戸田東中学校 公開研究発表会 授業レポート(2018年11月2日)

 2018年11月2日に、戸田市立戸田東中学校にて行われた公開研究発表会に参加しました。この公開研究発表会は、平成28・29・30年度 戸田市教育委員会研究委嘱事業で、研究主題は「豊かな人間性と社会性をもった生徒の育成」で、道徳・各教科の授業が公開されました。
 そのなかで、1年1組の道徳の授業で、ポプラ社の出版した『答えのない道徳 どう解く?』という書籍を使った「びょうどう、どう解く?」という授業が行われました。

答えのない道徳の問題 どう解く?

答えのない道徳の問題 どう解く?

 書籍『答えのない道徳 どう解く?』のなかには、議論が分かれそうな内容がたくさんあります。これを教室という場で先生がファシリテーションをして授業をすれば、考え、議論する道徳の授業ができるのではないかと思い、今回授業を担当された真島清貴先生をはじめ、管理職の先生方と教育委員会 指導主事の先生と一緒にミーティングを行い、授業に臨みました。
 今回の授業の主題は、「相互理解 内容項目[B (9) 相互理解・寛容]」。ねらいは、「正解がない問いに取り組む姿勢をもつ」「自分の考えを言語化できるようになる」「自分の意見を尊重し、他者の意見も尊重する」というものでした。

 真島先生は、最初に「平等」という言葉から思いつく言葉を生徒に挙げてもらい、自由に発言できる雰囲気を作ってから、『答えのない道徳 どう解く?』のページを提示し、「平等、どう解く? 賛成3、反対37 多数決をしたら、ボクの意見は通らなかった。人数が多いほうが、正しいってどうして言えるのだろう?」という問いを投げかけます。
 生徒はワークシートに自分の意見を書きます。このとき、真島先生は、「正解があるわけではないので、自分の意見を書く」ということを伝えていました。意見を書いたワークシートは、ロイロノート・スクールで撮影して先生に提出してもらい、大型ディスプレイでみんなで見られるようにしていました。
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 4人グループになり、ワークシートの内容を共有するときには、クラスメイトの意見を聴いて、おもしろいと思ったものをどんどん追記してもらいました。自分の価値観に縛られず、クラスメイトの意見を傾聴してもらうことをねらっての活動でした。グループワークの途中にも、手元のタブレットでロイロノート・スクールを見ることができるので、他のグループの人が書いた文章を読みながら、考えを練り上げていくことができます。どんなことを書いたらいいのかわからない生徒にも、書き始める手がかりを与えることができるようにも思います。
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 各グループで最も納得のいく意見を、クラスで発表するために選んでもらい、ロイロノート・スクールでクラスで共有しました。たくさんのグループの意見を聴いて、それぞれを板書していくとそれで時間がどうしてもかかってしまいますが、こうしてロイロノート・スクールで共有することで、説明や議論に時間をかけることができるように思いました。

 最後に、真島先生は、『答えのない道徳 どう解く?』のなかにある那須正幹さんの言葉を紹介し、「答えがないことは世の中にはたくさんあること」「さまざまな意見があることを知り、意見を比較して検討できることが重要であること」を伝えて授業を終えました。
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 授業のねらいとして設定していた「正解がない問いに取り組む姿勢をもつ」「自分の考えを言語化できるようになる」「自分の意見を尊重し、他者の意見も尊重する」については、達成できていたのではないかと思いました。
 また、何より正解を求めるのではなく、正解がないなかで「自分はこう思う」と言語化し、それをクラスメイトとディスカッションして、考えを練り上げていくことの楽しさを感じた生徒もいてくれたのではないかと思います。

(為田)

デジタル教材から見られる学習履歴を参考にした「円の面積」を学ぶ模擬授業

 2018年12月15日に開催する「先生のための教育 ICT 冬期講習会@仙台」のなかで行う模擬授業のなかから、「デジタル教材から見られる学習履歴を参考にした円の面積」の模擬授業の概要を紹介します。この模擬授業は、富谷市立明石台小学校の齋藤裕直 先生に担当していただきます。齋藤先生とやるKeyを提供する凸版印刷の学校サポートチームからのコメントを、以下に紹介します。

 算数のデジタル教材から見られる学習履歴を参考にした模擬授業を行います。単元は6年「円の面積 ~円の面積の求め方を考えよう~」です。

 新学習指導要領総則の改訂の基本方針③「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進の6つの留意点の1つに「基礎的・基本的な知識及び技能の習得に課題がある場合には、その確実な習得を図ることを重視すること」との記載があります。
 図形領域で育成する資質・能力について、小学校第6学年では「図形を構成する要素や図形間の関係などに着目し、図形の性質や図形の計量について考察する力」とあります。

 円の面積では、はじめに面積の大きさの見通しをもつとともに、既習の求積が可能な図形に変形して考えていくことが大切であるため、児童それぞれが既習の求積公式を理解しているかどうか?というところでICTが得意としている分析機能を活用し、即時に学習履歴を確認できる「やるKey」をプレテスト的に利用します。
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 求積公式を円関係だけなら使える状態の児童と、使えない児童それぞれ同じ授業内で違う学習活動を行うことを実践します。
 複合図形の求積に即1人で「やるKey」に挑む場面と、使えない児童が教材動画で復習してからペアやトリオで複合図形に挑み、ペアやトリオで取組んだ児童のところに1人で挑んだ児童が加わって検討する場面を作り出します。
 自分たちの取組やそこで働かせた「見方・考え方」を発表しあって共有し、別の場面(別の複合図形の求積という課題)でも今日の学習が適用できるか「やるKey」で確認します。
 最後に教室で知った新たな「見方・考え方」の良さについて学習感想を書くところまで行い、こういった授業についての様々な感想をいただければと思います。

 「先生のための教育 ICT 冬期講習会@仙台」へのお申込みは、以下のPeatixページでお願いいたします。
ptix.at

(為田)

富谷市立成田小学校 情報モラル教室-ネットトラブルを避けるための対策- 授業レポート(2018年11月30日)

 2018年11月30日(金)に宮城県富谷市立成田小学校で行われた「情報モラル教室」を取材させていただきました。対象は5年生6年生(各学年2クラス)で、講師は株式会社NTTドコモ東北支社の阿部智さんでした。

 「情報モラル教室」の授業を始めるにあたって、まず教頭先生のお話がありました。教頭先生は、「世の中は情報にあふれています。音楽の授業でもいろんな情報を扱っているし、普段の生活でもいろんな情報に接しています。今朝、教頭先生は学校に来るときに色の情報を頼りに運転しました。なんだと思う?」と子どもたちに問いかけます。子どもたちは、「信号!」ときちんと答えることができました。
 「情報」という言葉について、先生方も子どもたちもきちんとアンテナを張っているんだなということが伝わってくる、良い例え話だなと思いました。
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 この日の情報モラルの授業では、子どもたちは思ったことや感じたこと学んだことを、その都度メモをしていくことになっていました。阿部さんは子どもたちが国語で学習している「メモの取り方」を引き合いに出し、今日の授業が日々の教科の学習とも繋がっていることを意識づけました。
 その後に「インターネットって、どんなことができるの?」と発問すると、子どもたちは「ゲームなどで世界中の人と対戦できる」「調べ学習ができる」といった、個人の生活と学校での学習の両面で、インターネットの活用方法を答えていました。導入の時に何気なく、子どもたちに学校での学習や毎日の生活と本時がつながっていること頭に置かせた点がとっても上手だなと感じました。事前に先生方と連絡を密に取り、単発イベントではなく授業の一環として成り立つように仕立てたそうです。

 阿部さんは本題に入る前に「情報モラルについて、なぜ学ぶのか」を示してから、事例を踏まえた「SNSの使い方」へと進んでいきました。
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 気軽に日常生活をSNSで発信し「いいね」をもらうことは嬉しいし楽しいことです。子どもたちもある程度、知識や経験があるようでした。しかし、そこには危険が潜んでいることを子どもたちに知らせるために、阿部さんは一本の動画を紹介しました。
 「これから家族旅行です!リビングで荷造りをしています!」「町内にある公園で桜が咲きました。」「近所のパン屋さんです。大好きです。」などの写真付きのSNSへの投稿が動画の中で出てきます。一つ一つは何気ない内容ですが、過去も含めて複数の投稿を並べてまとめてみると、投稿者の住んでいるエリアが想像できることがあります。さらに先ほどのリビングでの写真をよく見ると、後ろにある冷蔵庫には学校だよりが貼ってあって、拡大してみると学校名が判読できます。しかも旅先での楽しげな様子がSNS上に随時アップされているとなると、この家は現時点で留守であることがわかります。結果、この家庭は空き巣被害に。SNSに投稿していたこの家の小学生は「空き巣に入られたのは自分のせいかもしれない」と悩んでしまう…というような内容でした。
 これは大人でもハッとさせられる人が多いのではないでしょうか。子どもたちも思わず声を出してしまいそうな雰囲気でした。個人情報を漏らしてはいけない、名前や住所を安易に入力してはいけないなど、授業で学習している子どもたちですが、そんなことは書いていなくても、大まかな投稿文と投稿時刻、写真から個人やその状況が特定されてしまうことがあることに驚いたようです。
 その様子を見ながら「今日の学習を各家庭で子どもたちが話題にして、大人の意識も変わっていくといいのにな」と思っていると、授業の最後で担任の先生が「今日の授業の内容で、家に帰って話題にしたいことをワークシートに書いてください」と、子どもたちに指示されました。
 これも阿部さんと先生方の事前の話し合いで決めていたことだそうです。授業の構成としても家庭との連携についても、よく練られた45分間でした。
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 この他にもフェイクニュース(デマ情報)の発信、拡散、その動機が悪ふざけの場合でもそれではすまされない、など、子どもたちには多かれ少なかれ心当たりがあるだろう内容が十分に盛り込まれた授業でした。

 おそらく、先生方でも同じような教材があれば同じような授業、もしかするともっと子どもたちの実態に迫るような授業ができるかもしれません。しかし、その教材に行き着くための知識や知見の習得、資料検討・準備の時間の確保など、全てを先生方に求めるのは難しいのが実際だと思います。
 先生の持つ授業づくりのノウハウと専門家の持つ知識や技術をコラボレートすることができればいいと思います。そうしたコラボレーションにしっかりと知恵や時間をかけられるような、学校であり世の中にしていくことが、効果云々以上に大切なのではないだろうか、と考えました。

 こうした考えは「チーム学校」という枠での話題になろうかと思います。先生方の働き方改革の話題と連動して「学校内に多種の専門職を。そのための予算を。地域から補助ボランティアを。」という面が強調されがちです。もちろんこれは喫緊の課題として充実を急いでほしいことがらではあります。しかし「学校外にいる専門職(保護者や企業、様々な団体など)と普段から連携できるように、先生方の働き方とマインドの両方を更新しておく。国や自治体は予算を整備する。今の学校はそういう場になっていることを地域社会も理解する。」という面も、とても重要なのではないでしょうか。

 今回取材させていただいた富谷市立成田小学校は、この両面がうまく機能している事例なのではないだろうかと思いました。情報モラルの授業の取材でしたが、それだけにとどまらない学びをいただきました。

(佐藤)

理科×ものづくり×プログラミングの模擬授業「電流が作る磁力」

 2018年12月15日に開催する「先生のための教育 ICT 冬期講習会@仙台」のなかで行う模擬授業のなかから、小学校5年生の「理科×ものづくり×プログラミング」の模擬授業の概要を紹介します。この模擬授業は、富谷市立富谷小学校の金洋太 先生に担当していただきます。金先生からのコメントを、以下に紹介します。

 理科×ものづくり×プログラミングの模擬授業を行います。単元は5年「電流が作る磁力」です。新学習指導要領には、身の回りでは、電磁石が利用されていることを日常生活と関連させて取り上げることと記載されています。また、内容の「A物質・エネルギー」の指導にあたっては、2種類以上のものづくりを行うものとされています。
 今回の模擬授業では、日常生活、ものづくりという観点から、「オリジナルのスピーカーを作成」して、「オリジナルの音楽をつくって鳴らす」活動を体験していただく予定です。電磁石の学習とスピーカーの仕組みを結びつけたり、更にはプログラミングを組み合わせたりすることで、児童に一から音楽プレーヤーをつくる達成感を味わわせることができると考えます。
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 音源に用いるのがプログラミング教材のmicro:bitです。micro:bitを用いれば誰でも簡単に音のプログラミングをすることができ、その音をすぐに出力することができます。ものづくりでクリエイティブな時間をお楽しみください。
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 「先生のための教育 ICT 冬期講習会@仙台」へのお申込みは、以下のPeatixページでお願いいたします。
ptix.at

(為田)