教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

天童市立寺津小学校 研修レポート(2019年2月14日)

 2019年2月14日に、天童市立寺津小学校を訪問しました。公開授業の後、ICT教育機器活用研修会の講師をさせていただきました。タイトルは、「ハナタカさんも知らない?初心者でもお手軽便利なICT!」でした。
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 文部科学省による、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数(山形県自治体)」を見てみると、天童市はがんばっているものの、まだ少し下の方です。1台あたりの児童生徒数だけではなく、「どんな教育的な意図をもって、どのように使うのか」ということがポイントです、ということをお話ししました。
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 さまざまなICT活用の先進事例を紹介して、ICTを活用することで、どんな目的を達成できているのかについて紹介をしました。
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 紹介したのは、Google Earth、Star Walk、English Central、ednity、Googleドキュメントの音声認識機能などです。機能を中心に説明するのではなく、授業のなかでどのように使っている事例があるのかをお話し、少し使ってみていただく、という形で進めていきました。
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 最後に、ロイロノート・スクールを使って、「どんな授業を自分でやってみたいか」について書いてもらって提出してもらいました。機能ばかりを紹介するのではなくて、「どんな授業をやってみたいか」というところをスタート地点にすることで、研修の効果は大きく上がるように思います。
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 いろんなアプリやサービスを紹介しましたが、ベースにあるのは「デジタルを使って教えることで、何か変わるのか?」ということだと思います。参加してくださった先生方のお役に立てばいいな、と思います。

(為田)

書籍ご紹介:『AI時代のリーダーになる子どもを育てる 慶應幼稚舎 ICT教育の実践』

 鈴木二正『AI時代のリーダーになる子どもを育てる 慶應幼稚舎 ICT教育の実践』を読みました。自分の中で興味があった部分をメモしておきました。

AI時代のリーダーになる子どもを育てる 慶應幼稚舎ICT教育の実践

AI時代のリーダーになる子どもを育てる 慶應幼稚舎ICT教育の実践

 鈴木先生は、ICTを導入するにあたり、最初に4つの仮説を立てたといいます。「ICT利活用を学習行動の一部として定着させる」ために、何を行えばいいのかを明確に最初に仮説を立て、実践していっているのがすばらしいと思いました。

最初に立てた4つの仮説(p.50):

  1. ICT活用を小学校一年生の段階から始めることは、ICT利活用を学習行動の一部として定着させることに効果的である。
  2. ICT活用を、国語や算数、生活科といった普通教科の授業で組み込んで行うことは、ICT利活用を学習行動の一部として定着させることに効果的である。
  3. タブレット端末を「文房具」として位置づけ、その活用能力の育成を実施することは、ICT利活用を学習行動の一部として定着させることに効果的である。
  4. タブレット端末を活用した学習について保護者の理解を得ることは、ICT利活用を学習行動の一部として定着させることに効果的である。

 小学校一年生の頃からタブレットは早いのではないか…?という声も聞かれますが、鈴木先生は逆に一年生からだからこそできる、タブレットとの出会いがあるというふうに書いています。

小学校一年生から学校と家庭で学習に使える文房具としてタブレット端末に親しんだ子どもは、情報モラルについての指導にも素直に耳を傾けるはずです。
大人でも、インターネット上でのトラブルに巻き込まれる人は、もともと情報活用リテラシーが十分ではないケースがほとんどです。本当によくわかっている人は、安全なものと危険なものの違いをしっかり読み取れます。そういうリテラシーを身につけた大人として成長するためにも、学校と家庭が協力連携しつつ、早くからの経験が必要であると考えているのです。(p.142)

 この点については、192Cafe 公開イベント #1 私立小が創る未来の学び ~競争時代から共創時代へ~のなかで、さとえ学園小学校の 山中昭岳 先生も「最初からしっかり、教えていくことができる」と言っていました。
blog.ict-in-education.jp

 また情報教室の環境、授業を作ることのポイントについても書いています。

テーブルは可動式の小ぶりなタイプを採用し、「ダイナミックに動く情報教室」を目指しました。授業の中での実習の時間には、児童は一人で作業に没頭してもよし、友だち同士で教え合いながら進めてもよしと自由にさせました。
とにかく、教員と児童の双方が「楽しい」と思えることに重点を置きました。授業は一年生から六年生まで各学年週一回とし、一年生から二年生は遊びを通してコンピュータに慣れ親しむことを、三年生から四年生は基礎・リテラシーの習得および情報を取得・共有・交換して発表することを、五年生から六年生は情報の取捨選択・整理をして、自分の都合に合った形に加工して効果的に活用することなどを教えていました。
手探り状態でやってきたとも言えるのですが、児童たちを見ていて驚いたのは、たとえば三年前に六年生に教えていたことを四年生に、五年生に教えていたことを三年生にやらせてもできてしまうということでした。より高度なICTスキルを身につける年代がどんどん下がっているのです。(p.165-166)

 最後の「ICTスキルを身につける年代がどんどん下がっている」というのは、長期間に渡って、一年生から六年生までの情報の授業を通して見ている鈴木先生だからこその言葉ではないかと思いました。
 「ICT利活用を学習行動の一部として定着させる」ためのヒントをたくさん得ることができました。

(為田)

天童市立寺津小学校 授業レポート(2019年2月14日)

 2019年2月14日に、天童市立寺津小学校を訪問し、5年1組のプログラミングの授業を見学させていただきました。
 今回の授業のテーマは、「自分でできることはないか考えよう(地球温暖化対策)」でした。黒板には、これまでにみんなで出してきたアイデアが貼ってありました。こうして「地球温暖化」という明確なテーマを設定して、そのためにテクノロジーで何ができるかを考えるようになっていました。
 こうして課題を設定してプログラミングをすると、児童の持つ課題(アイデア)と解決方法(プログラミング)とを結びつけることができるのがいいと思います。こうすることで、課題解決型になるし、正解が一つでないけれど、方向性が定められている形で授業を進められると思いました。

 今回の授業では、micro:bitの明るさのセンサーを使い、ある明るさより明るいときにLEDを消したり、ある明るさより暗いときにはLEDをつける、というプログラムを作りました。
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 最初に、19人の児童にiPadタブレットPCを配ります。机の上に、iPadタブレットPCが並びます。タブレットPCにはmicro:bitを接続して、ブラウザでMakeCodeエディターを開きます。
microbit.org

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 今回はiPadでロイロノート・スクールを開いて、資料箱に入っているmicro:bitについての説明を見ながら、タブレットPCmicro:bitのプログラムを組むようにしていました。児童が一人ひとり、iPadをもっているので、自分のペースで説明を見ることができていました。
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 今回の授業のサポートには、ダブルインフィニティコーディネートの齋藤博美さんが入っていました。こうして、外部の方がプログラミングのスキルの部分を補って、先生をサポートしてくれるのは、非常にいい形だと思います。
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 最後に、プリントにふりかえりを書いて、ロイロノート・スクールで提出しました。プログラミングのふりかえりについては、「やったこと」を書く児童もいるし、「感想」を書く児童もいるし、「工夫したこと」を書く児童もいます。
 このなかだと、僕は「工夫したこと」を発表してもらうのが好きです。「ああやって工夫すればいいのか」ということをクラス全体で共有できることは、プログラミングの授業のいいところだと思います。

 速く終わる子がいたりする場合には、発展的な課題として、「教室の窓側から廊下側に行く途中で、光るようにするにはどうすればいいか?」とか、リアルな環境とテンプレートの数値設定との差異が出るようなストーリーがあるとおもしろいかもしれないと思いました。
 思い通りのセンサーの働きになるかどうか、何度も何度も試行錯誤を繰り返して、デバッグ作業ができます。繰り返し、すばやく簡単に試行錯誤のサイクルを体感できるのは、プログラミングの非常にいいところだと思います。

 「研修レポート」に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

「学校」はいかにアップデートされるべきか イベントレポート(2019年3月4日)

 2019年3月4日に、渋谷ヒカリエで行われたイベント、「学校」はいかにアップデートされるべきか、に参加してきました。登壇は、小幡和輝さん、駒崎弘樹さん、藤川大祐先生、若新雄純さん、宇野常寛さん。司会は得能絵理子さんでした。
 当日の入場者の1/3くらいが、学校の先生や宿の先生など、教育機関で教えている人だったそうです。当日、会場からTwitterで発信していた内容を再構成します。
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いま学校現場に必要なものは何か?

 最初のテーマは、「いま学校現場に必要なものは何か?」。みんな手元にキーワード(あるいは文章)を書いて、それを見せながらトークしていく形式でした。

 若新さんと藤川先生が隣の席だったのですが、シンクロした意見がたくさんでていました。お互いで言葉を補い合っている、というか。

 小幡さんのこの、「学校以外にも選択肢がある」ことをもっと知るべき、というのは、先生も保護者も学習者である児童生徒もみんな、かな、と思いながら聴きました。そして、そのいろいろな選択肢をライバル(あるいは敵)とみるか、ツールと見るかによって、学校のやれることはいろいろと変わってきそうだと思います。仕事で関わっている教育ICTやEdTechはまさにこのあたりに関わってくる話です。

 駒崎さんから出た、教育と福祉の違い、というのは今まで考えたことがなく、非常に大きな気付きになりました。

 そして最後に、宇野さんの意見。クラスをずっと固定するというのは、学校が合う子はいいけれど、そうでない子には本当につらい仕組みだな、と思っています。学校に一気に流動性をもたせるのがいいかは僕はまだ判断できないですが、学校以外の居場所を子どもたちに持ってもらうこと(と、学校には別に行かなくてもいいじゃない?という前提)によって、このあたりはなんとかできないかな、と考えています。だから、N高の活躍は非常に重要だと考えています。

(学校をアップデートするために)いま学校教育の外に必要なものはなにか?

 休憩時間を挟んで、後半のテーマは、「(学校をアップデートするために)いま学校教育の外に必要なものはなにか?」でした。

 このテーマでも、若新さんと藤川先生の言葉は繋がっていました。大人のトモダチ、リアルな社会との繋がり、ナナメの関係、そういうキーワードが頭に浮かびます。

 これは、PTA活動をやっていて感じていたことでもあります。なんでもかんでも学校に問い合わせると大変なのですが、きちんとロジックがあるならば、学校にそれを持ち込める回路がある方が当然いいと思っています。その回路としてPTAが機能するようになればいいのにな、とは思います。ちょっと多くのPTAは感情が強く勝ちすぎていて、そのバランスをとれる人材がPTA活動をやっていれば、という前提はありますが…。駒崎さんの、「学校に電話かけたんすよ」っていうエピソードを聴いていると、駒崎さんはこのバランスのとり方が非常に上手そうでした。

 この学校が「ダメな親に当たったときの、人生キャンセル装置」というのは大賛成です。だからこそ、きちんと学力なり生きる力なりを身につけられる場所であってほしいと思っています。

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まとめ

 あっという間に時間がたちました。いろいろなことを考えるきっかけになりました。話に出てきたことの多くは、ICTやEdTechを使うことでなんとかできることではないかと思いましたし、C.M.ライゲルース・J.R.カノップ『情報時代の学校をデザインする 学習者中心の教育に変える6つのアイデア』と繋がるのではないかと思いました。

情報時代の学校をデザインする: 学習者中心の教育に変える6つのアイデア

情報時代の学校をデザインする: 学習者中心の教育に変える6つのアイデア

  • 作者: C.M.ライゲルース,J.R.カノップ,Charles M. Reigeluth,Jennifer R. Karnopp,稲垣忠,中嶌康二,野田啓子,細井洋実,林向達
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 最後のステージからの記念撮影、ちゃんと写ってる~(笑)うれしいな。

 小幡さんのまとめの中でも、Twitterを拾ってもらいました。

 学校とはどういう機能を持つべきところなのか。どの機能は今でもOKで、どの機能は今では役に立っていないのか、そういうことをもう一度見直していくべきなのかな、と感じています。学校をFuture-Readyな場所にアップデートするためには、それが必要だと感じました。第2弾もぜひやってほしいです。

(為田)

岡山県備前市立香登小学校 授業レポート No.4(2019年3月14日)

 2019年3月14日に岡山県備前市香登(かがと)小学校で津下(つげ)哲也先生が行った、総務省の5G動画を使った授業を、津下先生がFacebookに投稿されたレポートをもとに再構成しました。
 子どもたちが5Gの映像を見て、教科の重要性について話し合う場面などでは、子どもたちがICTを活用することの本質的なメリットを捉えていることに驚かされますが、その土壌として、これまでやってきたICTを活用した授業実践があってのことだと思います。津下先生から、それらの実践の一部をご紹介いただきました。

  • 理科 ICT活用した動画記録などをもとに、空気のあたたまり方を説明。
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  • 算数 児童だけで行う、数的判断の授業。ICTを活用して対話ベースで進む。
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  • 社会 滋賀県との遠隔交流に向けて調べ学習。ネット、教科書、資料集、地図など、様々な媒体を必要に応じて活用。
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  • 社会 滋賀県との遠隔交流に向け、県内他地域の6年生からその地域の魅力を情報収集。
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  • 社会 遠隔交流授業。岡山県について調べたことを滋賀県にPR。上で調べた情報を再構築して発信。
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  • 休み時間 オゾボットで遊ぶ子どもたち。遊びは学びの原動力。
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  • 総合 マイクロビットで防犯灯をプログラミング。論理的思考を育てつつ、日常生活とテクノロジーの関連に気づく。
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  • 総合 自動運転は安全か?について、モデルを創って実験し、検証。STEM教育。
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 こうしたたくさんの実践事例の上に、別の授業を重ねることで、学びを深めていくことができるのだと思いました。

 津下先生、素敵な授業をどうもありがとうございました。新年度に、ぜひ学校訪問もさせてください。

(為田)

【メディア掲載】月刊私塾界 3月号発刊

 月刊私塾界 3月号がオフィスに届きました。3月号の特集1は、「『学習塾白書 2018』を読む」です。
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 学習塾白書には、2014年から執筆をさせていただいていて、今年で5年目となります。教育ICTに関する部分は、経済産業省の「未来の教室」実証事業がすごい存在感だったように思います。
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 いつものとおり、連載記事も掲載されています。
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(為田)

岡山県備前市立香登小学校 授業レポート No.3(2019年3月14日)

 2019年3月14日に岡山県備前市香登(かがと)小学校で津下(つげ)哲也先生が行った、総務省の5G動画を使った授業を、津下先生がFacebookに投稿されたレポートをもとに再構成しました。
 今回は、5Gの授業の第3時をレポートします。昨日の宿題をもとに、新しい教科を子どもたちが考えてきました。
 それぞれ、自分が考えてきた教科についてPRのスピーチをしました。3分間で発表の組み立てを考えて、2分間の練習をし、その後1人ずつ1分間のスピーチをしました。発表の様子はカメラで撮影しており、「カメラの向こうに、国の偉い人がいて、あなたの発表に耳を傾けている。その人に想いを届けるように発表すること。」と津下先生は伝えます。この1年、国語や総合で学習して高めたスピーチ力を活用しました。

 ここでPRされた、いくつかの教科の概要を紹介します。

  1. VR
    • 最初の4月は、VRゲームでしっかり遊び、VRの特徴をつかむ。そこから、VRが仕組みになっていて、どんな特徴があるかを調べる。最後は、VRを使ってどんなことができるかを話し合って、みんなでゲームを作る。
  2. VR教学
    • VRを使って学ぶ教科。理科のもののあたたまり方など、目で見て一目で分かる。国語の物語文などは、VRを使うとリアルにイメージできる。VRを使うと実際に体験していなくても一目で分かるので、勉強がよく分かるようになる。
  3. ロボ作り学
    • ロボットの作り方を学んだり、ロボットを動かすプログラミングなどを学ぶ。作ったロボットを使っていろいろな問題解決をする。
  4. 老人化学(科学ではないそうです。)
    • 世の中は、老人化が進んでいるので、そういう世の中になっても世の中が回っていくように仕組みを考える。
  5. 精心学
    • 多忙化する世の中の中で、リラックスする方法を学ぶ。週1時間。5校時より後に行う。
  6. 植学
    • ロボットの世の中になっても、人間は食べ物が大事なので、食べ物を育てる方法を学ぶ。
  7. キャンプ学
    • 実際にキャンプをしながら、自然の中で生きていく方法を学ぶ。
  8. 本学
    • ひたすら本を読む。

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 全員のスピーチが終わると、1人5票を持ち、自分以外の5人に投票してもらいます。開票の結果、最も票を集めたのは「VR教学」でした。

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 この子のスピーチが迫力あるもので、みんなの心をつかんだのは、選ばれた大きな要因でした。心を掴むスピーチの裏側には、実体験がありました。この子はある日の理科の実験の授業を休んでいて、おがくずを使った水の対流実験ができなかったことがあります。でも、その時に、タブレットで撮影した、実際の実験映像を見て、水の対流の仕方を学習しました。その経験が、この子のスピーチのアピールポイントとなり、また、この教科を学習することで、“学習者である子どもたち自身が得をする”ということが、投票をする子どもたちの問題としてストンと落ちたのだと思います。
 最後に、人気投票第1位のスピーチをもう一度みんなに聞かせ、自分のスピーチと再度比較させます。スピーチの感想を書いたあと、3時間にわたる5G授業の感想を書いてもらい、授業は終了しました。

 総務省の5Gの動画をスタート地点に、教科の必要性や学校の意味というところまで、授業が展開していくのは非常におもしろいと思いました。ICTはただ道具として便利に活用できるというものではなく、生活を大きく変えていく基盤となるものだということを考える、いい契機になる授業だと感じました。

 最後に、今回の授業を設計し、実践した、津下先生の感想コメントを紹介します。

 総務省の5Gの映像がとても素晴らしく、是非子どもたちに見せたい!と思い実践しました。日常生活で聞いたことがあったり,本年度の授業で体験したことだったり、それらのキーワードがたくさん出てきました。子どもはたくさんの内部情報をもっている、それを出し合い、新たな価値づけを行うところに、共に学ぶ学校の意味があると感じました。
 私たち教員や保護者は、「勉強は将来に必要で大切だから、やりましょう」とよく口にします。でも、ふと立ち止まってみると、その「必要さ」「大切さ」を、じっくりと、自分たちの問題として考えさせ、新たな価値づけを行うことはあまりないのではないでしょうか。学校では「国語」や「算数」を教えます。それだけでなく、なぜ必要で大切かを、自分や社会、未来や人生と関連づけて考えさせるがとても大切だと改めて気付きました。
 学習や行為の意味付けは、主体性を促します。この3時間、子どもたちはしゃべりっぱなしでした。子どもは大人が思っている以上に、社会の情報に敏感で、情報をたくさんもっていて、主体的で、瑞々しい感性をもっています。教える側、大人の論理ではなく、社会の現状を正しくとらえ、「君はどうしたい?」「君達ならどうする?」と投げかけると、大人では考えつかないような、鮮やかで豊かな答えが返ってきます。この純真さ、鮮やかさを大切に伸ばしていくこと。未来に対しては暗い話題が先行しますが、「この子たちなら明るい未来を創ってくれる」と、明るい展望を描かずにはいられません。
 本稿をご覧になられた方々が、一人でも多く5Gの映像を見てくださり、現在の知識をアップデートしてくださり、誰かにアウトプットすることで、明るい日本、明るい世界の展望が開けることを切に願います。


岡山県備前市香登小学校 津下哲也

 No.4に続きます。
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(為田)