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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

Amazonの先生向けサービス「Amazon Inspire」

教育ICT利用の目的 目的-6. 教材拡充 ニュース

 Amazonが先生向けのオンライン・エデュケーション・リソース(OER)プラットフォームとして、Amazon Inspireをスタートするそうです。

 さっそくアクセスしてみると、アクセスコードを入力して使えるようになるらしい。
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 動画だけをざっと見てみると、さまざまな教育コンテンツを簡単に検索することができる、というものらしいです。学年ごとに検索もできるし、教科ごとにも検索できるし、メディアタイプでも検索できるようです。メディアタイプでの検索は、電子書籍や動画や音声などなのだろうか。
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 TechCrunchの記事を読んでみると、サードパーティーからの教材の提供もあるようですが、基本的には先生方が作ったものを共有するプラットフォームにしたいようです。

Inspireを使う動機(インスピレーションとも言える)は、教育者はこれまで教材が得られるところを探していたことがある。また、自分が持っている教材を共有することもありうるだろう。「アメリカには1万3000以上の学区があり、そこの人たちと話した結果、何度も同じ話を聞きました。それは、自分たちで教材を作ったことがあり、また他の人たちも同じような教材を作っていることを知っているという話です」と彼は言う。しかし実際にそういった教材を見つけるのには細かい作業が必要で「サイトやブログを介してたどり着く」のだという。

教師は授業の教材を探すのに週に12時間ほど費やしているとAmazonは推定する。探す時間を削減できるのなら、そういった教師に訴求することができるだろう。「全ての教師にリソース面で貢献してもらいつつ、教師の教材を発掘する助けになれば、全国にいる300万人以上の教師のためにアクセスを広げることができるでしょう」という。


Amazon、無料の教材プラットフォーム「Amazon Inspire」のローンチで教育分野に参入 | TechCrunch Japan

 日本でも、教育委員会がこうしたデジタル教材をシェアしていこうというプラットフォームを用意しているのを知っているけれど、あまりうまくいっているところを知らないので、「すごい!」と素直に思えないのですが、うまくいくといいな。
 デジタル教材を探す人にはすごく便利なサイトになって、デジタル教材をアップロードする人はあまりいない、というふうになってしまいそうかな?と不安でもあります。アメリカではTeachersPayTeachersのように先生たちにもシェアの文化があるのかもしれないけれど、日本でうまくいくでしょうか。
 それよりは、良質なコンテンツをサードパーティーが提供してくれればいいな、と思います。コンテンツの質が上がって、圧倒的な量を得て、それが簡単に検索できる、というふうになればユーザーが増えていくと思います。まずユーザーが増えないと、プラットフォームとして多く使われるようにはならないと思うので。

jp.techcrunch.com


 まずはどんなふうなのかを見てみたいので、ユーザー登録して、アクセスコードが送られてくるのを待ちます。数週間かかるのか…。どんなのが出てくるのかな。
 幼稚園からK-12までが対象学年だそうなので、小学校英語で使えそうな教材も検索できるかもしれないですね。
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(為田)

良いエンターテイメントは学びのエントリーになり得る

きっかけは「聖闘士星矢ギリシャ神話に人生捧げる藤村シシンさん

 ひょんなきっかけで知ったライターの藤村シシンさん。聖闘士星矢を入口にして、古代ギリシャに興味を持って、そちらに進まれた方だそうです。

 Togetterでまとめられていたのを読んで、ものすごく興味を持ちました。
togetter.com

 インタビューも読むことができます。きっかけは「聖闘士星矢」ギリシャ神話に人生捧げる藤村シシンさん
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withnews.jp

 藤村シシンさんの著作も読んでみたいな、と思います。

古代ギリシャのリアル

古代ギリシャのリアル

良いエンターテイメントは学びのエントリーになり得る

 良質なエンターテイメントが、学びのスイッチになるという良い手本じゃないかと思い、紹介しました。どんなスイッチが押されて、それが人生にどう影響を与えるか、というのは本当におもしろいな、と思います。
 最初は、マンガを読んで楽しくって…でも何でもいいと思うのです。そこで興味喚起をされて、そこから次にどんなふうに学びを深めていくか、学びを自分のものにしていくか、が大事なことだな、と思います。

 僕が習った古典の先生は、「とりあえず、源氏物語は「あさきゆめみし」で読んでおけば…」と教えてくれたりしたなあ。

 僕自身も、コーエイのゲーム「信長の野望」や「三國志」があったから、歴史に興味が持てて、ゲームがおもしろかったから歴史のマンガや原作の小説を読んで、文章を読めるようになって、長い文章を読めるようになったなあ、と思っています。

三國志13

三國志13

三国志 (新書版) 全60巻 (希望コミックス)

三国志 (新書版) 全60巻 (希望コミックス)


 以前、コーエイの方と一緒にお仕事をしたときに、「僕は信長の野望三國志があったからこそ、今の自分があります」と言ったら、「そうおっしゃってくださる方は多いです」と言ってましたので、エンターテイメント出発で学びの楽しさに触れている人、多いんだろうな。

(為田)

教材で使えるかも?: SpaceXのロケットがドローンシップに着陸!の映像

教育ICT利用の目的 目的-1. 興味喚起 目的-6. 教材拡充 使えるかも?

 YouTubeで、SpaceXのロケットが、海上の小さなドローンシップに着陸してくる様子を見ました。ニュースで知ってはいたものの、こうして映像で見ると本当にすごいな…。
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www.youtube.com


 360°で見られますので、ドラッグするとぐるぐると視界が動きます。見上げる感じでロケットを待つとなかなかSF感があります。
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www.youtube.com


 現在の科学技術の最先端が見られる映像だと思います。YouTubeSpaceXのチャンネルを登録しておくといいかなと思います。
www.youtube.com
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 こうした動画が簡単に見ることができるのは本当にいいなあ、と思います。子どもの頃に見ていた、スペースシャトルはもうないし、宇宙開発はひさしぶりにこうして最新情報に触れると、全然違っていてびっくりします。
 ぜひ、理科の先生にこうした動画を見せてもらって、「これからはこうしたことが可能になる!社会はこう変わっていく!」って熱く語ってほしいですね。そうした熱が、子どもたちのスイッチを入れていくと思うのです。そのためのネタとして、こうした動画があればいいかな、と思います。
 授業で見せられたらいいな、と思ったのです。再生時間もたった30秒ちょっとですから、授業の導入として、すぐに見せられます。ただ、たった30秒だからこそ、「そのためにわざわざプロジェクタにつなぐのも…」という意見もあるでしょうね。環境が整備されないと、このあたりは難しいかな、とは思うのですが。それでも、先生方にこうした最新の動画を教材にして、熱い授業をしてほしいです。

(為田)

ICTを活用した英語教材が楽しみです(内田洋行+mpi松香フォニックスと桐原書店+EnglishCentral)

教育ICT利用の目的 目的-4. 授業効率化 目的-6. 教材拡充

 内田洋行、小学校英語の「短時間学習」に対応したコンテンツ「小学校英語 SWITCH ON!」を提供開始というニュースリリースが6月17日に出ました。ベースになっているのが、平成26年~27年に、大阪府教育庁と株式会社mpi松香フォニックスが共同で開発してきた「大阪府公立小学校英語学習6ヵ年プログラム」(「DREAM」)をベースにしているということです。
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 mpi松香フォニックスのサイトで、教材の詳細が紹介されているサイトがあり、そのなかでフォニックスの動画へのリンクも貼られています。フォニックスを教える教材を使って、小学生を教えていたことがありますが、すごく発音がきれいになったので、それ以来、僕はフォニックスはぜひ教えてほしいと思っていました。
www.youtube.com

 フォニックスを活用した学習というのは、ICTと非常に相性がいいと思っています。何度も何度も単語を聴き、発音するということが必要だからです。先生に何度も何度も、同じ単語を飽きずに発音してください、というのは、生身の人間にとってはやはりモチベーションが下がるものだし、そもそも非ネイティブな日本人の先生にとっては、発音が万全かどうかというのも自信がないという人も多いと思います(けなしているわけでは決してなく、当たり前のこと)。だから、そこはデジタルデータで完璧な発音を何度も何度も聴けるようにしておく、というのは学習的にも非常に意味があると思っています。
 これだけだと、「CDでもいいんじゃないだろうか?」とも思えます。しかし、CDでは結局、クラス全体で同じ進度にならざるを得ず、練習時間をそう大きく伸ばせないと思います。一人ずつが、自分のやりたいだけ何度でも練習ができる、そうした環境を作るためには、やはりICTでコンテンツ化して、個人個人がそれを学べるようにすることが重要だと思います。

 今回の「小学校英語 SWITCH ON!」については、音声認識機能がついているのかどうかまでは書かれていません。先生のファシリテーションを強める、という意味合いが強いのかな、とも思います。


 フォニックスをするのであれば、「聴く」ともうひとつ、自分で「話す」「発音する」方も練習できれば四技能を習得するためにもなおいいので、音声認識機能もつくといいと思っています。そうした方向では、高校の教材となりますが、桐原書店とEnglishCentralとの協業による4技能型オンライン自主教材の方向性に、僕は非常に共感しています。
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「話す英語」の需要が高まる一方、その中で中等教育英語の現場では、効果的なリスニングやスピーキング指導を行える人材の不足という課題を抱えています。

本教材では、単語テストや穴埋め問題などによる「英語を読む・書く」指導はもちろん、教材内容の音声読み上げや独自の音声認識技術を用いた発音診断を用いることで「英語を聞く・話す」指導を行うことができます。

従来型の英語の授業に、本教材を組み合わせることによって、リスニング・スピーキング指導が行える人材不足という、英語教育現場の課題を解決します。


EnglishCentralとの協業による、4技能型オンライン自主教材リリースのお知らせ

www.youtube.com


◆ ◆ ◆

 僕も実際に、EnglishCentralを使って練習を(ちょっとだけ)していますが、コンテンツもいろいろだし、発音を真似て、それが採点される、というのが思いの外おもしろい(笑) 小学生が楽しんで発音診断に取り組んでいる様子も何度も見ているので、こうした方式のコンテンツも小学校英語にあればいいな、と思います。
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 これらだけでなく、Skype英会話なども含めて、さまざまなコンテンツが小学校英語に入ってくることは、小学校の先生方にとって、“強い味方”になることだと思います。先生方の仕事をとるものではなく、逆に先生はクラスの児童生徒のモチベーションを上げる部分やファシリテートする部分に注力する、という方向になってほしいです。そのためにも、先生方にどんどん使ってみてほしいですね。まず自分でやってみて、「ああ、こういうことか…」とぼんやり理解していくこと。そこからスタートで十分だと思います。
 一人1台PCやタブレットをもって学習しなければならないわけで、環境が整備されるかどうかはまだこれから取り組まなければならない問題ですが、ぜひ広がっていってほしいと思います

(為田)

【アイデア募集】 さかのぼって撮影できるビデオは、学校現場で使えるか?

使えるかも? 教育ICT利用の目的 目的-6. 教材拡充

 先日、打ち合わせをしている中で、「さかのぼりビデオ」というアプリの話が出ました。話によれば、録画ボタンを押した瞬間から、さかのぼって録画ができる、というものだそうです。

さかのぼりビデオLite

さかのぼりビデオLite

  • Sakanobori.com
  • 写真/ビデオ
  • 無料
さかのぼりビデオ

さかのぼりビデオ

  • Sakanobori.com
  • 写真/ビデオ
  • ¥360


 インストールしようとレビューを見ると、「数秒前の映像を録画する」と書かれています。
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 ビデオ撮影をずーっと回すのでなくて、いいシーンを撮影!ってしたときに、その前まで録画できるというのは、おもしろいと思いました。
 学校で使ったらおもしろそうかもしれないな、と思って、アイデアをいくつか下に書いていきたいと思います。

  • 体育の時間で行う、ポートボールやラインサッカーやバスケットボールなどの試合を、児童がiPhoneiPadを構えてずっと撮影して、いいプレイには前段階があるんだよ、とみんなでレビューするのに使うといいかと思います。
  • 部活で試合シーンを撮影するといいかな、と思いました。例えばゴールシーンで録画を開始すれば、その前の何秒化が撮影できます。そうしたら、ゴールまでのパスの回し方やポジションのとり方などまで録画でき、後で繰り返して見えるようになると思います。崩しのプレイを取り逃して先輩に怒られる、とかもなくなりそうですね。
  • 校外学習で、鳥が飛び立つ瞬間とか、何かが起こる瞬間とかを撮影するというのもありでしょうか。
  • 総合学習の時間などで、“良いコミュニケーションができていると思った瞬間を撮ろう”とかやってみたら、良いコミュニケーションの前段階が撮れて、みんなでそれをレビューしたりもできるでしょうか。


 うーん、他に何かないかな…。この、「今まで撮れなかったものが撮れる」というのが本当におもしろいと思ったのですだけど、それが学校現場だったらどんなふうに使えるのだろうか?と考えるとなかなか難しいですね…。

 先生方だったらアイデア浮かぶだろうか…。もし、「こんな使い方、おもしろそうだからやってみたい」というアイデアがありましたら、ぜひ教えて下さい!Blogのコメントでも、Facebookのコメントでも結構ですので、よろしくお願いします。

(為田)

教材で使えるかも?: イギリスのEU離脱 国民投票についてのあれこれ

ニュース 教育ICT利用の目的 目的-6. 教材拡充 使えるかも?

 本日、イギリスでEU離脱を問う国民投票が実施されました。今日は大阪の常翔学園中学校・高等学校を訪問して、授業を見学していたのですが、ランチを一緒に食べているときに、すでに「離脱がほぼ確実」と報道されていたので、実はびっくりしていました。


 そして、出た結果は「離脱」。その結果、キャメロン首相が辞任を表明したそうです。スピーチがTelegraphのサイトで見られます。簡単な英語でよくわかる英語だと思います。
www.telegraph.co.uk
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 また、結果を受けてのEUのトゥスク大統領の記者会見もEUのサイトで見ることができます
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 将来、このイギリスのEU離脱の事実が、どんなふうに学校で語られるのかと興味があります。お昼に先生方と話をしていたときには、「社会の先生や英語の先生は、リアルタイムの教材として使うかもしれないですね」ということでした。注目して見ていきたいと、思いますね。
 僕が学校で習ったEUは、「イギリス・ドイツ・フランスら大国が結びついて、ヨーロッパを安定させる」というイメージでしかなく、ユーロには参加しないんだなあ」とは思っていましたが、イギリスがEUを離脱するなんて自分で考えたこともなかったということに、我ながらびっくりしました。

 そう考えていたところで、Twitterでイギリスの様子を伝えている、めいろまさんのTweetまとめがあったので、読んでみたら、思っても見なかったイギリスのEU離脱の理由が書かれていて、こうしたことを考えても来なかった自分を反省しました…。
togetter.com

 こうしたところをディスカッションする授業があったら、おもしろそうです。基礎知識は反転授業で入れて、じっくり教室でディスカッションをしたり、強制的に離脱派残留派に分けてディベートをしたり、というのもおもしろいかな。
 日本に置き換えて読んでみたら、日本も同じような選択をするかもしれないなあとかも思うので、18歳選挙権の話と絡めて高校生くらいでやってみてもいいのではないでしょうか。

 個人的に、学生時代からEUの試みにすごく共感をしていたし、うまくいってほしいと思っていたので、今回のイギリスのこの決定のあと、ヨーロッパがどうなっていくのか、非常に興味があります。

(為田)

プログラミング教育必修化ー学校現場はどう対応する? 取材レポート 小中交流会@小金井市立前原小学校(2016年6月13日) No.4

プログラミング 取材

 2016年6月13日に、小金井市立前原小学校(松田孝校長)を訪ね、学校で行われる“小中交流会でのプログラミング授業とそれを巡る協議会”を取材させていただきました。この小中交流会は、前原小学校の近隣の小中学校の先生方を招いて、授業公開、分科会でのディスカッション、全体会を行うというものでした。

 第4回は、最後の全体会の様子をレポートします。全体会では、最初にそれぞれの教室に分かれて実施した分科会の議論を共有しました。その後で、松田校長による「プログラミング教育必修化をめぐって」というタイトルの講演が行われました。

分科会での議論の共有

 最初に、分科会での議論の共有が行われました。以下、メモを公開します。

  • プログラミングの授業で、iPadをはじめて4年生が使っていた。遊びの中から学べるので、楽しく取り組めていた。細かな取り決めなく、自由に始められるのがいいと思う。
  • 授業者の方も、表現・描くことが苦手な子も、今日は活躍していたと評価していた。
  • 教科の理解を深めるツールとしてiPadを使っていましたが、プログラミングが必修となると、小学校から中学校へどうつなげていくのかという意見が出た。
  • 教員が教えるのではなく、動画を見て分かる子がわからない子を教える授業スタイルに驚いた。
  • ゲームと混同しやすい題材なので、どこまで指導すべきか?攻撃的になってしまう、中での言葉遣い、など。
  • プログラミングの学習で、最終的にどこを目指していくのか、という意見もあり。
  • iPad、教員向けの研修はどうなっているのか?
  • 授業の目当てとしては「プログラミングに親しむ」ということでできていた。
  • 導入のBB-8でつかめていた。
  • 映像を見せるだけで、「やってみて」というのは…
  • 知識が後になってしまう。x座標、y座標などは学習でまだやっていないのに、先に出てきてしまう。
  • 細かい技術を教える時間が増えてしまう。
  • 中学校の技術で発展的なものができればいいという意見あり。どんなアプリがあるのか?
  • 全体的には、話し合いが活発だった。
  • 小学校中学校のつながりが難しい。どの教科に入っていくか?算数、技術、数学などに入ってくる?
  • 教師のファシリテーターとしての役割として、子どもがどこの段階まで進んでいるのかが見えにくいので、難しいという意見あり。

 これらの分科会の議論をうけて、司会をされていた先生が、質問内容をまとめてくださいました。全部で11個。今回の小中交流会の中では、すべての質問に答えられたわけではありませんが、これからもこうした地域の小中連携のなかで、議論を重ねていけば、プログラミング教育を含め地域全体の教育力が上がっていくのではないかと思いました。

  1. 小中のつながり
  2. 校内のICT整備について
  3. ゲーム性のあるものについて、どこまで指導を入れるべきか?
  4. ねらいやめあてについて
  5. 教員向けの研修
  6. 日常的なタブレットの管理の仕方
  7. アプリについて
  8. タブレットの操作が苦手な子への個別の支援
  9. プログラミング的思考とはどういうものか?
  10. ロイロノートなどアプリでの不具合が起きた時は?
  11. 評価の観点と評価の方法

プログラミング教育必修化をめぐって

 いよいよ、松田校長の講演「プログラミング教育必修化をめぐって」がスタートしました。以下、松田校長のプレゼンのメモをまとめていきます。
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  • 有識者会議で方針がまとめられ、これから中教審、学習指導要領改訂、という流れになります。そのなかで、授業実践を示せたことはいいこと。
  • 質問にもあがっていたが、こうした点を議論しながら、必修化を迎えたいと思う。
  • いちばん大事なのは、学校現場(教員)がユーザーではなく、課題に対してどうクリエイティブにデザイナーとして関わるか。
  • 今日出た質問を、皆さんと一緒に考えていく。そして、小金井市が全国にさきがけて学校現場発のプログラミング教育と授業の事実を発信すればいい。

 まったくその通りだと思います。こうして地域ぐるみでムーブメントが起こってくることは非常に大切です。そのなかで、参加者の多くが疑問に思っているだろうことを、先に松田先生から言いました。

  • いちばんは、「本当にできるのか?」ということ。今日の授業は、そうした声に対する、現場からの一つの回答。→指導者がネック。
    • 「時間数&実施教科などは各学校で決定」となっている。ちょっと詳しい先生がやって終わり、にならないように。
  • 誰がやるか?当然、教員が担当する。プログラミング教育をしている人が外部から来て…というケースもあるが、教員がやるべき。
    • 積み重ねてきた授業観を変えること。Change Mindset(=マインドセットを変えること)が大事。ファシリテーターは、外部のプロよりも授業のプロである先生の得意なところ。そこに先生のプロとしての力が求められる。
    • 指導観、授業観、教育観を変えるきっかけに。

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 実際に授業公開の様子を見ても、先生が“教えている”のではなく、“ファシリテートして”いたでしょう?と松田先生は問いかけます。プログラミングの知識をただ教えるだけなら、外部のプロでもできます。でも、子どもたちの様子を見て、一人ひとりにあったスタイルで声をかけて励まして、チャレンジさせて、クラス内で協働関係を作り出すのは、授業のプロである先生だからこそできることだと思います。
 だから、松田先生は、「Teacher→Fascilitatorの自覚」が必要だ、と説きます。
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  • 子どもの未来に責任感をもつ時代認識が重要。20年後、どんな時代になっているか?
  • 2020年には、すでに次の動きが出てきていると思う。これまでだったら、附属校や実証研究校などで実践し、研究会、発表会でモデルを示され、一般校はそれを真似してやってみる。これまでと同じように教員がそれからやってみる。ユーザーとして関わっていてはダメ。
  • 「トラブルを恐れて使わない」のではなく、「ダメだったら次の方法を考える」ことが大事。AppleTVが繋がらなくなったら、ケーブルを繋ぐ。トラブルシューティングをすればいい。
  • マニアックに高度で専門的にやりたい子どもたちは、塾で学ぶことができる。それは、好きな子がグッと入っていくから。そうした子がいることを踏まえながら、30名くらいで学ぶこと。それが学校で行うプログラミングの授業。

 こうした言葉は、松田先生の経験から生まれたことだと思います。こうしたベースの上に、みんなが自分で考えていけばいいのだと思います。正解はないので、学校現場の先生、保護者、地域みんなで考えることが重要だと思います。


 ここで、松田先生は、プログラミング言語のなかでも、ブロックを組み合わせたりしてプログラミングができる、ビジュアル言語の系統について説明しました(系統図を、松田先生にご快諾いただき掲載します)。
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  • 現状、塾などでも36%がScratchを使っている。今回の4年生の公開授業では、その前段階として、Scratch Jr.を使った。低学年、未就学児でも十分使えると思う。
  • 小学校5年~6年は、ノートPCでいいかと思っている。それまでは導入でiPadでいいと思う。
  • プログラミングは、新しいことを学ぶきっかけにもなる。座標、マイナス概念など、子どもたちはプログラミングのなかで身につけていく。使いたいと思うから、自分で学ぶ。そうしたものは学年を飛び越えてやるべき。
  • もう教えなくていい。基本的な説明ならば、動画を見せておけばいい。動画を見ている様子を見て、そこから次にどうするかを考えるのが、先生の仕事。

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 簡単に始めることだってできます。パソコン室でできるプログラミング言語だってあります。ScratchやHour of Code、Viscuitであれば、パソコン室でできるのだから、触ってみたらいいと思います。子どもたちにも触らせてみたらいい、と松田先生は説きます。
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 また、プログラミングをしているうちに盛り上がって、言葉遣いの問題などが出たらどうすべきでしょう?という分科会での質問に応えて、「言葉遣いの問題、取り上げればいいと思いますよ。授業で取り上げて、「死ね」はやめよう、と話しあえばいい。」と。まさに、こうしたやりとりこそが、一人では学びにくいところであり、教室でクラスメイトと学ぶ、学校のいいところだと思います。

 最後に松田先生は、もう一度、「誰がプログラミング教育を教えるのか?」という最初の問いに戻り、「私達がやります!!!!プロですから」と言っていました。本当にその通りだと思います。学校だからこそ、先生だからこそ、できることがある。公立学校だってできるっていうところを見せてやる、という勢いを感じる講演でした。
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 松田先生の講演の締めは以下の言葉でした。

これから、いろんな議論がされる。文科省は事例集を作るだろう。PC教室でできるから、まず自分たちでやってみましょう。そして、小金井が全国へ発信していきましょう。全国のモデルになる、日本の教育を変える学びの姿を作っていきましょう。

 この1回の講演会で、一気に小中交流会に参加してくれた先生方が変わるとは思いません。今回がスタート地点だと思います。小金井市は8月に前原小学校を会場にして、プログラミング教員研修を実施して、今日紹介したプログラミング言語を、2時間、体験できるワークショップを開くそうです。そしてまた、授業を公開し、交流を深め、そうしていくことで地域の教育力が上がっていくと思います。
 また、プログラミング教育をする過程での、「ティーチャーでなく、ファシリテーターになれ」という変化は、一般教科にも波及していくものなのではないかと思います。前原小学校、そして小金井市での教育ICTの動きに、注目していきたいと思います。

夏に松田先生と一緒にワークショップを開催します

 この夏、プログラミング教育必修化を受けて全国各地で子ども向けのワークショップなどが数多く開催されます。21世紀を切り拓く素敵な「学び」を多くの子どもたちに体験してもらいたいと思います。しかしプログラミング教育の当事者である学校現場での議論は全くと言っていいほど盛り上がっていません。学校で直接に子どもと関わっている先生方にも是非、プログラミングについて触れる夏休みであってほしいと願っています。教育委員会など官製の教育研修でプログラミングに関わる講座を開設するところはあるのでしょうか。
 松田先生と話をしていて、先生方や研修を担当する行政(教育委員会)、さらには意欲ある子どもを受け入れるプログラミング教室の方々、もしかしたら保護者の方々をも対象に松田先生がこれまで培われてきたノウハウをお伝えし、プログラミング教育必修化を受けて学校現場、子どもに関わる人々の議論を巻き起こしたいと思うようになりました。

 そこで夏休みに、「プログラミング教育必修化-指導者のためのプログラミング研修講座(2学期から実践するために)」を開催しようと松田先生と企画しています。内容は①松田先生の模擬授業、②ビジュアル言語の体系と年間指導計画、③Facilitatorとしての教師の役割、④子どもがプログラミングに集中する理由(わけ) - Gamification(ゲスト:東京大学 大学総合教育研究センター特任講師、Ludix Lab代表 藤本徹先生)、⑤各種プログラミング体験等を検討しています。日程は8月4日(木)を予定しています。詳細は近日中にアップしますので、楽しみにお待ち下さい。是非多くの方々の参加をお待ちしております。
 皆で、学校現場を盛り上げプログラミング教育が真に21世紀を切り拓くAmazingな「学び」になるよう、今回のチャンスを活かしていきましょう。協賛いただける方々は為田まで、ブログのコメント欄、Facebookなどで、ご連絡ください。至急!(笑)よろしくお願いいたします。

(為田)