教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

平塚市 学習指導要領の改訂に向けて小学校にタブレット端末を導入

 神奈川県平塚市の落合克宏市長が、11月定例視聴記者会見にて、「学習指導要領の改訂に向けて小学校にタブレット端末を導入」と談話を出しているそうです。以下、平塚市のサイトから引用です。

11月定例市長記者会見 学習指導要領の改訂に向けて小学校にタブレット端末を導入します

 12月1日からセルラー方式のタブレット端末を小学校10校に520台、教育研究所に貸出用として110台、合計630台を導入いたします。従来、パソコン教室で行われておりましたICT学習が普通教室でできるほか、校庭や体育館で体育の運動の様子を撮影したり、校外で動植物を観察したり、すぐにインターネットで調べたりと場所にとらわれず利用できるようになります。
 また、平成32年度から実施されます新学習指導要領では、プログラミング教育が導入されます。そのため、プログラミングソフトウェア教材の使用など情報教育に活用することで、子どもたちの学習への関心・意欲が高まることが期待されます。今後、既存のパソコン教室の機器の更新に合わせまして、平成34年度までに市内全ての小中学校に導入してまいります。

11月定例市長記者会見 学習指導要領の改訂に向けて小学校にタブレット端末を導入します | 平塚市

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 まずは、12月1日から小学校10校に520台のタブレット端末が配備されるそうです。単純計算だと1校あたり52台。1クラス40人の児童に1台ずつで40台、予備機と先生機で12台、というような使い方でしょうか。セルラー方式だそうなので、学校内のどこでもネットに接続可能です。また、社会見学や修学旅行のときに持っていくことも可能になります。
 平塚市の小学校は28校、中学校は15校。今年度=平成29年度は小学校10校、来年度=平成30年度に全中学校15校(中学校に配備完了!)、平成32年度に小学校9校(19校)、平成34年度に小学校9校(全小学校に配備完了!)という計画で、小中学校43校で2300台の配備予定とのことです。
 小学校と中学校での接続をどのようにするのかなど、気になる所です。タブレット端末を使って実際にどんな実践をするかなどは、このページからは見えなかったので検索をしてみたら、ダイワボウ情報システムさんの教育ICT(初等・中等教育)ソリューションのページで授業例 平塚市編が紹介されていました。プロジェクター、タブレットPC(ジャストスマイル)、教師用PCを使っている様子が紹介されていました。

 配備される台数だけでなく、「学習指導要領の改訂に向けて」と方向性をしっかり市長さんが述べているのが素晴らしいな、と思っています。公開授業などあれば、見に行きたいと思います。

(為田)

【イベント情報】「Sesame Street in 熊本」完成試写会&パネルディスカッション(2017年12月10日)

為田が参加しているセサミストリート日本事務局が展開している、「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」についてのエントリーです。

 6月に熊本を訪問し、小学校でのワークショップラジオ出演などをしたことは、以前にもエントリーを書きました。そのときに撮影した「Sesame Street in 熊本」が完成し、試写会をTED x KUMAMOTO 2017のなかのアクティビティとして開催します。
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 「Sesame Street in 熊本」には、セサミストリートのコンテンツやキャラクターを使って展開する教育プログラム「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」*1を、熊本の子どもたちとそのご家族向けに紹介した様子が収録されています。
 また、試写会後に、セサミストリート・ティーチャーとして為田がモデレーターとなり、ファイナンシャル・エンパワーメントの必要性と、それが人々の人生にもたらしうる重要なインパクトについて、パネルディスカッションを行います。

  • 日時:
    • 2017年12月10日(日)10:00〜12:00
  • 内容:
    • Sesame Street in熊本」完成試写会
    • パネルディスカッション「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」
  • 場所: TEDxKumamoto2017
  • 参加費:
  • パネリスト:
    • 井手 文雄(益城町立広安西小学校 校長)
    • 政木 ゆか(ましキッズプレイヤーず 講師)
    • 長岡 学(セサミワークショップ バイス・プレジデント 日本代表)
  • モデレーター

 予告編動画も見られますので、ぜひご覧ください。エルモと一緒に熊本市内で撮影したのがなつかしいです。
www.youtube.com

(為田)

*1:メットライフ財団より助成を受け、セサミワークショップが世界各国で展開するもの。日本では2016年9月に立ち上がり、以来、全国各地の小学校などでワークショップを実施しています。

やってみた: iPadの音声入力で英語の発音練習

 先日見学させていただいた同志社中学校の英語の授業で、iPadの音声入力機能を使って、発音のトレーニングをしていました。教室で見ているときから、やってみたくてしかたなかったのですが、東京へ戻ってきてからさっそくやってみました。

 iPadの設定画面を開き、「一般」→「言語と地域」を選んで、iPadの使用言語をEnglishに変更します。
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 これで、iPadの使用言語が英語に変わります。そんなに時間もかかりません。
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 そして、メモアプリを開きます。iPadの使用言語を英語に変えたあとは、アプリはNotesという名前に変わっていますので、Notesを開き、キーボードの下にあるマイクのボタンをタップして、英文を読んでいくと、音声が認識され、どんどん文章が現れます。

 NEWSWEEKのそのときのトップ記事を選んで、実際に読んでみました。

Can Facebook be regulated in a way that ensures it won’t be manipulated by Russian government forces trying to affect American elections?

Can Congress Keep Russia Off Facebook? Bill Aims to Force Disclosure for Political Ads

 上の文章を読んだ結果が下のとおり。まずまず、読めているかな…?と思ったら、そもそも最初の「Can」からしてきちんと認識されていない。意識してもう一度読み直してみようか、と思わされます。
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 ちなみに、iPadの使用言語が日本語のままだとどんなふうになるだろうかという実験もしましたが、なんだか非常におもしろい文章になりました。
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 非常に簡単に発音練習ができそうです。また、「発音したものがきちんと入力されるか」ということが、なんというかチャレンジ精神を盛り上げてくれるので、意外とおもしろいです。文字を読める中学生以上は、こうした練習の仕方もいいと思いました。

(為田)

【小学校の先生・保護者様向け】デジタル世代の新基準DQアンケート調査

 先日発足した、イノベーティブな校長ネットワークのキックオフをさせていただいた、Edvation x Summitのスタッフだった慶應義塾大学の石山さんが、シンガポールシンクタンクDQ Instituteのお手伝いをされていて、DQについてのアンケート調査をしているということで、紹介をしたいと思います。

DQとは何か?

 DQ(Digital Intelligence Quotient)は、DQ Instituteが開発した指標で、「デジタル知能指数」と考えればいいでしょうか。これからの社会では、IQ(intelligence quotient、知能指数)やEQ(Emotional Intelligence Quotient、心の知能指数)以上に、DQが欠かせない時代になると言えるでしょう。DQとは、デジタル世界で自己実現をするために必要な知識、スキル、姿勢、価値観などを含んでいます。

DQスクリーンタイム調査」へのご協力のお願い

 現在、DQ Instituteでは、世界中の8歳から12歳の子どもたちのデジタルへの関わり方やスクリーンタイム管理能力を理解するためのアンケート「DQスクリーンタイム調査」を世界20ヶ国で実施しています。
 ぜひ、関心のある先生方/保護者の皆様にこのアンケートにご参加いただければと思います。8歳から12歳の子どもたちに59項目の質問に答えていただきます。僕も、10歳になる自分の息子にやってもらいましたが、所要時間はだいたい30分くらいでした。ただし、設問の内容がやや難しい部分がありますので、先生/保護者がついてやるほうがいいかもしれません。訊かれた内容は、デジタルに触れている時間や習慣などについての質問、「スクリーンタイム」や「マルチタスク」についての質問、オンラインでの安全やセキュリティなどについての質問がされます。
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 この調査に協力することで、以下のようなメリットがあるそうです。

  1. 1校で100サンプル以上集められた場合、児童のDQスクリーンタイムスコアやデジタル使用の傾向、サイバーリスクの可能性などを自国や世界と比較した、DQ School Report(約50ページ)を受け取れます。
  2. 日本全体で1000サンプル集めると、2018年のダボス会議で日本のDQレベルが取り上げられます。また、日本の政府向けにもDQ National Reportが発行されます。
  3. 現在日本語リリースの準備を進めている、DQを高めるためのオンライン学習プラットフォーム(DQ World)を優先的にご案内します。このオンライン学習プラットフォームを使って、8-12歳の子どもたちは、未来を豊かに生きるために必要なデジタル・シティズンシップを習得できます。

 以下が児童にやってもらう調査のURLです。期限は2017年12月10日です。結果として、世界20カ国のなかでの比較ができる指標が出ますので、ぜひご協力いただければと思います。
jp.surveymonkey.com

 もしも、ご不明な点や質問などありましたら、石山さん( masamiishiyama2017@gmail.com )に直接コンタクトしていただくか、あるいは為田まで本ブログやSNSなどでコメントいただければ、石山さんにつなぎます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

(為田)

小金井市立前原小学校 校内研修 レポート まとめ(2017年8月30日)

 2017年8月30日に、小金井市立前原小学校の校内研修に、松田孝校長先生からお招きいただいて、参加してきました。松田先生が最初に話をしてくださった今回の研修テーマは、「個性的、個別的な学び」でした。「個性的、個別的な学び」を実現するために、必要な情報やスキルなどについて考える一日となりました。
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 この日の研修は、全体で3部構成になっていました。最初は、「イエナプラン教育概要と個別学習」と「ブレンディッド・ラーニング」の2つの講演。次に、学びの個別化を実現する3つのサービス「eboard」「やるKey」「Qubena」の説明会。最後に、Q-Uアンケート(子どもの学級満足度調査)の分析と活かし方についての研修でした。全5回でレポートしましたので、お読みになってない方はぜひどうぞ。

blog.ict-in-education.jp

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(為田)

【イベント情報】 先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台を2コース開催!(2017年12月16日)

 2017年12月16日(土)に、先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台を開催します。2020年から必修化する小学校でのプログラミング教育に備えるため、小学校現場でのプログラミング教育の実践を知り、体験してもらうためのセミナーです。
 「プログラミングを教える先生たちにもワクワクしながら学んでもらおう」と、小金井市立前原小学校の松田校長先生とフューチャーインスティテュート為田がタッグを組んで開催する、先生向けの冬期講習会です。会場はNTTドコモ東北支社の会議室をお借りします。

 8月に行った夏期講習会に続き、今回はプログラミングを中心にして【低学年編】と【フィジカルコンピューティング編】の2コースを開催します。
 【低学年編】では、コンピュータを使わずにプログラミングを行うアンプラグドを含めて、低学年向けのプログラミングの授業事例を紹介し、実際に体験していただけます。
 【フィジカルコンピューティング編】は、「フィジカルコンピューティングで遊ぶ ― 前原小6年理科を追体験!」と題して、小金井市立前原小学校の6年生理科の授業を体験してもらい、フィジカルコンピューティングの先端事例に触れていただけます。

 お申込みは、Peatixのページからお願いします。【低学年編】と【フィジカルコンピューティング編】のどちらにも参加される方には、割引チケットを用意させていただきました。

ptix.at

ptix.at

 これから「プログラミング教育、どんな感じだろう…」という方、「授業でやっていることを体験してみたい」という方、ぜひ起こしいただければと思います。
 会場でお会いできるのを楽しみにしています。
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(為田)

書籍ご紹介: 尾原和啓『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』

 尾原和啓『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』を読みました。この本では、30代のあたりを「乾いている世代」と「乾けない世代」の分かれ目としています。自己成長と社会貢献がつながっていた「乾いている世代」と、そうではない「乾けない世代」の違いはおもしろいです。これから学校を卒業して社会へ出ていく日本の学生/生徒/児童たちは、「乾いている世代」に入るということになります。世代の断絶があるということを知っておくことは非常に大切だと思います。


 時代も変化してきています。第3章 異なる「強み」を掛け算する最強チームの作り方のなかで、「VUCA」の時代という言葉をを尾原さんは紹介します。

しかし、時代は変化することが当たり前となりました。昨今の米国では、このことを「VUCA」の時代と呼んでいます。これは米国軍事大学が提唱しはじめた造語で、
Volatility(変動が大きく)
Uncertainty(不確実で)
Complexity(複雑に絡み合い)
Ambiguity(曖昧)
な時代に突入したということです。

 そうした時代のなかで、人はどんなふうに働き、自己実現をし、幸せになるのでしょう。第4章 個人の働き方のなかで、ネットを使った新しいサービスであるAirbnbUberの話の流れで、尾原さんは以下のような言葉を書いています。

インターネットの世界では「信頼」が可視化されていくので、お互いに適度な迷惑をかけ合うことで、自由を広げていくのです。

 こうした文章を読むと、インターネットの世界(オンライン)で、どのように振る舞うことがいいのかという作法というか、インターネットの世界での自己実現の仕方を教えることが学校ではまだまだできていないと感じます。こうした現状があり、さらにこれからまた変化していく社会について、学校で何を教えるべきなのか。また、そのためにどのような機会を子どもたちに与えるべきなのか、考えていかなくてはならないと思います。もちろん、機会を作るためにハードウェア、アプリ、システム、ルールなどさまざまなものが必要です。
 どんな社会がやってくるのかをカリキュラムの中心に据えていくことは非常に大切なことだと思います。そのために、この本は「どんな社会」「どんな働き方」がやってくるのかを知るきっかけによいと思いました。

(為田)