教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

教材で使えるかも?:セサミストリート「Meet Julia(吹替版)」

 YouTubeセサミストリート公式チャンネルで、「Meet Julia・ジュリアの紹介(吹替版)」が公開されました。自閉症の特性があるキャラクター「ジュリア」が、初めてビッグバードに出会うエピソードです。
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 「みんな違う」ということをどう受け入れるのかということを学ぶ教材として活用できるのではないでしょうか。学校現場で先生方がこのムービーをどう使うか、ということについては、カリキュラムを開発中です。
www.youtube.com

▼参考エントリー
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(為田)

電子書籍の良さを先生と話してみた

 先日、学校の先生とお話をしていたときに、「電子書籍ってどんな感じなのですか?」という話になりました。僕はKindleを使っているので、その場でKindleの以下のようなところが好きです、という話をしました。

  • たくさんの本を持ち歩けること
  • 簡単にハイライトができること
  • ハイライトした箇所だけを一覧して見ることができること

 そして、もうひとつKindleの強みは、本を読めば読むほど、次のおすすめ(レコメンド)が用意されてくることだと思っています。最近は教育系の本が並ぶようになりました。学校の先生であれば、職員室で先輩の先生に「いい本ありましたか?」とか訊いて、それをAmazonで購入(KindleでなくてもOK)していけば、そこから芋づる式に次の本が薦められてくるという風になるのではないかと思います。
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 最初の1冊を誰か先達に薦めてもらったり、聴きに行ったセミナー講師や公開授業をしている先生の著書から読み始めたりすることで、どんどん次が見つかっていくと思います。紙の書籍であれば、参考文献のリストなどを使って読み進めていったのでしょうが、そこに他のAmazonユーザーの書籍の購入履歴を使うことができるようになります。

 Kindleでばかり読むようになるかというとそんなことはなく、書店にも変わらず行きます(重たいからKindleになってないかな…?と思ったりはしますが)。
 一人1台、児童生徒にタブレットを持たせている学校は、Kindleを入れて図書室機能の一部をKindleが担えたりするといいのになあ、とときどき思っています。学校アカウントでKindleが入っている端末を図書室に10台くらい試験的に入れてみたらどうなるのかとか、やってみたいですよねー。

  • 司書の先生の知見(うちの息子は小学校で図書室の司書の先生に本当にたくさんの本を薦められて読んでいます。本当にありがたいと思っています)+クラウドの知見ができる。
  • 図書室では1冊しか入らないだろう本は、1人が読んでいれば他の児童生徒は読めない。デジタルであれば同時に複数人数で読める。輪読みたいなものも可能になる。

 アメリカなどでありそうだけどな…と思って「kindle school library」で検索してみたら、Kindle Education: School FAQというページがあることを知りました。バルクで購入できてディスカウントなどがあるようですね。

 …あ、そもそも図書館で電子書籍を借りたりできるサービスもアメリカではあるようです。このサービス、使ってみたいな…。(AmazonのUnlimitedでバンバン借りられるようになれば、そもそも図書館の在り方が変わってしまいそうではあるけれど)
wired.jp

 学校の先生と電子書籍の話をしたことから、そんなことを考えました。

(為田)

国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018 セミナーレポート No.3(2018年2月3日)

 2018年2月3日に、国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018に参加してきました。テーマは、「新学習指導要領で求められる学びを体験する ~デジタル教科書で実現する主体的・対話的で深い学びとは~」でした。
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 プログラムの最後は、「タブレット端末環境と学習者用デジタル教科書を使った主体的・対話的で深い学びとは」をテーマにしたパネルディスカッションでした。コーディネーターは放送大学の中川一史先生、パネリストはNPO法人CANVASの石戸奈々子さん、金沢星稜大学の佐藤幸江先生、筑波大学附属小学校の青山由紀先生、光村図書出版の黒川弘一さんでした。

 パネルディスカッションのなかで、おもしろかったコメントのメモを公開します。その場でとったメモなので、誤解・聞き間違いなどありましたら、為田の責任です。

タブレット端末環境とデジタル教材を教育で使う意義は?

 最初に「タブレット端末環境とデジタル教材を教育で使う意義は?」と中川先生から話を振られた、石戸さんの返しのコメントです。

  • もう「タブレット端末環境とデジタル教材を教育で使う意義」というような議論は、やめませんか?と言いたい。
  • 2002年からCANVASスタート。その頃は、iモードの頃。子どもたちの表現活動の場、猛烈な反対の声があった。
  • テクノロジーの進歩と、それを受け入れるかどうか、というのは別問題。子どもとメディアについては、いっそうその傾向が強いと思う。
    • 本が出たとき、「小説を読むのは不良」と言われたそうだ。「本を読むよりも、おじいちゃんとおばあちゃんの話を聞きなさい」と。
    • テレビが出たとき、「一億総白痴化」と言われている。ゲームも同じ。
  • 規制する→短期的には成果が上がるが、長期的には無意味。技術で解決する→フィルタリングとか。だが、技術のイタチごっこが続くだけ。教育で解決するしかないと思う。
  • 2008年、総理大臣が「子どもが携帯を持つなんて、百害あって一利なし」と言った。大人の仕事は、そういったテクノロジーを、「百利あって一害なし」にすること。
  • DiTTを立ち上げたときにいちばん訊かれた質問は「デジタルで教育に入れる意義ってあるんですか?」。
    • 創造、共有、効率の3点=楽しく、つながって、便利。
    • 生活のほとんどはデジタルになっている。生活の場面をふりかえって、「デジタルのメリット」なんて訊かれない。なぜ、教育だけ、訊かれるのか?むしろ、それが疑問。むしろ、「紙だけしか使わないメリットってなんですか?」と訊く時期が来ていると思う。

 石戸さんのこの、「学校で、紙だけしか使わないメリットって何ですか?」と質問したい、というのは、なかなか現場では言えないですが(笑)、本当にそうだなあ、と思います。

学校での活用事例

 続いて、青山先生が、学習者用デジタル教科書の活用事例について紹介をしてくださいました。

  • 共用のPCを使っている。
  • 学習支援システムは、内田洋行のアクティブスクールを使っている。
    • 手元で40人分の児童の活動が手元で見える。
  • 新学習指導要領は、知識・技能と思考力・判断力・表現力等の2つが柱となる。
    • 「読むこと」はどう変わるのか?
    • 新版では、「構造と内容の把握」「精査・解釈」「考えの形成」「共有」となっている。
  • 国語の3つの授業タイプ
    • 拡散型授業(なんでもOKね)
    • 単線型授業(教え込み授業)
    • 拡散・収斂型授業(課題→この考えの表出→限定された正解と「読み方」の理解→自分の考えを構築)
  • 授業者として、授業作りとしては、「主体的な学び→対話的な学び→深い学び」というイメージ像。
    • 主体的な学びは、課題追究から定着度。
    • 対話的な学びは、「対テキスト」「対人(他者)」「対自分」の3つの対話。
  • 学習者用デジタル教科書を使っているが、マイ黒板を印刷して、ノートに貼ることもする。
  • 最後のまとめはノートにまとめる、ということもしている。そうでないと、家に持ち帰れないから。

 国語の3つの授業タイプの分類、本当におもしろいです。ちょうど「国語の授業ってどんなものだろう…?」「そこで、ICTはどのように役立つのだろう?」というのを考える機会が最近多かったので、興味深く話を聴きました。

 青山先生の実践報告をうけて、佐藤先生がデジタル教科書を使う良さについてまとめてくださいました。

  • サムネイルの画面から、どれを選ぶかというのを見とるのはすごく大変。
  • ただ、いろいろな技がある。教室を見て、どの子が動いているか止まっているかをみることはできる。
  • 国語科の中の学習者用デジタル教科書
    • 子どもたちの顔が上がる。
    • 低学年の子たちは、出てきてやりたがる。
  • 学習者用デジタル教科書は、まだ先生方に届いていない。
  • 国語科における学習者用デジタル教科書の可能性
    • 個の学びの促進
    • 学習状況の開示
    • 教科書、関連資料、ワークシートの相互作用
    • 個の学びの把握と共有

 ここから、佐藤先生の質問に対して、青山先生が実際に授業で児童たちがタブレットでどんなことをしていたかという結果について説明をするやりとりがありました。

佐藤先生

  • 今の授業は「読む」「書く」「考える」が分離しているのではないかと思う。

青山先生

  • 6年生の国語の授業で、書き込み(ペンと指)、指差し、なぞりを秒数カウントすると、52.0%、タブレットを触っていた。
  • 作業をしている時間であり、思考している時間。黙々と作業をしているわけではない。

 こうした、実際にどれくらいの時間、タブレットを使っていたのかなどの数値が出ることで、授業設計へのフィードバックもできるといいと思いました。

デジタル教科書の新展開

 黒川さんは、デジタル教科書を提供している企業としての視点からコメントをしていました。

  • 新展開を迎えるデジタル教科書
  • 「最終まとめ」のポイント
    • 紙の教科書=デジタル教科書 (検定なし)
    • 紙の教科書と併用
    • デジタル教材との一体的使用
    • 特別支援(アクセシビリティ)への配慮
    • 有償化の扱い(誰が払うの?自治体?保護者?)
  • 今後は、「デジタル教科書=デジタル化された教科書」
    • 教科書使用義務の履行を認める「特別な教材」
    • それ以外は「補助教材」の位置付けとなる。
  • 指導者用や学習者用という区分けではなく、教えるツール→学びのツールへの転換。
  • 2020年、まずは小中学校20000校のなかの、1000校。ここから始めるしかない。

 「実践している学校を増やしていくしかない」というコメントは非常によくわかるのですが、デジタル教科書を使ってやりたかったことのけっこうの部分が、わざわざデジタル教科書を使わなくても、タブレットPCなどでもできるようになってきているように思います。デジタル教科書があると、少し楽かな?くらいな感じではないでしょうか。その「少し楽かな?」に対して、かかる費用がまだ高いという感じがします。もう少し安くなると使う学校を増やせるように思うのですけどね…。
 あとは、「学校単位」で買ってもらうのではなく、「先生単位」で買ってもらえるような価格体系/販売システムを考えるか…。教科書という形をとる以上、それは難しいのでしょうね…。名を取るか、実を取るか、みたいな感じなのでしょうか…。

 最後に青山先生が、主体的な学び、成立の条件」と合わせて「デジタル教科書の普及への道筋」を語られました。

主体的な学び、成立の条件

  1. 解決したい課題であること
    • デジタル教科書だと、立ち上げてすぐに前時の続きをしている
  2. 「読めたつもり」「わかったつもり」を揺さぶる
  3. 「関連づけ」ができること
  4. 6年間を俯瞰した系統指導

まとめ

 デジタル教科書は、いい面もたくさんあると思いますが、結局は先生の授業力の問題でもあると思います。さまざまなトピックが出ましたが、正直「そこは別にデジタル教科書がなくても…」「これ、○○のシステム使えば、無料でも使える」というようなものもあります。

 もっともっと、デジタル教科書の利用を広げていくためには、“デジタル教科書だからこそ”というものを作るのが大変かもしれない、と思いました(この効用と価格の問題なので)。
 そう考えると、デジタル教科書ならではの強みは、「紙の教科書と同じ」であることであり、そこに特化してもっと価格が下がる、というのはできないのかな…、と個人的に思いました。

▼参考エントリー
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(為田)

国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018 セミナーレポート No.2(2018年2月3日)

 2018年2月3日に、国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018に参加してきました。テーマは、「新学習指導要領で求められる学びを体験する ~デジタル教科書で実現する主体的・対話的で深い学びとは~」でした。
 セミナー会場を前と後ろで2つに分割して、指導者用デジタル教科書と、学習者用デジタル教科書の両方を模擬授業形式で体験することができました。

模擬授業【指導者用デジタル教科書】

 指導者用デジタル教科書を使った模擬授業では、横浜市立みたけ台中学校の鈴木先生による模擬授業でした。鈴木先生は、以下のようにデジタル教科書を用いるねらいを説明してくださいました。

  • 指導者用デジタル教科書は、材を一にして学び合う場を作る
    • クラス全体で学習の進行をする活動を助ける
    • 教師の作業を減らし、子どもと向き合うゆとりを作る

 『海の命』の本文を画面に表示しながら、本文中に「クエ」を表している言葉(「目」「魚」「クエ」「瀬の主」…というふうに変わっていく)がどこにあるかをみんなで見つけていくという授業をしました。
 そのなかで使ったのは、マーカーをする機能と音読をする機能でした。これを板書でやると先生方の準備の時間もかかると思いますので、こうしてデジタルで簡単にマーカーで本文をハイライトできるのはいいと思いました。

模擬授業【学習者用デジタル教科書】

 学習者用デジタル教科書を使った模擬授業では、身延町立下山小学校の石川先生による模擬授業でした。
 学習者用デジタル教科書の「マイ黒板」機能を活用した授業でした。3年生の「こまを楽しむ」の本文を、スタイラスペンでなぞるだけでその部分が書かれた短冊になって、複数のマイ黒板に、複数の段落から作った段落を置いていくことができます。短冊を移動させて、文章の構造を考える授業にもなります。付箋などを使って同じようなこともできるかもしれませんが、えんぴつで書かなくていいのはスピーディーでいいかと思いました。短冊を簡単に作れるし、子どもたちが「そこを抜き出したの?」とやりとりはさせることもできるだろうな、と実感しました。
 でも、一方で、簡単に短冊ができるすぎてしまうからこそ、長い文章の中で、あちらこちらの段落から抜き出した短冊を構造として理解できるのだろうかと疑問ももちました。結局、ある程度の文量の初見の文章を読解できるようにするために、この学習方法はいいのかな…と思うのでした。「読解できる」ということがどういうことなのか、ということにもよるのかな、と思うのだけど。
 この便利なツールをどう授業の中に入れるのか、学習目標の設定と、そこにつながる授業設計、そして授業中の先生の見とりと即興性と、先生方の手腕が問われそう…と思いました。

まとめ

 指導者用デジタル教科書と学習者用デジタル教科書、実際に触ってみるといいと思いました。今回は、光村図書のデジタル教科書でした。興味ある方は、ぜひサイトもチェックしてみてください。
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(為田)

三重県教育工学研究会 2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」 レポート まとめ(2018年1月13日)

 2018年1月13日に、三重県教育工学研究会の2017年度 冬季セミナー「次代を生きる子どもにつけたい力と教師の役割」に参加してきました。サブタイトルには「これからの情報教育のあり方を探る」とあり、情報教育について考えるきっかけをいくつもいただいたように思います。
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 No.1では、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である、中村武弘 先生による講演、「主体的・対話的で深い学びをめざした授業づくり 〜子どもの情報活用能力を育てる〜」のメモをまとめました。
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 No.2では、協賛していた企業・団体のプレゼンテーションのなかから、為田が参加したものをまとめました。
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 No.3とNo.4では、聖心女子大学名誉教授の永野和男先生による講演、「今後の教育に生かす情報教育的な考え方」の前半部分の様子をレポートしました。永野先生は、この日のプログラムの最初に講演をした、南伊勢町立南勢小学校校長、三重県教育工学研究会会長である、中村武弘 先生の師匠にあたるそうです。
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 No.5では、セミナーの最後に行われた、大喜利<パネルディスカッション>「子どもに情報活用能力を培うためには」の様子をレポートしました。
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 とても学び多いセミナーとなりました。まとめてお読みいただければと思います。

(為田)

NPO法人eboardの中村代表のインタビュー(マイクロソフト フィランソロピー)

 YouTubeの日本マイクロソフト株式会社公式チャンネルで、NPO法人eboardの代表、中村孝一さんのインタビューがを見ることができます。熱い情熱を静かに話す中村さんのプレゼンテーションを見るのが好きだし、中村さんの「学びをあきらめない社会を目指して」は、本当に共感できるメッセージです。
www.youtube.com

 ICTを使うことで、「ひとりひとりが自分のペースで学んでいく」、という学びの個別化を実現していると思います。
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 3分に満たない短い動画なので、ぜひご覧ください。そして、eboardのサイトも見てみてください!

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(為田)

国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018 セミナーレポート No.1(2018年2月3日)

 2018年2月3日に、国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018に参加してきました。テーマは、「新学習指導要領で求められる学びを体験する ~デジタル教科書で実現する主体的・対話的で深い学びとは~」でした。
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基調講演

 基調講演は、放送大学教授の中川一史先生が、「新学習指導要領が求める学びと学習者用デジタル教科書の役割」というテーマで行いました。以下、為田がしたメモを公開します。

  • このセミナーは、国語と情報教育研究プロジェクトのメンバー+光村図書のメンバーで毎年やっているセミナー
  • 中学校の新学習指導要領で「コンピュータや情報通信ネットワークを適切に利用」的な表現が入った。
  • デジタル教科書は2つある。
    • 指導者用デジタル教科書と学習者用デジタル教科書
  • タブレット型コンピュータの台数は、37万台に。3年で5.1倍。そんななかで、学習者用デジタル教科書は、どう使えるだろう?しかも国語科で。
  • ロサンゼルスの中学校で、手元のタブレットに、デジタル教科書が入っている。重たい教科書を持ち歩かなくてよくなる。
    • 諸外国では、教科書がデジタル化するときに、この重たいものを持たなくてもいい、というメリットがある。が、日本ではそうはいかない。
  • 文化審議会著作権分科会 文化審議会著作権分科会報告書(p.102で、デジタル教科書についての言及(PDFはこちら

 最後に触れられている該当箇所を読んでみると、「どのように使うのかの事例も書かれています。
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  • 中川先生によるまとめ「教科書・教材のデジタル化によってできること」
    • 見る・聞く
      • 紙ではできない動画・音声での情報の補完
    • 書き込む・消す・拡大する
    • 共有する・示す
    • 試す・動かす
    • 保存する
      • 保存する、はまだまだこれから(中川先生)
  • 文部科学省「デジタル教科書」の位置付け
  • 紙の教科書とデジタル教科書を使い分けている。両方を使っている。両方使いながら、自分の思考地図をデジタル教科書に書き込み、友達に説明する。そういう使い方をしている。
    • 自分の考えを整理・説明する
    • 画面で確認、大きく表示
    • 全体で共有し、考えを深める
  • 学習者用
    • 教科書であり、ノート・メモである。
    • 個であり、協働である。
    • そういう教科書だから、欧米とは違う?
  • 教科書の発想の転換:読む教科書から、書く教科書、共有する教科書へ。

 デジタル教科書の活用事例を見ると、いろいろと書き込めるのはたしかにいいと思うことが多いのです。また、いちどマーカーを引いたけども、やっぱり消すとかもできるのはいいですよね。
 ただ、そのためには一人1台ないといけないのがネックですね…。Amazon Kindleでもハイライト機能でマーカーを引けますが、メモが紙面そのものに書けるわけではないので、教科書的に使うにはちょっと使いにくいかもしれません。やはり、教科書のページに書き込みをさせてあげたいような気がします。

  • 教科書のデジタル教科書化(これは環境と制度の問題がある)
    • 環境整備は?3クラスに一台という端末環境でできるのか?
    • どうやって供給?
    • 無償措置や著作権を含めた検定の問題はどうなるのか?
  • 教員の活用スキル向上をどうするのか
  • 児童生徒の活用スキル向上をどうするのか

 広げていくには、まだまだいろいろな問題があることがわかります。この問題を乗り越えていけるほどの、「デジタル教科書ならでは!」な使い方がどれだけ広がるか、ということだと思いました。

実践対談「学習者用デジタル教科書の実践と考察」

 続いて、関西学院初等部の野村先生と武蔵大学准教授の中橋雄先生の実践対談がありました。為田のメモを公開します。

 「学習者用デジタル教科書の効果を高める活用のあり方は?」という質問への野村先生のコメントが以下の通りでした。

  • 教室文化も変わるし、先生の授業デザインも変わるだろう。まだ実践している学校は少ないので、先例に学ぶ、ということ。
  • 先生としての感想としては、指導者用デジタル教科書だけだと、紙の教科書の延長線上にあった。学習者用デジタル教科書を使うことで、先生のパラダイムシフトがあると思う。
    • 情報が多い。子どもたちの学習がどんどん集まってくる、前に映るようになる。それを授業をしているその場で子どもと一緒に分類するなど、新しいやりかたになった。これまでになかった緊張感。
  • 子どもの反応としては、デジタルネイティブだと思う。家でスマホタブレットを使っている子がほとんど。「使えるか」というハードルは低い。
  • 子どもたちは、自分の端末と先生の端末がつながることについても「当然つながる」と思っている。どんどん書き込めることについても喜んでいる。
  • 本文に向き合えるという効果があると思う。
  • 導入した瞬間は、iPadが来た!という興奮状態。それから落ち着いて来て、無口になる。対話も減る。それに慣れると、教科書を使っていたときのように、交流が始まった。対話が再度始まってくる。

 デジタル教科書は、指導者用デジタル教科書だけだと、紙の教科書の延長線上にあり、学習者用デジタル教科書を使うことで、先生の指導法は大きく変わる、という話がありました。
 子どもたちが学習者用デジタル教科書を使って手元でいろいろと書き込んだり、本文から抜き出した情報が先生のサムネイル画面に集まってきて、それをどう使うか、どう指導の中に組み込むのかをその場で考えていく、ということができる、というお話でした。
 そのひとつの例として、「マイ黒板」を使った事例がさらに詳細に説明されました。

  • マイ黒板で、教科書本文をドラッグして(タブレットならば、なぞるだけ)短冊を作り、マイ黒板に並べられる。
    • 短冊で抜き出すことにどんな意味があるだろうか?
    • 抜いたり、消したりが、簡単にできるので、友達と「そこ、抜くの?」「そこ?状況描写?」みたいに、話し合って、直したりもしている。
  • 紙の教科書でも、傍線を引いたり、書き込みはできる。でも、それを一度消す、というのは難しい。
  • 話すことをマイ黒板で短冊を動かしながら考えられる。これはこれまでと違うところ。
  • グループにしたり、タイトルをつけたり、構造化ができている。

 クラス全体で、短冊を動かしながら考えていく様子を大きく映し出しつつ、ときに誰かが作った短冊をクラス全体に示しながら、だんだん練り上がっていくキーワードが書いていくのは楽しそうだと思いました。板書を使ってされている先生も多いと思いますが、一人ひとりがその活動をできるということは、ただ板書をノートに書いていく、とはまったく違うと思いました。

 最後に中橋先生から、野村先生の授業を見学した際に、授業の終わり際に児童からあがったコメントについて紹介がありました。

  • 子どもが「他の人がどんな考えをもっているのか、見たい」と言うので、クラス全員の書き込みが表示されたサムネイルをスクリーンショットで保存して、全員に先生から送ったことがある。

 「全員の考えを知りたい」と子どもたちが思ってくれているのは素晴らしいなと思いました。デジタル教科書に限った話ではありませんが、こうして他の人がどんなことを考えているのかを見ることができるのはとてもいいことだと思います。ICTを活用することで新たにできるようになったこうした活動を、授業にどう取り込んでいくのか、という部分は、野村先生がおっしゃる「パラダイムシフト】だと思いますが、これを楽しめる先生が少しずつでも増えていくように、実践事例の蓄積と情報発信、そして、「これよさそう」と気軽に試せる環境づくりが進めばいいと思いました。

 No.2に続きます。

(為田)