教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

やってみた:聖徳学園中学・高等学校で休み時間にARで動物と恐竜を出してみた(2020年7月9日)

 昨日アップした、「授業で使えるかも?:Google検索から3Dの恐竜をARで登場させる」について、Facebookで聖徳学園中学・高等学校の品田健 先生が、以下のようなコメントをくださいました。

今日の授業の中身とは全然関係ないんだけど,休み時間の間にただただ表示し続けてみようかな。「これって〜できますか?」とか質問出てくれば面白い。

 そして、さっそくその日の高校1年生の授業で見せてみたそうで、休み時間の様子の写真を見せていただきました。

 品田先生が最初にネコ出してたら、みんな寄ってきて、そこから犬派・ネコ派の話になり、今度は犬を出したらまた盛り上がったそうです。実際に触ってみている感じを出してみたり、リアルとARの画面の違いなどを友達と見ながら確認したりするのは楽しそうです。
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 その後で、恐竜からプテラノドンを出したら意外と女子にも人気だったそうで、その後はティラノサウルスを出したりパンダを出したりで、みんなで楽しい時間になったようです。プテラノドン、教室の中にいて女子に囲まれている図はあまり見る機会はないので、とても新鮮です。意外と小さいのですね…。
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 ちなみに寄って来て盛り上がっていたのは女子が多かったそうですが、「男子は寄っては来ないけど、後ろで見てたりiPhoneで撮影したりしてましたよ」と品田先生は言っていました。

 「君らのiPhoneiPadでもできるよ」と授業の頭で出し方をちょっとだけ教えたそうです。こうして、「あ、これを紹介してみよう」と新しいテクノロジーをすぐに教室に取り入れていく品田先生のフットワークの軽さがとてもいいなと感じました。
 普段からiPhoneiPadを活用しているからこそ、こうしたちょっとした技術などを教えることができると思います。こうしてARに遊びながら親しんでいる子どもたちが、ARを使ったサービスを使いこなしたり、自分たちでARを使ったサービスなどを思いついたり、というふうになっていくのではないかと思います。

 品田先生、学校での紹介の様子を教えていただき、ありがとうございました。また「あ、これやってみよう」と思ってもらえるような小ネタを探したいと思います!(笑)

(為田)

授業で使えるかも?:Google検索から3Dの恐竜をARで登場させる

 先日、「Google検索から3Dの動物をARで登場させる」というのを紹介しましたが、新たに恐竜も登場させることができるようになったそうです。
japan.googleblog.com

 登場する恐竜は、ティラノサウルスヴェロキラプトルトリケラトプス、スピノサウルス、ステゴサウルス、ブラキオサウルス、アンキロサウルス、ディロフォサウルス、プテラノドン、パラサウロロフスでそうです。

 では、やってみよう…ということで、プテラノドンiPhoneGoogleアプリで検索しました。「3D表示」というボタンが表示されるので、これをタップすると、カメラ画面になります。カメラを上下左右にふって空間を認識させると、プテラノドンがARで現れます。
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 ARなので、周囲の建物などと恐竜のサイズを比較することができます。六本木ヒルズの周りを飛び回るプテラノドンを、ジュラシック・ワールドのように撮影したかったのですが、道路で休んでいる鳥みたいになってしまいました…。これはこれでかわいいからいいのですが…。
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 授業の中でどう使うか…というのは考えているところですが、こうしたものを見せて、ひとしきり子どもたちに遊んでもらって、「こういうARというテクノロジーを使って、世の中や地域を便利にできるアイデアってあるかな?」とかみんなでディスカッションしたりはおもしろいかな、と思います。

(為田)
 

オンライン学習に向けたICT研修会レポート(2020年7月6日)

 2020年7月6日に、杉並区立済美教育センターにて開催されました、「オンライン学習に向けたICT研修会」の講師としてお招きいただきました。僕のプレゼンするパートのタイトルは、「1人1台タブレット端末による学校アップデート」でした。
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 済美教育センター所長の佐藤正明 先生が、最初の挨拶のなかで、「これからの杉並区における1人1台タブレット端末活用のあるべき姿をどう作っていくかを一緒に考えていきたい」とおっしゃっていましたが、1人1台タブレット端末を活用するようにすることは、子どもたちの思考や表現のツールとしてデジタルを使っていけるようにするということであり、「これからの○○をどう作っていくか」を考える作業そのものだと感じました。
 研修会に参加してくださったのは、小学校・中学校・養護学校の校長先生方をはじめ、教育センターの指導主事の先生方、ICT担当の方々でした。

 今回は、共著書『学校アップデート』のなかで執筆を担当した、実践事例を紹介させていただきました。タブレット端末は、「教員が使う」というよりは、「児童生徒が使う」というようになるところまでをイメージして、段階的に学校に入れていく必要があると思っています。

 終了後の懇談会でも出てきたのですが、「タブレット端末を1人1台配備して、どんな成果が上がったのか」というのを何で示すのかというのは、導入する側にとっては大きな責任になります。議会での説明、保護者への説明などもしていかなくてはなりません。ぜひ、「なぜ必要なのか」ということをしっかり杉並区のリーダーのなかで話し合っていただければと思います、とお伝えしました。配備率や稼働率などだけでは、「学びにどういう影響があるのか」などまでは伝えられません。どんな指標がいいのか、先生方が児童生徒の変容として見られて、かつ定量化できるものがあればいいな、と感じました。
 そうした指標を作っている事例などがあれば、知りたいです。地域によって実情が違うケースもあると思いますので、もしかすると「杉並区」という単位ですら、もしかすると大きすぎるのかもしれません。学校ごとに、どんな指標を作ることができるのか、ということもできるかもしれない、と思いました。

 子どもたちが思考や表現の道具として1人1台のタブレット端末を使って、どんな未来を切り開いていくのか、ということを、みんながイメージできるようにまとめていくことが必要です。「なぜ、1人1台端末が必要なのか」ということを思いとして共有していくことが重要ですが、これが難しいのです。配備しただけで終わらないように、いやいや先生方が使うようなことにならないように、自分にどんなことができるのか、ということを考えていきたいと感じさせられる時間となりました。

 佐藤先生、貴重な機会をいただきましてどうもありがとうございました。

(為田)

【メディア掲載】月刊私塾界 7月号

 月刊私塾界7月号が発刊されました。特集は「夏からの新様式を考える」です。オンライン対応をしている学習塾もたくさんあります。先週末、中1息子の通っている学習塾の保護者面談がありましたが、教室のZoomで行われました。アクセスすると、担当の先生ごとにブレイクアウトルームに入るようになっていました。学校の保護者面談も、この様式も取り入れてほしいな…と感じました。その方が保護者面談や保護者懇談会などに参加しやすい、という保護者もたくさんいるような気がします。
 授業やコンテンツなどの視点から、「夏からの新様式」について書かれています。学習塾にとっては、夏期講習をどのように行うのか、学校との兼ね合いをどうするのかなど、さまざまな問題がありそうです。地域ごとにさまざまな学びの選択肢があればいいな、と思います。(そのために、ICTは大きな力になり得るだろうと思っています)
 学校は、この学習塾のオンライン対応とも比較をされるようになってくると思います。知見の共有などをどんどんしてもらえるといいな、と思います。
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 連載記事もいつものとおり掲載されています。4月から5月、学校の休校期間にあったいろいろの記録です。たった2ヶ月ちょっと前ですが、すごく昔のように感じますね…。リモートワークだからこその、感じ方の違いというのもありそうだと思いました。
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(為田)

奈良女子大学附属中等教育学校 授業レポート まとめ(2020年5月21日)

 2020年5月21日に、奈良女子大学附属中等教育学校の二田貴広 先生が行ったオンラインコラボ授業を見学させていただきました。
 この授業は、大阪工業大学の横山恵理 先生、福岡県立ありあけ新世高等学校の前川修一 先生、京都橘高校の小坂至道 先生との全3回のコラボ授業の3回目で、「評論「ものとこと」を繋げる ~創造的に考える」がテーマの授業でした。
 参加していたのは、奈良女子大学附属中等教育学校6年生(高校3年生)で、参観者や先生方含めて123人がZoomで参加していました。
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 最後に二田先生が、こうしたコラボ授業で、先生方の専門的な観点からのコメントが入ることで、物事が立体的に見えてくる、と言いました。「複数の情報を関連づけて考え、さらに何に依拠して考えるのか」ということに自覚的であることは、本当に大切なことだと思います。この機会にまとめてお読みいただければと思います。

blog.ict-in-education.jp

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(為田)

京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.5(2020年6月24日)

 2020年6月24日に、京都教育大学附属桃山小学校の俣野知里 先生が担当する4年生の外国語活動の授業をオンラインで見学させていただきました。この日の授業は、俣野先生が、学級担任の井上美鈴 先生とALTのJason Davidson先生と3人で学校の教室から授業を配信し、児童は各家庭からオンラインで参加するという形で行われました。

 Zoomにログインすると、児童と先生方とのやりとりが聞こえてきます。先生方の「Hello, everyone.」という呼びかけに、「Hello!」と大きな声で返事をしています。児童はZoomで接続している間、通常はミュートボタンを押していますが、挨拶に対する返事をするときにしっかりミュートを解除して返事をしています。
 オンライン授業ではこうした細かいところも実は重要で、普段からICTを使っていて慣れているからこそできることだと思います。

 「How are you today?」と最初に教室でJason先生が井上先生と俣野先生に訊き、その後はZoom経由で児童一人ひとりを先生が指名していき、「I'm great.」「I'm happy.」「I'm good.」のように答えてもらっていました。
 その後、「How's weather in your town?」という質問がありました。今回の授業では、僕も含めて東京からのオンライン参観者がいたので、東京の天気についても訊いておられました。
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 英語での挨拶のやりとりをした後に、今日のゴール「小文字の読み方を聞いたり言ったりしよう」と「Today's Plan」を、Zoomで画面共有して示します。画面共有機能を使えば、オンライン授業でも教室での授業と同じように、授業の流れなどを示すことができます。
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 この後、みんなでアルファベットクイズをしました。この日の授業のゴールは、「小文字の読み方を聞いたり言ったりしよう」だったので、Jason先生が持っているボードでアルファベットの小文字の一部だけを見せて、そのアルファベットが何かをみんなで当てる、というゲームでした。
 Jason先生が、「What's inside?」と言って、アルファベットの一部をZoom画面でみんなに見せます。形が似ているアルファベットを考えられるようになっていました。
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 ちらっと見せただけで、「j!」「i!」と児童は言い合い、アルファベットカードをカメラに向けて見せてくれていました。なかには、jと i の2枚のカードを出して「j or i.」と言っている児童もいて、Jason先生に「Only one, please.」と言われていました。こうしたやりとりが、英語での会話の楽しさを実感する活動になっていると感じました。
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 先生方が楽しそうなのが、このクラスの「コミュニケーションをしたい」という児童の雰囲気を作っていると感じました。コミュニケーション活動なので、同じ場にいる方が望ましいという意見もあるでしょうが、学校でこれまでにも一緒に学んでいる4年生たちなので、オンラインでも先生方・児童同士で楽しくコミュニケーションできている様子がわかりました。


 次に、みんなでアルファベットの小文字でBINGOをします。全部で9枚のアルファベットカードを縦3枚、横3枚で並べてもらいます。
 BINGOは、先生側の方で「Lucky Draw」というアプリを使って数字をランダムに出します。その数字の出席番号の人が、好きなアルファベットを言える、という形式でした。児童がアルファベットを言うたびに、Jason先生が「Do you have "s"?」というふうにみんなに質問していきます。

Lucky Draw

Lucky Draw

  • Chia-Chun Hsieh
  • ユーティリティ
  • 無料

 4つ目の文字で「BINGO!」となった児童が3人もいて、「So fast」とJason先生が驚いていました。BINGOは、オンライン越しでやっても、おもしろいゲームでした。

 BINGOだけでなく、この授業での活動すべてにおいて、「Yes, I do.」「Yes, I am.」と、児童からいろんな返事が飛び交っていました。正しい返事でも、ちょっと正しくなくても、みんなミュートを一度OFFにして、どんどん返事をしているのが素晴らしいと思います。先生方が「コミュニケーションしたい!」「伝えたい!」という雰囲気を作ってくれているのだと思います。家で一人で勉強しているので、授業でやるのとは違いそうなのに、これはすごいです。

 最後に、ロイロノート・スクールを使った活動「Let's Write」をしました。今回は、学校で配布した紙のワークシート集6ページの下 3行に、ヘボン式ローマ字で地名を紙のワークシートに書いてもらって、写真を提出してもらうという活動です。
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 ワークシートの書き方についても、画面共有をしながら説明されていきます。Shiga(滋賀)について書くときに、「Biwako Cute character!」という声も出ていました。
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 ロイロノート・スクールで提出してもらったワークシートを俣野先生が添削して返します。デジタルを使っても、ノートのやりとりを行うことはできますし、どのようにこれまでの授業を拡張できるのか、ということを設計するのも重要だと思いました。
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 今回見学させていただいたオンライン授業の中には、Zoomにあった活動と、ロイロノート・スクールにあった活動がありました。みんなでリアルタイムに話し合いながらコミュニケーションを楽しむ活動はZoomに適していますし、児童一人ひとりが各自ワークシートに取り組む活動はロイロノート・スクールに適しています。
 これをうまく使い分けて授業を設計されていることがポイントだと思います。また、何よりベースにあるのは、「コミュニケーションが楽しい!」というふうに児童が感じられるような授業を設計することが重要だと思いました。

(為田)

【イベント情報】ロイロオンラインセミナー ロイロ認定ティーチャーから学ぶシンキングツール実践!(2020年7月4日)

 京都市梅小路小学校の木村明憲 先生が、2020年7月4日に開催されるロイロノート・スクールのオンラインセミナーに登壇されるそうです。セミナーのテーマは「ロイロ認定ティーチャーから学ぶシンキングツール実践!」で、ロイロノート・スクールを用いた先進的な取り組みやシンキングツールを活用した授業実践について、学べます。
 木村先生は自身のサイト「AK-Learning」でも紹介している、「単元縦断型授業」を提案されるそうです。
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 木村先生にコメントをいただきました。

「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業改善を考える上で、単元を通しての教材研究がポイントとなります。
また、子どもたちは単元の見通しをもって学ぶことが大切です。
今回のセミナーでは、子どもたちが単元の見通しをもって学ぶ授業「単元縦断型授業」について提案します。
ロイロノートは、単元縦断型の授業を行う上で最適のツールです。
参加者の皆様と、「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業について、共に考えることができれば幸いです。

 イベントの参加申込は、以下リンクから行えます。興味ある方は、ぜひご参加ください。
loilonote.doorkeeper.jp


(為田)