教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

教育 総合展 EDIX 東京 イベントレポート No.1(2021年5月13日)

 2021年5月13日に、教育 総合展 EDIX 東京に行ってきました。緊急事態宣言が出ているなかなので、対策も多くされていて、会場入口での手続きも無人化されていたり、セミナーの入口での手続きも機械化されていました。会場を歩くと、出展のキャンセルや規模縮小なども多かったですが、それでも多くの方々が来ていました。

 株式会社サカワさんのブースで、ひさしぶりに代表取締役の坂和寿忠 さんにお会いしました。「これ、見てくださいよ!」と言われて、黒板を左右に開いて見せていただいたのは、ウルトラワイド電子黒板「ワイード タッチ」。黒板を左右に開くと中に大型ディスプレイがある、という教室は、子どもたちの視線移動が小さくてすむのと、先生方が黒板とディスプレイに映す内容とをつなげて授業を行うことがしやすくていいな、と思います。ワイード タッチは、黒板を開くと縦1.09メートル、横2.5メートル、いままでの電子黒板2台分のウルトラワイド電子黒板だそうです。
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 画面を分割することもできるので、2つの情報を同時に見せることができます。iPadのスプリットビューと同じように、どれくらいの比率で画面を分割するかということも設定できます。
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 ここで見せてもらったワイード タッチは、まだプロトタイプとのことですが、2021年度内に発売されるとのことです。一人1台の情報端末が導入されたことは、子どもたちが文具的に使うことができてとてもいいと思うのですが、一方で自分の端末の画面で他の人が書いたものが見えたり、やりとりができたり、となって、教室だからこそのインタラクティブな学びが減ってしまうと思うこともあります。
 先生が今までも使ってきた「黒板」にいちばん近いところに、こうして大きなデジタル黒板を用意して、板書と児童生徒の端末とデジタル教材とを組み合わせて授業をする、というのは、先生方にとっては最初の一歩として取り組みやすいのではないかな、と思いました。
 1つ1つの教室に導入するのは金額的にも大変だと思いますので、ラーニング・コモンズのようなみんなが情報端末を持ってきてみんなでコラボレーションをするスペースなどに設置してもいいのではないかと思いました。

 No.2に続きます。

(為田)

Google Japan Blogの「キッズ AI プログラミング」の動画を見て考えさせられる

 Google Japan Blogで、「プログラミングと AI を使って表現してみよう。 キッズ AI プログラミング コンテスト 2021 を開催します」という記事がアップされました。
 エントリーのなかで、「AI 教育でこどもたちの課題解決力を育む」という動画が紹介されていて、そのなかで3人の小学生たちが自作のプログラミングを紹介してくれています。それぞれが身近な課題を発見し、それを解決するためにプログラミングを使っている様子を見ることができます。3分ほどの短い動画ですが、とても感銘を受けました。
www.youtube.com

 この動画を見て、こうしてプログラミングを道具にして課題解決を行える子どもたちをどうやったら育てられるだろう、そのために学校でできるプログラミングの授業ってどんなものがあるのだろう、と考えさせられました。

 いきなり、ここまで行けなくても全然かまわないと思っています。でも、プログラミングに触れる授業の延長線上に、この動画で聴くことができる子どもたちの声があるように、自分のできる範囲でできることをやっていこう、と思いました。
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japan.googleblog.com

(為田)

教材で使えるかも:NHK for School 「昔話法廷」の新作「桃太郎」

 NHK for Schoolで、先日放送された昔話法廷の新作「桃太郎」裁判が見られるようになりました。テレビで見逃してしまっていたので、見てみました。(豪華なキャスティングに唸りますが、そこは本筋ではないので割愛します)
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www2.nhk.or.jp

 今回の「桃太郎」、すごくいろいろと考えさせられます。誰でもが知っているストーリーだけど、SNSなどの要素も入れられていて、現代的なテーマ設定にしてあります。SNSなどをまだ使っていない小学生だとちょっと難しいかもしれないですが、中学生~高校生と、がっつりディスカッションしてみたいと思いました。
 裁判員がどう判断するか、というところでコンテンツは終わっているので、ここまでを家で見てきて、続きを教室でディスカッションしたり、考えをまとめてオンラインで提出する、という形にしたり、いろいろな展開が考えられそうです。

◆ ◆ ◆

 以前にもこのブログで昔話法廷を何度か取り上げているのですが、本当に良いコンテンツだと思っています。

blog.ict-in-education.jp

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(為田)

本をたくさん読む子育て家庭でKindleキッズモデルは使えるかも?

 Amazonから、Kindleキッズモデルをオススメしてくれるメールが来ました。Kindleにキッズモデルがあることを知りませんでしたが、Kindleキッズモデルのページを読んでみて、実はこれはいいかもしれない、と思いました。

 Amazon Kids+のサービスと連携して使うことで、以下のようなことが実現できるそうです。

  • Amazon Kids+で、1000冊以上の書籍がうれしい読み放題。
    • 青い鳥文庫」や「三国志」「モモ」などの児童文学の名作に加え、歴史・科学などの知育分野も豊富な品揃え。
    • 「学研まんが」シリーズや「名探偵コナン」などの人気のマンガもラインアップ。学習からエンターテイメントまで幅広いジャンルを網羅。
  • Amazon Kids+のペアレントダッシュボード
    • 本ごとの読書の進捗を確認可能。
    • 読書の目標設定をしておけば、読書習慣をつける手助けにもなる。
  • 自主性を育む読書体験を
    • バッジ機能: 読書時間などの目標を達成するとバッジやメダルが付与される。
    • おすすめの本: 読書履歴に基づいて、ホーム画面におすすめの本が表示される。子どもの年齢に合った本が表示される。
    • 辞書機能と単語帳: Kindleには辞書が内蔵されているので、本に出てくる言葉の意味をすぐに調べることができ、調べた言葉は自動的に単語帳に追加される。

www.amazon.co.jp

 本をたくさん読む子どもは、どんどん本が増えていくので、「置く場所が…」という問題もあります。Kindleであればいつでもどこでも持っていけるのでいいかもしれません。いつでもどこでも読めることと、自分の好みに合いそうな本をどんどんオススメしてくれるのも良さそうです。
 GIGAスクール構想で、一人1台の情報端末を学校で使うようになるので、デジタルを使うことに慣れた子たちが増えると、意外と広がっていくかもしれません。

 一方で、バッジ機能や目標設定機能などによって「読書習慣をつけられます」という紹介のされ方も見かけましたが、これはなかなか難しいんじゃないかな、と思っています。それよりは逆に、いま本を読むのが好きな子どもたちが、「デジタル」になって便利な機能を利用できる、というふうになる、つまり、大人がKindleを使うようになるのと同じなのかな、と思います。

(為田)

やってみた:Googleレンズで知らないものを調べてみる

 いい天気が続いていたので、あちこちに散歩へ出かけることが増えました。草木や昆虫などにふと気がついたりすることも多いのですが、「はて?これは何だっけ?」とその草木や昆虫の名前を知らないことが多いので、そのたびにGoogleで検索をしています。
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 Googleの検索機能は便利ですが、「検索するキーワード」を知らなくてはいけない、というのが問題です。ですがGoogleレンズの機能を使えば、目の前にある「モノ」をキーに検索をすることができます。Googleレンズのページを見てもらうと、
lens.google.com

 目の前の草木を撮影して、なるべく特徴的なところを区切って、検索をすると類似画像が検索されます。
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 目の前のテーブルを歩いていた小さな虫も、検索してみました。一人1台の情報端末をもって、あちこちに出かけていったときに、Googleレンズを使って新しい情報を知って、そこからさらに深く深く探っていく、という子どもたちも出てくるのではないかと思います。
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 簡単な機能ですが、大人もいろいろな楽しみ方ができるGoogleレンズ、子どもたちと一緒に教室で使ってみてはどうでしょうか。

(為田)

掛川教育フェス2021イベントレポート まとめ(2021年3月28日)

 2021年3月28日に、掛川教育フェス2021に参加させていただきました。掛川教育フェス2021は、野中潤 先生(都留文科大学)と、吉川牧人 先生(静岡県立掛川西高等学校)が共同リーダーを務めますGEG Fujiと、掛川に本社を置くエンジニア派遣会社である株式会社リツアンSTCが実行委員会を作り、「新しい自分に出会え! ~ニューノーマルのその未来へ~」というテーマで、3月27日と28日に開催したイベントです(3月21日にもプレイベントを実施)。
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 たくさんのプログラムがありましたが、自分が参加したものについてのレポートを公開しました。オンラインでイベントが行われるようになって、以前と比べて移動時間などなしで参加できる(参加者も、講師の皆さんも)ので、とても助かるなと感じます。
blog.ict-in-education.jp

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(為田)

書籍ご紹介:『宗實直樹の社会科授業デザイン』

 関西学院初等部の宗實直樹先生の著書、『宗實直樹の社会科授業デザイン』を読みました。宗實先生は、「社会科は人生を豊かにできる教科」と書いています。

本書では、私が理想としている「豊かな社会科授業」をできるだけ言語化しようと試みました。社会科授業においてどのように「豊かさ」をつくることができるのか、そのためにどのような社会科授業デザインが必要なのか、これらを念頭に置きながら著しました。(p.2)

宗實直樹の社会科授業デザイン

宗實直樹の社会科授業デザイン

  • 作者:宗實直樹
  • 発売日: 2021/02/12
  • メディア: 単行本

 社会の授業のデザインが中心ではありますが、そのなかでも「あ、これは他のところでも活用できそうだ」と感じたところがたくさんありましたので、そうした部分をメモとして共有したいと思います。

 特におもしろいと思ったのは、「ノートでつながる」と書かれていたページ(p.93)です。ここでは、「教師にとっての社会科ノート」と「子どもにとっての社会科ノート」が書かれていました。

教師にとっての社会科ノート

  1. 学習状況把握のためのツール
    • 本時、単元での学習把握
  2. 評価するためのツール
    • 継続して得た概念、比較等の視点
    • 学習内容と学習方法の獲得
  3. 子ども同士をつなげるためのツール
    • 学級経営の視点

子どもにとっての社会科ノート

  1. 記録のためのツール
  2. 思考を深めるためのツール
  3. 学びをふり返るためのツール
  4. 書く力を伸ばすためのツール
  5. 想いや願いを綴るためのツール
  6. 友だちと交流するためのツール

 「ノートでつながる」ということは、以下のようなメリットがあると宗實先生は書いています。人のノートを見られるようになることで、「それじゃ、写してしまうんじゃ…?」「公開カンニングじゃないか?!」と不安を言う先生もいらっしゃいますが、それよりもずっと多くのメリットがあると思います。

自分の意見を聴いてもらえている充足感や安心感、自分の発言が人に影響を与えているという自己効力感を感じることができます。仲間づくりのツールとしても大きな威力を発揮します。(p.92)

 Google Classroomでも、スクールタクトでも、ロイロノート・スクールでも、MetaMoji ClassRoomでも、多少の違いはあっても、「ノートでつながる」という場面を簡単に作ることができます。ただ「つなげる」ことが重要なのではなく、ノートでつながって、子どもたちが「豊かな」学びができるように、どんなふうに授業をデザインしているのか、ということを読むことができました。社会科授業のデザインだけでなく、他の教科の授業デザインでも応用できることは多いと思います。

(為田)