教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

新渡戸文化中学校 授業レポート まとめ(2020年10月30日)

 2020年10月30日に新渡戸文化中学校を訪問し、山本崇雄 先生が担当されている、中学校1年生~3年生合同の英語の授業と、数学の芥隆司 先生が担当する「音楽×数学」のクロスカリキュラムの授業を参観させていただきました。
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 山本先生の英語の授業では、iPadを活用してデジタル絵本を作り、新渡戸文化子ども園の子たちに見せてあげる活動の様子をレポートしました。
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 芥先生の「音楽×数学」の授業では、Garagebandを使っての創造の様子を見ることができました。
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 どちらの授業でも、iPadを思考や表現のツールとして使っている様子をみることができました。

(為田)

インターネットは、学校を超えて世界を拡げてくれる(こともある)

 インターネットは、こういう素敵なことも起こるのですよね、というのをTwitterで見た。

 僕はたまたま、学校が好きだったけれど、学校が嫌いな人ももちろんたくさんいるかもしれない。でも、学校で全然友達ができなくても、それが世界のすべてではなくて、世界のどこかに自分と気が合う人がいて、友達になれたり仲間になれたりするかもしれない。
 小さい世界だけでなくて、外にどんどん出ていくというためにも、テクノロジーを道具として使えたほうがいいと思っています。だとしたら、GIGAスクール構想で配備される端末は、いったいどういうふうに使うのがいいのか、しっかり考えるべきだと思います。
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(為田)

授業で使えるかも:ポプラ社の「電子書籍読み放題サービス Yomokka!」

 総合百科事典「ポプラディア」や「かいけつゾロリ」、歴史漫画などで、学校図書館での高いシェアを持つポプラ社が、2021年度、こどもの学び事業「こどもっとラボ」を立ち上げ、小・中学校向け教育ICT分野に本格参入します。こどもっとラボのブランドサイトが公開されました。
kodomottolab.poplar.co.jp

 こどもっとラボのなかには、これからさまざまなサービスが公開されていくのですが、僕が注目をしているのは、「電子書籍読み放題サービス Yomokka!」です。
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 このYomokka!のサービス開発には、少しですが弊社フューチャーインスティテュートでお手伝いをさせていただいています。
 一人で本を読むためのサービスではなく、学校という場で本を読むためのサービスであることが大きな特徴だと思っています。学校の図書室には、いろいろな本がありますが、多くの本は1冊しかなくて、同時にみんなで同じ本を読んだり、というのはなかなか難しいのが現状です。電子書籍で、みんなで同時に読んで感想を共有したり、学校の授業で出てきた作者や著者の別作品にアクセスして読んでみたり、いろいろなことが電子書籍を活用することによってできるのではないかと思っています。

 ポプラ社は出版社として、著者の皆さんの権利を守りながら、こうして読み放題のサービスを作るのはとても大変なことだと思います。どれだけの作品が読めるようになるのか、また、それがどれくらい学校の授業や活動などと組み合わせることができるのか、というところが肝になりそうです。
 掲載される作品としては、2021年度はポプラ社の作品のみを掲載する予定で4月時点で約300作品、2021年度中に約1000作品まで増える予定とのことです。
 将来的には、ポプラ社以外の作品も掲載していくそうなので、学校図書館と連動して、子どもたちが本に触れて世界を拡げていく助けになるのではないかと思います。

 2021年度は、無料で活用できるようになっています。授業の中で活用してみたり、子どもたちと一緒にさわってみたい、という先生がいらっしゃいましたら、ぜひ為田までご連絡いただければと思います。ご紹介をさせていただくとともに、ぜひ学校で活用する様子を取材に行かせていただければと思っています。

(為田)

授業で使えるかも:知財図鑑

 新規事業を創出するための知財をチェックできる「知財図鑑」というサイトを知りました。問題解決型の学習を取り入れる学校が増えてきているように思うのですが、「何が問題か」からスタートして考えることもあれば、逆に「こうした解決ができるアイデアや技術=知財がある」というところからスタートして問題解決を行うというやり方もあるのではないかと思いました。 
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chizaizukan.com

 キーワードで知財を探すこともできます。定期的にこのサイトをチェックしてみて、新しいアイデアを見つけるのもいいと思います。最先端で「どんなことができるのか」を知ることによって、学校での勉強にフィードバックをすることもできるのではないかと思いました。
 「知財図鑑のサイトを見てみて、自分でおもしろそうだと思った知財を、クラスメイトに紹介するプレゼンを作ってください」という授業をやってみたらどうかな、と思いました。

(為田)

書籍ご紹介:『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』

 藤井保文・尾原和啓『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』を読みました。デジタル化が進んでいる社会が、これからどうなっていくのかを知りたかったからです。

 学校にもデジタルの導入が進みつつあります。それは、社会ですでにデジタルが浸透していて、デジタル社会で生きることになる子どもたちには、デジタルを武器として使いこなせるようになることが必要だから、ということもあると思います。
 サブタイトルの「オフラインのない時代に生き残る」は、企業がどう生き残るか、という文脈で書かれているのですが、「オフラインのない時代」とは、どんな社会になるのでしょうか。

「オフラインがデジタル世界に包含される」ようになります。そうした世界を私たちは「アフターデジタル」と呼んでいます。それに対して、「オフラインの世界が中心で、そこに付加価値的にデジタル領域が広がっている」という多くの日本人の捉え方は「ビフォアデジタル」と呼べるものです。

アフターデジタルの世界観は、あたかも「デジタルに住んでいる」ともいうべきもので、まだ日本ではあまり認識されていません。それもそのはず、まだ日本には到来していません。今の日本ではデジタル事例を「個別の取り組み」と捉えがちですが、デジタルが浸透すれば、社会システムそのものがアップデートされ、「点」ではなく「線」「面」としてつながっていきます。デジタル先進国・地域を観察すれば、もはやそれは実証されていると言ってもいいでしょう。

日本が世界に追いつき追い越していくには、「データ×エクスペリエンスの切り口で考え、新たな視野を獲得することが大事である」との思いを抱いており、それを形にしたのが本書であるとも言えます。(p.4)

 社会がどのようにこれから変わっていくかということを知ったうえで、学校という場で「デジタル化すべきところ」「デジタル化すべきでないところ」を切り分けていくことが重要だと思います。「データ×エクスペリエンスの切り口」で学びや学習の場としての学校を考えてみるのもおもしろいと思います。データ×エクスペリエンスは、これまでの教科内容を「教えるため」にも使えるし、新しいことを「学ぶため」にも使えると思います。

 ビジネスの例として、アフターデジタル時代のOMOという思考法が紹介されています。OMOは「オンライン(Online)」と「オフライン(Offline)」の融合についての考え方です。これは、企業活動だけでなく学校でも取り入れられる考え方ではないかと思います。

オフラインからオンラインへと生活基盤の移行が進む中、いまビジネスを行う私たちにとって必要なことは何でしょうか。その1つの解として私たちが考えているのが、アフターデジタル時代における成功企業が持っている思考法としての「OMO(Online Merges with Offline、またはOnline-Merge-Offline)」という概念です。これは、オンラインとオフラインが融合し、一体のものとして捉えた上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方を意味しています。

これまでは「インターネットをどうビジネスに活用するか」という考え方だったと思います。しかし今では、「リアルな場所や行動も常時オンラインに接続している環境」が整っているので、「オフラインが存在しない状態」を前提として、ビジネスをどう展開していくかを考える必要があります。アフターデジタルという世界観を正しく理解し、行動データや接点を正しく使うことができないと、世界的なデジタル企業に太刀打ちできないという時代になってしまったということです。(p.54-55)

 学校の授業、行事、保護者との連絡、情報共有など、OMOでやってみたらどうなるのだろう?何ができるのだろう?と考えてみるのもいいのではないかと思います。
 この文脈のなかで、オンライン学習の世界を大きく進めたと言えるだろう、カーン・アカデミーの創始者であるサルマン・カーンの言葉も引用されていました。

創始者サルマン・カーンは、「ユーチューブを使った教育はヒューマナイズド・エデュケーションだ(教育の人間化)」と言っています。一見すると機械を通じた授業は無機質に見えますが、教室で教師が教える授業は複数の生徒に向けていっぺんに教えるので、生徒一人ひとりへの個別対応が難しい状況です。授業についていけなくても、他の生徒が聞いているので、「ここが分からないので教えてください」と繰り返し質問しづらく、逆に理解できている生徒からしたら「動画なら早送りできるのに」と思いながらも聞かなくてはいけません。また先生の体調や気分次第では、一人ひとりへの対応が十分にできない日もあるでしょう。それなら、ユーチューブで授業を聞いたほうが、生徒は自分自身のスピードで学ぶこともできるし、分からないところは何度も繰り返し聞くことができます。

カーンが提案しているのは、生徒はまず自宅でユーチューブの授業を聞いて予習をして、学校では授業で分からなかった箇所を生徒同士で教え合ったり、教師に質問したりするという方法です。このほうがずっと効果的との指摘もあり、学校での学びも変わりつつあります。

カーンが「ユーチューブを使った教育はヒューマナイズド・エデュケーションだ」と言っているのは、IT技術を取り入れれば、生徒の個別課題に対応しやすくなるので、大勢に向けて授業をする大量生産型の教育と比べて、生徒一人ひとりをより人間扱いできるという意味で「教育をよりヒューマナイズド(人間化)する」と言っているのです。つまり、アフターデジタル時代の顧客体験は、データやIT技術を生かして、いかにユーザーのリアルペインを解決するために、ユーザー一人ひとりにきめ細やかな対応ができるか、そこからいかに人間対人間のコミュニケーションを築いていけるのかが問われているのです。(p.125-126)

 デジタルを使うことで、「人間らしい温かみがなくなってしまう」というようなコメントをする人もいます(以前に比べたらすごく減ってきたように思っていますが…)。でも、サルマン・カーンさんは、生徒一人ひとりをより人間扱いできるという意味で「教育をよりヒューマナイズド(人間化)する」と言っているのです。こうした面があることも、知っておく必要があると思います。
 データやIT技術を生かして、「ユーザーのリアルペインを解決する」という部分、「ユーザー」を「学習者」や「保護者」に置き換えて読んでみるといろいろと学校の問題を解決できるのではないかと思えてきます。

ここには、2つの観点があります。まずは「自動化・最適化」です。これができるようになると、人間がわざわざやっていた「余計な作業」がなくなります。これによって人の仕事がなくなると考えるのではなく、「余計な処理や情報収集の時間が消え、空き時間が生まれる」と捉えます。空き時間は「人」という貴重なリソースを使えるので、感動体験や密なコミュニケーションに充てることが可能になります。

もう1つは「個別化」です。デジタル上で常時接続してユーザーの行動データが取れているからこそ、「ユーザーが困っている瞬間とその困りごと」が、前後関係やその人の特性を含めて理解可能になります。正しいタイミングで、正しい形で適切なサポートを提供できる。それが、ユーザーとのさらなるエンゲージメントを生み出し、付加価値となるのです。(p.127)

 著者の一人である尾原和啓さんは、あとがきで「デジタルは人の善さを引き出し、コツコツが認められる社会のために」と書いていました。こうした面もあるのだと知ったうえで、デジタルをどこにどのように導入していくのかということを考えていくべきだと思います。
 本書『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』は、教育がテーマの本ではありませんが、教育の文脈に持ち帰ることのできることもたくさんある本だと思いました。

 ちなみに、アップデート版というか続編『アフターデジタル2 UXと自由』もあります。

アフターデジタル2 UXと自由

アフターデジタル2 UXと自由


(為田)

やってみた:NHKゴガク 語学講座で「ラジオビジネス英語」を勉強します

 4月になり、新学年も始まって、NHKの語学講座も新年度となりました。NHKの語学講座は、以前からやりたいなと思っていたのですが、なかなかテレビでリアルタイムで見る、ラジオでリアルタイムで聴く、というのが生活サイクル的に厳しかったので、このタイミングで思い切ってアプリでやってみようと思いました。
 NHKの語学講座は、「NHKゴガク 語学講座」というアプリをiOSAndroidの両方で利用することができます。

www2.nhk.or.jp

NHKゴガク 語学講座

NHKゴガク 語学講座

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • 教育
  • 無料

 「単語マスター」で単語の勉強ができるだけでなく、「英語 ラジオ番組ストリーミング」「英語 英会話トレーニング」「中国語 声調確認くん」なども選ぶことができます。僕は、「ラジオビジネス英語」にチャレンジしようと思います。ラジオビジネス英語は、1週間分が、まとめて次の月曜日に利用ができるようになります。通勤時間で1日に1本ずつ、少しずつやっていこうかな、と思っています。
 ちなみに、Lesson1のテーマが「オンライン会議前の雑談」なのは、すごく現在進行系なテーマ設定だな、と感じています。ビジネスミーティングのときに、「逆光で見えないよ」とか、さらっとなかなか言えないので、こうしたテーマが設定されるのはいいなと思います。
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 学習するごとにトロフィーを集めることもできます。トロフィーを集められたりするのは、テレビやラジオではできないことなので、これも自分の学習にどんなモチベーションを与えてくれるのか、試してみようと思います。
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 英語を学習するアプリやサービスはたくさんあります。自分のペースでどんどん先に進んでいく、というものもあるのですが、僕はどちらかというとラジオ放送のペースで進んでいくというふうに、ペースが決まっているほうががんばれるように思うので、こちらでがんばってみようと思います。
 自分が中学校や高校に通っているときに、英語の授業の最初に先生が「基礎英語を聞きなさい」と言っていたのをいまでも覚えています。でも、通学時間の都合があったり、部活の朝練が始まったり、いろいろな理由で受けることができなかったなあ、と思い出します。
 いまは、こうしてアプリがあって、ストリーミングで聴くことができるので、学び方の幅が広がっているように思います。GIGAスクール構想で配備される情報端末を使って受講する生徒もいるかもしれないな、と思います。僕も、この学習方法に慣れてきたら、高校生向けのコンテンツにも取り組んでみようと思います。

(為田)

掛川教育フェス2021イベントレポート No.3(2021年3月28日)

 2021年3月28日に、掛川教育フェス2021に参加させていただきました。掛川教育フェス2021は、野中潤 先生(都留文科大学)と、吉川牧人 先生(静岡県立掛川西高等学校)が共同リーダーを務めますGEG Fujiと、掛川に本社を置くエンジニア派遣会社である株式会社リツアンSTCが実行委員会を作り、「新しい自分に出会え! ~ニューノーマルのその未来へ~」というテーマで、3月27日と28日に開催したイベントです(3月21日にもプレイベントを実施)。

 今回のイベントは、Stream Yardを使って配信されていました。画面下にテーマをタイトルとして表示させることができたり、書かれたコメントがリアルタイムに画面に表示されたりして、非常におもしろいと思いました。こうした運営側のシステムについても、どんどんノウハウが共有されていくと、こうしたオンラインイベントの運営や、学校の授業やイベントのオンライン配信などもどんどんできるようになっていくのではないかと思いました。
streamyard.com

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 運営に関わっていた皆様、本当にどうもありがとうございました。

(為田)