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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

佐賀県立神埼高校 フリー参観デーに参加しました

公開授業 取材

 佐賀県立神埼高校にて、フリー参観デーに参加してきました。「先進的ICT利活用教育推進事業成果発表会」の一環として行われているほか、中高連携公開授業とされていて、数学の先生方の見学が非常に多かったです。全部で8コマの授業が公開されます。手渡された文書によれば、さまざまな形態で授業に導入している、とのことです。何でもかんでも「とにかく使えばいい」というよりはずっと正しいスタイルだと思います。
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 タブレットPCを導入したことで、外からの視点が大きく入ることになり、結果として教授方法についてディスカッションをしたりするのが増えている学校もあるようです。

国語総合

 今回見学したのは、高校1年生の授業でした。最初は国語総合の授業。タブレットPCを起動させて、小テストを実施していました。この小テストは、LMSのシステムに入っているオンラインテスト機能を使って、先生が作っているとのことでした。「慣れたので、2〜3分です」とおっしゃってました。単元をいくつかまとめて作ると速そうです。その後、国語の教科書をタブレットで開いて授業に進む、という感じでした。スムーズに授業が進んでいきます。
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生物基礎

 生物基礎の授業は実験でした。特別教室にも持って行けるのはタブレットの大きな利点。どんなふうに使われているのか、見学に行きました。実験のレジュメをLMSのフォルダから見てもらい、実験を進めていきます。
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 実験の最後には、スケッチと感想の入力もタブレットPCで行っていました。スケッチはカラーを使えていいですね。「写真を貼り付けておけばいいんじゃない?」と言っていた男子生徒もいましたが、なるほど、そういう意見も出ますよね。スケッチは事前の予想のために描かせるとか、写真の上に説明などを書かせるとか、さまざまな応用ができそうだと思いました。
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 顕微鏡での観察だったので、カメラをそのまま接眼レンズに乗せて撮影する生徒たちもいました。話を聞いてみると、「ピントを合わせるのが難しいから、動画で撮ってるんです」と言っていました。そして、タイムラインをスライドさせて、いい箇所を切り出して静止画で保存していました。スキルあるなあ。
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物理総合

 物理総合の授業では、周期と振動数の話を説明するときに、大きな実験器具で見せるだけでなく、動画をタブレットPCに送信してそちらで見せて、その後でグラフを板書して説明、という形でした。授業をされていた先生と、後でお話をさせていただいたのですが、高校1年生時の基本的なものについては、なかなか動画教材などが少ないのが現状とのことで、ちょっと説明に使える素材があると助かるのに…とのことでした。
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コミュニケーション英語

 コミュニケーション英語の授業では、ワークシートがLMSを通じて配布されて、CDで英文の読み上げられるのを聴きながら、ワークシートにペンで書き込んでいく、という授業でした。
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 また、タブレットPCをプレゼンテーション用に使い、画面を示しながらプレゼンテーションをする練習もしていました。このあたりは、デジタル教材が充実してくると、教室に1台のCDプレイヤーで、同じスピードで誰もが読む、というのではなく、自分なりにスピードを調整したり、わからないところは何度も聴き直したり…というような学習の個別化がもっと進んでいくだろうな、と感じました。

数学I

 数学Iの授業では、Grapesを使って二次関数のグラフを自分で軸を動かしたりしながら、最大値や最小値について考察する授業をしていました。こうして、「グラフを書く」という手間のかかる作業をICTで行うことで、そのぶん、「思考する」時間を多くとることができると思いました。
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 電子黒板には、常にグラフが表示されており、さまざまな値を入れ、グラフを何度も描き直します。そして、説明は板書で行っています。すべてを電子黒板に移す必要はまったくないので、こうして、電子黒板+通常の板書、という形で、教室での教え方が最適化されていくのだと思います。
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まとめ

 最初に学校側から配布されたプリントにあったように、さまざまな形態で行われている授業を見学できてよかったと思います。見学に来られていた先生方も、「こういうふうに使えるのか」と思う部分もあったようでしたし、「こういう教え方もできるかもしれない」とアイデアをお持ち帰りになられた先生もいらっしゃったのではないかと思います。
 そうして、先生方がディスカッションを重ねて、アイデアを重ねて、ICTを利活用した、「よりわかりやすい」授業ができていくのだと思います。こうした試みが積み重ねられた上での知見は、全国の教育委員会、学校、学習塾にとって、非常に有益であると感じました。