ブログメディア「S-MAX(エスマックス)」にて、2018年8月6日にNTTドコモ東北支社で開催されたドコモ教育ICT加速化支援プログラム 二次選考会の様子が紹介されました(NTTドコモが学校授業での活用のためタブレットや回線を宮城県富谷市と気仙沼市に貸与!東北支社で「ドコモ教育ICT加速化プロジェクト」の2次選考会を開催【レポート】 - S-MAX)。
ドコモ教育ICT加速化支援プログラムとは
ドコモ教育ICT加速化支援プログラムは、5月13日のイベント「みんなでつくる!情報時代の学校~教師・家庭・地域・民間をICTでつなぐとできること」にて、NTTドコモ東北支社の阿部智さんが発表した、教育現場でのICT活用を支援するためのプログラムです。
ドコモ教育ICT加速化支援プログラム概要
- ドコモはこのプログラムで何をするのか?
- LTE 機能を搭載したタブレット端末(iPad/chromebook)を貸し出します。
- プログラミング教材(embot/microbit)を貸し出します。
- 貸出期間は 2018 年 9 月~2019 年 7 月を予定しています。
- 応募制(書類選考+プレゼンによる選考)
- ドコモはこのプログラムをなぜやるのか?
- こんな自治体/学校法人におすすめ
- 現状の環境整備計画の推進のためにモデル校事業を検討している。
- 現在行っている調査研究事業における情報端末の拡充を検討している。
- 現状の整備状況や運用上の課題やトラブルを解決したい。
- 新しい学習指導要領施行に向けて、教員の育成や授業研究など準備をしたい。
- 想定している教育事業
- 情報活用能力の育成(カリキュラム横断型の探究活動やプログラミング)
- 社会に開かれた学校教育の実現・企業連携
- へき地校・小規模校での ICT 活用
- 特別支援教室での ICT 活用
応募資格があったのは「東北地方にある県市町村の教育委員会・教育センター / 学校法人」で、一次選考を通過したのは、宮城県気仙沼市と宮城県富谷市の2自治体でした。
二次選考会の様子
今回、宮城県気仙沼市と宮城県富谷市の2自治体によるプレゼンテーションが実施されました。NTTドコモ東北支社法人営業部長 山田広之 氏、東北学院大学教授 稲垣忠 先生、宮城教育大学准教授 安藤明伸 先生、弊社フューチャーインスティテュート株式会社 佐藤靖泰 の4人が選考委員として参加しました。
気仙沼市は小規模校や複式学級(違う学年が同じクラスとなっている)が多い自治体だそうで、今回NTTドコモよりタブレットや回線が貸与されたら、複式学級の指導時に教員が一方の学年の指導中、もう一方の学年の児童にはタブレットで学習をさせるという計画が発表されました。また、野外での生き物などの観察時にタブレットで生き物の種を調べたり、カメラなどで撮影し後で調べられるようにしたり、といった計画も発表されました。
富谷市は、NTTドコモ東北支社や東北学院大学、凸版印刷などと共に富谷市立明石台小学校にて、タブレットを使って課題を家庭から提出させる反転学習などの研究を行ってきました。そうした反転学習の取り組みへのさらなる改善に加え、特別学習や校外学習での活用を計画していると発表されました。
気仙沼市と富谷市のプレゼンテーションの後で、選考が行われ、選考委員の一人であるNTTドコモ東北支社の山田さんから、「2自治体両方にタブレットや回線などの貸与を行う」と選考結果が発表されました。
今回のプロジェクトの事務局を担当しているNTTドコモ東北支社の阿部さんは、今回の選考会を受けて、以下のようなコメントをしています。
これまでいくつかの教育委員会や私学の担当者とお話しして来た中で、学校教育の情報化に向けて取り組みたい教育施策・事業があっても、ドコモが得意とするタブレット端末などのハードやネットワークがなくて困っているところは多いと感じました。また、5月に行なった「みんなでつくる!情報時代の学校」で報告させていただいたように、ドコモにはこれまでに協力してきた実践事例や硏究実績、運用の中で得たノウハウもあります。これらのことから、このドコモ教育ICT加速化支援プログラムでは、ハードとネットワークだけでなく、学校でのICT活用のノウハウも合わせて貸出提供することで、学校教育の情報化、情報化の加速化〜普及をサポートしたいと考えました。
今回、採択された気仙沼市・富谷市において、共通していたテーマは「児童の情報活用能力の育成」でした。知識や技能の習得にももちろんICTは効果があると思っておりますが、新しい学習指導要領では、探究活動や、それによって課題解決に取り組むこと、また、情報モラルや、プログラミングなどを含めた「情報活用能力の育成」が、学習の基盤となる資質能力として重要なポジションに位置付けられています。ドコモ教育ICT加速化支援プログラムには、セルラータブレットの他に、探究活動やプロジェクト型学習のツールとしてロイロノート・スクール(株式会社LoiLo様提供)、また、児童一人ひとりの個別適応学習、習熟度把握のツールとしてやるKey(凸版印刷株式会社様提供)も含まれております。これらのツールの普段の授業での活用が「情報活用能力の育成」に役立てるよう、引き続きサポートして行きたいと思いますし、こうした取り組みが、東北における学校教育の情報化の普及につながるよう情報発信して行きたいと思っています。
気仙沼市、富谷市で、どのようにタブレットが活用されるのか、注目していきたいと思います。学校単位に貸し出しているのではなく、自治体単位で貸し出しているので、多くの学校で使う事例が積み重ねられればと思います。複数の学校でタブレットを使うときには、WiFiの設定が必要ない、セルラーモデルの強みが出るのではないかと期待しています。2019年7月に成果報告会が行われる予定になっています。
No.2へ続きます。
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(為田)