研究員の為田です。今日は、お手伝いしている小学校の授業を紹介したいと思います。
ICTを教育現場に導入するときに、「今まで教室に持ち込めなかったものを持ち込むことができるようになります」ということを、効果(=ICT導入の目的)としてお伝えしています。我々はこれを「教材拡充」の効果と呼んでいます。
僕は、西武学園文理小学校(埼玉県狭山市)の小学校6年生が1年間かけて取り組んでいる卒業研究の授業をお手伝いしています。6年生は3学期に1年間かけて研究してきたことを発表するのですが、その発表が聞いている人たちにとって「わかりやすい」「説得力がある」ものになるように、中間発表などの機会をもうけて、講評をさせていただいています。
6年生全員に講評をするのは大変ではあるのですが、先生方とは違う視点で、社会人が講評をすることで、児童たちにも伝わるものもあるようです。
Skypeを使ってビデオ通話をつなぎっぱなしにしておいて、プレゼンテーションのときには教室の方で先生がスクリーンにスライド(PowerPoint)を写し、講評をするときには僕の顔がスクリーンに映し出されます。この間に、先生はカメラを教室の児童たちの方に向けてくださるので、講評をする僕の方から教室の様子を見ることができます。
講評では、「いちばん伝えたいことは何?」「これって、みんなが納得できること?」「他に例はないの?」などと質問をしていきますが、その質問を受けた時の児童の様子も見ることができますし、僕の質問をするときの表情が教室にも映されているのは、表情も合わせてコミュニケーションがとれるので、非常に有効だと思いました。
先生方の協力もあって、スムースに授業が進行しました。3クラスで各クラス5人くらい。さまざまなテーマがでてきます。
1人でも多く、プレゼンを熱意を持って、冷静にロジカルにやって、自信を持ってもらえればな、と思います。年度末の保護者の皆さんを招いての発表会まで、何度かこの形で授業に参加していきます。
Skypeを通じてのプレゼンテーションと講評は、今年度が初めての試みですが、うまくいくようであれば、もっと多くの講評者にゲストで参加していただいたり、専門家からのミニスピーチと質疑応答を授業内に取り入れたり、ということもできるようになっていくのではないかと思います。
ゲストを学校に連れてくるのは時間の制約などもありますが、ICTを利用してゲストを教室とつなぐことができると思います。
たかがSkype。難しい技術も、専門知識も必要ありません。ですが、うまく組み込むことができれば、授業の効果を大きく高めることができるのではないかと思います。
(研究員・為田)