教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

『アクティブラーニング 「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる』

 京都教育大学附属桃山小学校の若松俊介先生から、著書『アクティブラーニング 「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる』を献本していただきました。ありがとうございます。

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

「深い学び」を支える学級はコーチングでつくる

 若松先生の授業は、これまでに何度か見学させていただいていて、このブログでも紹介をしています。1枚、為田が撮影したとても印象的な写真があって、その写真から見える授業の様子をレポートした文章を、転載します。

 6年2組の授業では、「桃小ピカピカプロジェクト」の中間報告会を行っていました。現在の「学校の課題」について考えて、学校をより良くするために、グループでどの学年に何を伝えるかを消え、伝えるものを制作しています。制作したものをみんなで見て、ふりかえりを行い、さらに作品を再構成していく、という授業でした。

 発表するグループが、ムービーを見せて、プレゼンテーションをします。司会をするグループがホワイトボードのところにいて、議論をリードして、教室全体で意見を集めていきます。
 下の写真で、教室のいちばんうしろに座って、全体を見守っているのが、担任の若松俊介先生です。じっと教室全体を見て、議論の進行は、司会をしているグループの子たちに任せていました。議論の途中で、若松先生が2つの案を比較して、「どっちがいいと思う?」と訊くと、司会をしていた児童たちが「それ、ずっと訊きたくて我慢してたのに!」と怒る場面がありました。若松先生がしたいと思っていた発問を、議論をリードする子どもたちも同じように持っていて、しかもそのタイミングを図っていた、というのは、担任の先生として心強いだろうな、と思いました。


(参考:京都教育大学附属桃山小学校 教育実践研究発表会 レポート No.2 (2016年11月25日) - 教育ICTリサーチ ブログ

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 どうやったらこんなふうな教室になるのだろう?こんなに自分だったら我慢できるだろうか…と思ったことを覚えています。若松先生に授業の後で、「この写真、よくないですか?」と見せたら、とても気に入ってくれたのを覚えています。すごく、若松先生のクラスっぽい写真です!

 今回の著書をお送りいただく時に、若松先生はこの写真に触れて、以下のように書いてくださいました。

為田さんに撮っていただいた私が後ろに座っている写真は宝物です。
ああやって任せられるようになるまでの過程を書かせていただきました。

 まさに、こうして授業を任せられるようになる過程が書かれている本だと思います。本の中で、コーチングのメソッドを通じて、若松先生の学級経営の意図を解説してもらっているようでした。
 こうして「子どもたちに任せられる」=「アクティブラーニングが成立する」学級を作るために、3つのステップが紹介されています。

  1. 子どもに気づきを与えるコーチングステップ1
  2. 子どものトラブルを活かすコーチングステプ2
  3. 教師が消えるコーチングステップ3

 最後のステップ3の「教師が消える」は、まさにいちばんうしろに先生は座って、司会も発問もぜんぶ子どもたちに任せている、若松先生のあの授業そのままだな、と思いました。本当にそんな感じの教室でした。司会をつとめていた子どもたちに、「それ、ずっと訊きたくて我慢してたのに!」って、若松先生が怒られていましたから(笑)

 メソッドを知ることと、実際にクラスで行ってきたことをふり返ってきた、リフレクションしてきた経験談も書かれています。そうした過程もわかるのは、先生方にとって若松先生が学級経営をしながら行ってきた試行錯誤を疑似体験ができていい手法だな、と思いました。


 若松先生に、どんな人、どんな先生に、この本を読んでもらいたいと思いますか?と訊いてみました。

「アクティブ・ラーニング」「深い学び」って言われてもどうすればいいのか悩んでいる人や、学級で子どもたちとのやり取りに困っている人に読んでほしいなと思います。僕自身、毎日悩みながら子どもたちと過ごしているので、悩みを共有させてもらえたら有り難いです。「僕はこうしてるよ。」」「私はこうしてるよ。」」「こうすれば子どもがいきいきするんじゃないかな。」って話が聞けるとさらに有り難いです。これからの教育を一緒に考えられればいいなと思います。

 ひさしぶりに若松先生の授業が見たくなりました。また伺わせてもらおうと思います。

(為田)