2017年9月15日に小金井市立前原小学校において、英語活動の授業公開が行われました。公開されたのは5年2組の授業で、Chromebook+EnglishCentralを活用する授業を見学してきました。 授業が終わった後に、場所を移して協議会を行いました。
今回は、協議会の中での、授業を担当された石井康友 先生による授業者ふりかえりと児童によるリフレクションをレポートしたいと思います。
今回、授業の最初に石井先生は、EnglishCentralの教師用ツールを使って、上手な児童の発音をクラス全員で聴いていました。「This is _____.」という文章の発音を何人かのぶん、聴いていきました。ここでは、みんなで聴く教材が、ネイティブの発音でなく自分たちの仲間の発音であることに意味があるのではないかと感じました。(参考:https://blog.ja.englishcentral.com/2017/09/07/maehara-report-3/)
EnglishCentralでは、発音のどこの部分が違うのか、というのを細かく評価して見せてくれます。また、学習者一人ひとり、どの発音記号が苦手か、ということも見える化してくれます。下の画面のように、発音記号ごとに表示されて、赤く塗られている発音記号は苦手、黄色はまあまあ、緑に塗られている発音記号は得意、というふうに見ることができます。
石井先生は、授業の中で、「発音記号はわからなくてもいい」「見るのも聴くのもいいけど、口に出して練習して」「4分くらいやってみよう」と言い、児童を練習の方へ導いていました。
発音記号は大人でも苦手な人も多いですし、学びはじめの子どもたちには、まずは発話してもらうのが重要なので、こうした構成になっているのかな、と思いました。
ただし、授業設計上はそうですが、それは「発話さえすれば評価はしなくていい」ということではなく、「苦手な発音がある」ということを知ることもできる、ということだと思います。いますぐ発音記号がわかってすぐに使える、ということがなくても、練習を積み重ねることで、「この発音記号が苦手だ」とわかるだけでも非常に意味があると思いますし、後日の学びに繋がる可能性があると思います。そうした機能があるかないか、というのは大きな違いだと思います。
また、EnglishCentralは、ブラウザ上のコンテンツで、IDとパスワードさえあれば、家庭で学習することもできるので、家で保護者と一緒にやっている児童もいるそうです。石井先生は、「卒業後も使うことができる」ということについても評価をされていました。
石井先生に、何人かの児童のリフレクションのコメントを教えてもらいました。このリフレクションは、授業の最後に児童が書いたものです。
- 今回、自分からはまったく話せませんでした。だから、次こういう機会があったら自分から積極的に会話していきたいです。
- favoriteがむずかしかったです。
- きょうはなになにがすきなどというえいごをわすれかけていたので このえいごのじかんはいいきかいになったとおもいました。これからはいえでイングリッシュセントラルをつづけていきたいです。
- 今日は最高でも66%しかとれなかったので、次は100%とりたいです。話すのは、前よりアップしたのもあるし、さがったのもありました。次やるときは、もっともっとアップするように、練習したいです。
- 大人の人3人と話せてよかった。
- 今日は90%を6回程だせた 次は100%とはいわず150%を出したいです。
- 英語があまり、うまくしゃべれないから、もっとうまくなって次に生かしたい。あと、大人の人と、英語でしゃべれて、うれしかった!!
- 次は、もっときれいな発音が出来るようにしたいなと思います。自分のにが手な発音も練習していきたいです。
発音が評価される、というのは、「がんばるモチベーション」になっているというのがよくわかる感想が多いな、と感じました。
小学校で行う外国語活動(英語)の授業において、評価をするのはどうなのか、という質問をときどき先生方からされます。ですが、このリフレクションを読むと、問題は「評価がシビアなこと」ではなくて、「低い評価が出たときに、そこから評価を良くするためにどうしたらいいかがわからないこと」なのではないかと思います。
EnglishCentralを使って発音の練習をすることによって得られる利点は、以下のようなことかと思いました。
- 一人一人の発音に対して、明確に評価をすることができる。(=すべての先生がそんな評価をできるスキルを持ち合わせてはいない)
- システム/コンピュータ/機械が評価をしているので、先生は評価を上げるための児童の応援者に徹することができる
そうすると、先生がすべき仕事は、“EnglishCentralをすることへの動機づけ”と、“「みんなで頑張る」という環境づくり”になるのではないかと思いました。こうした先生の仕事の変容も、ICTを導入することによって、どんどん起こってくると思います。そうした面に、意識的でいられるかどうかは、先生方にとって大きな違いを生むように思いました。
No.3に続きます。
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(為田)