2018年6月4日に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催された、私塾界リーダーズフォーラム2018に参加してきました。参加者は450人を超え、会場は満席となりました。小学校で教科化した英語とICTというテーマへの関心の高さがうかがえます。
第3部の基調講演は、「今からはじめる小学校英語」。登壇されるのは、文部科学省外国語教育推進室 室長 金城太一 氏です。
現地にてTwitterで発信していた内容を中心に、補足をしたレポートを公開いたします。聞き間違いや勘違いなどにつきましては、為田の責任です。イベントレポートは、月刊私塾界にて、プロの手で報告レポートが出ると思いますので、後日、そちらもご参照いただければと思います。
最初に日本の英語教育の現状についてと、英語教育改革の全体像についての説明がありました。
文部科学省の外国語教育推進室は10名(事務方が4名、全国各地から来ている先生方が6名)。このメンバーで、席を並べて、現場の様子も聴きながら進めている。15万人の小学校の先生、3万人の中学校の先生、2万3千人の高校の先生、そして1200万人の児童生徒を相手に仕事をしている。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
日本の英語教育の現状。「発信力に課題がある」ということについては、最近になってから言われていることではない。何十年にわたって、提言され、対応してきたが、なかなか成果を出せていないところ。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
現行の指導要領の前から、総合的な学習の時間のなかで英語活動は広く行われていた。そして、新学習指導要領にて、小学校5・6年生で教科化。そして、外国語活動は小学校3・4年生からに。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
中学校では、「授業は外国語で行うことが基本となります」。小学校での教科化などは大きくメディアでも取り上げられているが、中学校は授業時数なども変わっていないため、あまり取り上げられていない。小学校からの接続もあり、中学校での外国語も大切。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
語彙などについても上がる。小中高と一本軸を作って、英語教育改革を進めていくことになる。(金城さん) #slf2018 pic.twitter.com/a12H84eXdE
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
高校については、「聞く」「読む」「話す(やり取り・発表」「書く」を総合的に学び、発信力を高める。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
その後で、小学校英語教育の早期化・教科化に向けて、文部科学省でどのような取り組みをしていくのかを紹介してもらいました。
文部科学省は、直接学校で児童生徒を教えるわけではない。文部科学省からの働きかけとしては、「教材」と「体制整備」。教材として、補助教材の開発などを行なっている。体制整備として、研修の充実、専科の先生を1000名加配を行う(2018年)。先生、専科の先生、ALTで授業作り。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
教材として、小学校中学年用「Let‘s try!」、小学校高学年用「We Can!」がある。Let’s Watch and Thinkという活動があり、映像を見ながら英語でまとまりのある話を聞き、英語の意味を推測したり話の概要を捉えたりする。デジタルとアナログを組み合わせて学ぶ。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
We Can!では、すべてのページにQRコードが掲載されていて、スマホでかざせば音声が再生されるようになっている。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
研修を支える動画が、YouTubeにアップされている。Small Talkや発音トレーニングもできるようになっている。また、年度内に「外国語教育ポータルサイト(仮称)」を開設予定。モデルとなる授業動画や指導案などを発信予定。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
文部科学省のYouTubeチャンネルで検索してみると、プレイリストも公開されています。発音トレーニングの方、非常にいいですね。楽しく発音の練習ができそうな感じです。
www.youtube.com
最後に、小学校の英語教育はどう変わるのか、ということについて説明がありました。特に、「言語活動」について詳しく説明をしてもらったのは、勉強になりました。
小学校、中学校における外国語教育の目標は、大きく変わらない。共通部分が多い。「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせる」「言語活動を通して」「コミュニケーションを測る資質・能力」(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
「言語活動」とは、「実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合う」活動を意味する。英語を用いていても、考えや気持ちを伝え合うという要素がない活動は、言語活動であるとは言い難い。例えば、発音練習や歌、英語の文字を機械的に書く活動は、言語活動ではなく、練習。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
どんな地域でも、同質な英語教育を受けられる、ということが、我々のミッションだと思っています。4技能の特に「話すこと」については、相手が必要。英語を使ってコミュニケーションする場面を先生は作ってもらう必要がある。民間企業の力を借りながら、英語教育の質を高めたい。(金城さん) #slf2018
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年6月4日
小学校で英語をどう教えていくのかということについて、文部科学省が取り組んでいることがよくわかりました。また、英語についてはICTとの親和性もある部分だと思うので、非常に楽しみです。
No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)