2018年仙台市教育センター 市民公開講座 情報教育フォーラム in SENDAI 「学校教育の情報化」を考える 、に参加してきました。会場からTwitterで発信していた内容を中心に、再構成してレポートします。
パネルディスカッション第2部のテーマは「これからの学校教育の情報化を考える」です。パネラーは、堀田龍也先生(東北大学)、安藤明伸先生(宮城教育大学)、山口裕子さん(仙台市PTA協議会 副会長)、仙台市立田子中学校 生徒会の皆さんです。 #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
パネラーに、中学生たちと、それから保護者代表としてPTAの方が入っているのは、珍しいと思いました。とてもいいことだと思います。
仙台市立田子中学校での実践報告
最初の発表は、仙台市立田子中学校の生徒会の皆さんによる、実践報告です。
田子中学校生徒会による、実践発表。生徒のメディア使用時間を調査したりもしていると。Why!?プログラミングを使って、プログラミングの授業も行なっている。プログラミングで生活をより便利にできるのではと思った。(田子中学校生徒会) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
プログラミングだけでなく、VRを体験したり、ドローンを体験したり、そういった発表をしてくれました。
発表してもらった後に、堀田先生から、「このプレゼンの準備にどれくらいかかったの?」と質問をされていました。
すべてのスライドを作成するのに、1時間くらいです。技術の時間にプログラミングをしているので、生徒全員慣れてきています。(田子中学校 生徒) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
「プログラミングの授業、Why!?プログラミングを見てやるの、意外と大変じゃなかった?楽しかった?」と堀田先生の質問は続きます。
楽しかったけど、コンピュータに指示を出すには、1つ1つをしっかりしなければならないので、思い通りに動かなくて、難しいとも思いました。細かく指示するのは大変。経験して、それがわかった。使っているいろいろな製品は、時間をかけて作られているとわかった。(田子中学校 生徒) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
ドローンもVRもすべてはじめての体験だったので、やってみると単純な作業なように見えるけど、やってみるとできなかったり、技術の奥深さを感じられた。VRは、ふだんできないことを疑似体験できるのが不思議だった。自分たちが担っていく今後の社会に活かしたい。(田子中学校 生徒) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
ドローンで人間がいけない場所へ行き、撮影したものをVRで見るというように、できなかったことができるようになる。未来が楽しみだな、と思っています。そうしたことを学校にいるときに体験できてよかった。(田子中学校 生徒) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
学校で広がっていく実践
田子中学校で行われているこうした授業は、さらに小学校にも広がっていくことを堀田先生が話し、実際にどのような実践が広がっているのか、またその背景にはどんな事情があるのかを、安藤先生が紹介してくれました。
「どうしてプログラミング教育が重要なのか」。主要耐久消費財の世帯普及率の推移を見てみると、いかに多くのテクノロジーが、100%に近づき。「こんな社会になるなんて」ということは多い。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台市の小学生のプログラミングに対するイメージは、「近代的な」「カッコ良さそう」「必要がありそう」「勉強っぽい」「苦手そう」「難しそう」というイメージだった。出前授業の前後で、「辛そう」は「楽しめそう」に、「難しそう」は「簡単そう」にシフト。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
実際にやってみると、「できそうかも」「楽しい」というふうになっていくのですね。
コンピュータを使える、アプリを使える、ということは前提になりつつある。そこから、「コンピュータを知る」ということが必要になりつつある。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
仙台市の取り組み例。柳生小学校では、6年生の図画工作で、はじめ・なか・おわり(国語で学ぶ内容)に、ロボットの動きをプログラミングする。試行錯誤しながら、表現を充実させていく。グループの中で対話をすることもできている。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
図工を図工としてだけ教えなければならないのではなく、プログラミングやICTを使って図工を学ぶことも考えていかなければならない。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
中学校の技術科での実践になると、「問題を解決する」という視点が入ってくる。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
プログラミング教育が少学校で必修化されることがどういうことなのか、堀田先生から安藤先生へ質問がありました。
学校でこそ教えなければならない、「コンピュータのことを知る」とはどういうこと?(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
学校の体育でサッカーを教えていても、サッカー選手を育てているわけではない。プログラミングも同じではないか。(安藤先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
小学校においては、やはりいろいろな可能性を子どもたちに体験してもらう、そういう場であることが大事だと思うので、その中のひとつとして、プログラミングも入る、ということだと思います。そう考えると、やはりアンプラグドで止まってしまうと、ちょっともったいないな、という感じがします。
保護者目線で教育の情報化はどう見えているのか?
最後に、PTA代表の山口さんに、堀田先生から「保護者目線で田子中学校の実践はどうですか?」と質問がされました。
Pepperやドローンの背景まで、自分たちで考えてそれをきっかけとして考えようとしているのが素晴らしいと思いました。不安なこととしては、スマホを使っていると学力が低下してしまうという話を聞いたこともあるし、視力は?電磁波は?ということは心配ではあります。(山口さん) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
保護者目線での質問に、堀田先生から返答もありました。
最後の問題については、東北大学で研究しています。スマホの使用時間と学力については、相関はあります。スマホを使う時間と勉強をする時間がトレードオフになっている。だから、「スマホを使いすぎないようにしよう」という運動をしているのかな、と思いました。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
スマホを使わない方が、勉強する時間があるのは自明だが、では、使わないでいいのか?どう折り合いをつけるのかということが大事なのではないか。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
保護者のなかには、未知の不安はあるかもしれない。プログラミングって何?という人もいると思うし、プログラミングを学ぶとプログラマにならないといけないの?というふうに思ってる人もいると思う。(山口さん) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
今日の情報教育フォーラムを、先生方だけでなく保護者の方にも参加をオープンにしているのは、そういう保護者の方にも理解していただきたい、という仙台市の思いなのでは?PTA=保護者からの発信というのも大事だと思う。(山口さん) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
市内のPTAの会合などでも、「子どもが学校で新しい学びを体験してきたら、どういうことやったの?」と絡むように伝えてあげるといいかもしれませんね。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
学習指導要領には、「小学校でプログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」をするように、書かれている。保護者の理解に支えられた学校教育の推進が必要。(堀田先生) #情報教育in仙台
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年1月22日
こうして保護者の不安というかわからないことに、少しずつでも答えていくことは、学校でのプログラミング教育など新しいチャレンジを継続していくために重要だと思いました。
児童生徒、保護者も含めた多様なパネリストが参加するのはおもしろいと思いました。仙台市の教育の情報化にとても興味を持てましたし、今後が楽しみになりました。学校での授業実践も見に行かせてもらおうと思いました。
(為田)