教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

福井教育フォーラム(2014年10月16日・17日)

 10月16日(木)と17日(金)に、福井教育フォーラムに参加してきました。
 フォーラムは2日間でプログラムがわかれていて、1日目は、大阪大学大学院志水先生による記念公演とシンポジウム。2日目は福井県内でテーマ別に選定された学校の授業参観でした。私は、「授業名人による身近なものを教材として活用した理科指導」ということで福井市進明中学校に参加しました。
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1日目 プログラム:記念講演「福井県の学力・体力がトップクラスの秘密」(大阪大学大学院人間科学研究科 志水宏吉 教授)

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シンポジウム「考えよう、これからの学力向上に大切な視点」

大阪大学大学院人間科学研究科教授 志水宏吉 氏
東京大学大学院教育学研究科教授 秋田喜代美 氏
福井大学大学院教育学研究科教授 松木健一 氏
茨城県阿見町立朝日中学校教諭 高栁宏子 氏
福井県教育委員会教育長 林雅則 氏
コーディネーター : 日本教育新聞社編集局長 矢吹正徳 氏
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福井県の教育を支える「あたりまえ」と「つながり」

 福井県は、地域の特性として非常に教育に関心が高いという前提はあるものの、それ以上に根付いている文化を強く感じました。ひとつは、“あたりまえ”を“あたりまえ”にやる文化です。福井県は特別な取り組みを実践しているわけではなく、教育委員会から学校現場、ひいては地域や家庭にいたるまでまじめに教育に取り組む文化が根付いているようです。また、研修や教科研究などの活動が活発でしっかり教師同士がつながる仕組み・環境を作っています。また、福井大学教職大学院は学校拠点方式という教員養成プログラムを採用しており、しっかり学校現場に入り込んで課題をともに解決したりしながら「学び続ける教師」の育成を行っている。学校現場を教師の学びの場として捉え、養成学校と学校がより密接につながって教師力を向上させ続けているようです。現場主義とも言える取り組みが福井の指導力を支えているのかもしれません。
 さらに実際の学校運営では、思い切った学校公開を行うことで、地域や家庭をつなげて子供達を支え抜く環境を作っているようです。大人があたりまえに学び続ける環境が子供たちの学びを支えているのかもしれません。

2日目 学校公開:福井市進明中学校「授業名人による身近なものを教材として活用した理科指導」

 今回参観した授業は中学校1年生の理科、光の反射についてでした。身近なものとして鏡を教材といて活用し、1枚の鏡に自分の全身を写すにはどうしたらいいのかという命題からスタートしてました。教材は、鏡やビニールテープなど身近なものを使いながら、体感をしながら学んでいくスタイルでした。鏡に全身を写すにはどうしたらいいのかを日頃の経験から意見を出させ、日頃あいまいな認識であることから実験を通してしっかりとして知識を体感として身につけていく授業の設計には非常に感心しました。全身を使って活発に取り組んでいたため生徒が写り込んだ写真しかなく掲載してお伝えできないのが残念。
 ただ、授業の内容もさることながら、非常に印象的だったのは積極的な生徒の授業参加です。おそらく、半年をかけてじっくり教師・学校がひとつの方向を向いて取り組んできた成果なのだと強く感じ、ひとつの授業設計ではなく継続的な取り組みがいい授業を生んでいるのだと思います。昨今ICTの活用が唱われているものの、その活用以前にこういったあたりまえに、まじめに取り組む姿勢こそが大切なのかもしれません。
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(研究員・高岡)