2019年11月9日に「プログラミングを明日の授業に取り入れよう」をテーマに、docomoプログラミング教育セミナー in仙台が開催されました。
このセミナーは「今までの授業にプログラミングをどのようにとりいれたらよいか」についての講演とワークショップの二部構成でした。
第一部には、宮城教育大学教授の安藤明伸先生がご登壇されました。安藤先生は、文部科学省 中央教育審議会専門員(初等中等教育分科会)情報WG委員や小学校プログラミング教育の手引作成委員等を歴任されています。
安藤先生からは「小学校プログラミング教育で求められていること」と題して、プログラミング教育のねらい、情報活用能力としての位置付け、プログラミング的思考等プログラミング教育で求められていることをコンパクトにまとめていただきました。また、参加者の中にいらっしゃったヘビーリピーターの先生にもご配慮しいただき、最新の具体的事例もわかりやすくお話しいただきました。
テーマである「プログラミングを明日の授業に取り入れる」ために、プログラミング教育をどう見るかという教師の視点・切り口をいくつか紹介いただき、生徒児童がプログラミング体験することによって、プログラムの働き・良さへ気づき、プログラミングによってできることが増えることが子どもたちにとっては楽しい学びであり、主体的な学習活動につながる。そのためにまずは先生が第一歩、と締めくくりました。
第二部では、弊社フューチャーインスティテュートから佐藤が登壇し、まずはembotの概要説明とそのプログラミングアプリの使用方法等について説明しました。レベル1相当の簡単なプログラミングやレベル4相当のフローチャート機能を使ったプログラミングまでの一部をご紹介しました。
続いて、小学校第6学年算数「順序よく整理して調べよう[並べ方と組合せ方]」を題材に、「この学習の第1時にembotとそのプログラミングアプリを取り入れるとしたら、どんなことが考えられるか」について、ペアになって実践的にご検討いただきました。新学習指導要領に例示された単元ではないので、いわゆるB分類に相当する部分であり、ご参加の先生方にとっておそらくはじめての授業構想の時間になりました。
学校現場では「A分類として示されている事柄をなんとか…」ということで精一杯かもしれません。しかし、これまでの教材をembotやプログラミングアプリに置き換えてみるという体験を通して、教科の目標達成とプログラミング体験をどのようにして両立させていくかといった、プログラミング教育完全実施向けた教材研究の一端をご体験いただけたのではないかと思います。
ビジュアル型プログラミング言語もembotに代表されるロボット型教材も素晴らしいものがたくさん登場しています。全国各地で行われている教員研修では先生方が子どもたちになりきってScratchやViscuitなどを体験して操作方法を身につける機会もあるかと思います。「知る」「触ってみる」はもちろん大切ですが、それに加えて今必要なのは、実際の単元や授業での実践を想定した教材研究をすること、つまり「子どもたちの学びを豊かなものにすることを目指して、ICTやプログラミングをどう活用するかについて、みんなで議論すること」ではないかと思います。答えは出ないかもしれません。それでも、授業のプロである学校現場の先生方自身がプログラミング的思考を働かせて、ああでもないこうでもない(この場面では必要ない、といったことも含めて)と検討する機会を今の時期に持ち、続けて考えていくことが、4月からのスムーズな完全実施とその後の充実した授業実践につながるのではないかと思います。
来年1月には盛岡市でも開催予定です。お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。
(佐藤)