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福生市立福生第三小学校「やるKey」実証研究 No.2 協議(2016年2月19日)

為田が開発に参画している、凸版印刷の算数のアダプティブラーニングシステム「やるKey」についてのエントリーです。

 2月19日に、福生第三小学校で、凸版印刷が開発している、タブレットを利用した算数のアダプティブラーニングシステム「やるKey」の研究授業の後、研究協議会に参加させていただきました。
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 最初に、福生第三小学校の中野校長先生は、以下のようなコメントをされていました。

  • 非常に素直な子たちなので、「がんばろう」というと、本当にがんばる。
  • タブレットが身近なもので、どんどん学習を進めていく。
  • 中に入って、トロフィーをもらえるが、それが子どもたちのやる気になっていると思う。
  • 授業の中でどう使うか、というのは、今日見てもらって、もっといい方法があれば教えてもらいたいと思う。

 まさに、「授業の中でどう使うか、というのは、今日見てもらって、もっといい方法があれば教えてもらいたい」というのが、実証研究を行っている我々の思いでもあります。
 実際に授業の中で使ってみると、新しい問題などもあると思いますし、先生方の思いもあります。例えば、中野校長先生がおっしゃった「トロフィーをもらえる」というところも、「それではゲームっぽくなりすぎないか?」「そればかり気にするようにならないか?」という意見をおっしゃる先生もいらっしゃいます。実際に授業の中で、どのように使われるのかをこれからも見続けていく必要があると思います。


 授業者である鹿子木先生からは、以下のようなコメントがされました。

  • 子どもたちは、やるKeyが大好きで、毎日取り組んでいる。宿題としても出しているし、算数の授業の最後に時間をとっている。
  • 子どもたちをやる気にさせる工夫がある。トロフィーをもらえるところ、間違えても問題に取り組めばコインがもらえるようになる、など。それに対して、「よくがんばってるね」と褒めている。
  • 先生アカウントで、子どもたちのがんばりを見られるので、週末に持ち帰って、データを見て、「月曜日に褒めてあげよう」と考えたりもしている。
  • 目標を決められるところもいい。
  • タブレットのいいところは、リアルタイムでどういう答え方をしているか、どういう誤答をしているかというのがわかるようになっている。
  • 単元を絞ったら、得意そうなところ、苦手そうなところがわかり、個に応じた指導ができるのがいいところ。

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 やるKeyを通じて、先生方が今まで「きっとこうだろうな」と授業の中でだけ見取っていた部分が、しっかりデータとして見ることができるようになり、それが先生方の見取りの助けになればいいな、と思います。
 また、授業設計の助けにもなればと考えていますので、鹿子木先生のおっしゃった、先生アカウントで子どもたちのがんばりを週末に見て、「月曜日に褒めてあげよう」と考えたりもしている、という使い方は、非常にうれしいです。


 協議会の中では、東北学院大学教養学部准教授の稲垣忠先生に、やるKeyを使った鹿子木先生の授業についての講評を、Skypeでしていただきました。以下、メモとして記録します。

  • 子どもたちが楽しんで取り組んでいる様子が伝わってきた。
  • 進捗や習熟を授業中にモニタリングできるのがやるKeyの利点の1つ。
  • 今回は、モニタリング画面という先生の「手の内」を子どもと共有する使い方が興味深かった。クラスみんなで集まって学んでいる授業場面では、こうした使い方から学び合いをしかけるのもツールを使う価値だと思う。
  • プリントとやるKeyの違い。
    • プリントでは、あとで教師が手順をしっかり追えること。きちんと計算できているか、考え方は適切か、など。
    • 子どもにとっては、書きやすさや手元に残るか、という問題を考えると、紙で取り組むことにもメリットがある。
    • やるKeyの良さは、その場で出題、採点、それを共有できること。
  • 家庭学習と授業の連携について。家庭学習と学校の授業の連携は、従来から、宿題の出し方などで家庭学習の指導、支援は多くの学校で大事にされてきた。ICTが入り、自動採点されることで、その日の授業の指導に家庭学習の状況を反映しやすくなる。
  • 授業では、個別指導がやりやすくなったのではないか。授業後半に習熟の時間として、やるKeyに取り組んでいたが、教師は机間指導しながら、採点をしたり、次の問題を出したり、ということをやるKeyに任せられる分、より支援が必要な児童に時間を使うことができる。
  • 主体的な学びを成り立たせる3つの要素:
    • 「やりたい」という意思を持っていること。
    • メタ認知:自分の学習状況を理解していること。何ができているか、何ができていないか、自分はどういう学び方が得意か、好きか、苦手か、など。
    • 学習方略を組み立てられること:与えられたことをするだけではなく、どういう目標を立てて、どう学んでいくか、ということ。

      こうした要素とやるKeyは特にメタ認知や学習方略の面で関連する。ただし、子どもは与えられたドリルをただやるだけに終わらず、自分の学びをふりかえったり、自分で目標をたてるといった要素を大事にすることで、受け身のドリル学習が主体的な学びへと転換していくのではないか。

 プリントとやるKeyの違いや、主体的な学びとの関連など、今後のやるKeyに関わる講評をいただけました。稲垣先生、ありがとうございました。

 No.3へ続きます。
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(為田)