教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

宝仙学園小学校 授業レポート No.2(2018年6月11日)

 2018年6月11日に、宝仙学園小学校で授業を見学させていただきました。宝仙学園小学校は、ICTを活用した授業を積極的に行っている学校です。今年度に入ってからは、新しくMy Lab.(マイラボ)という教室も完成し、これからもICT活用がどんどん進んでいきそうな学校です。

 5年竹組の国語の授業を見学させていただきました。担当されていたのは、加藤朋生 先生です。授業の追究課題として、「世界のために私達ができることを発信して行動にうつそう!」と黒板に書いてありました。「東京スカイツリーのひみつ」(瀧井宏臣)をもとにして、東京スカイツリーの問題点をプレゼンテーションする授業でした。

 プレゼンテーションを教室で行うときには、さまざまな方法がありますが、加藤先生がこの日の授業に取り入れていたのは、KP法(紙芝居プレゼンテーション法)でした。
 加藤先生は、「プレゼン力=(内容+声+態度+プレゼンスライド+α)×相手への思いやり」と説明していました。スライドの作り方を説明するだけでなく、こうしたところからスタートするのは情報を伝える力を育むのに非常に重要だと思いました。
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 クラスで、プレゼンスライドの改善方法を考えていきます。「プレゼンスライドは文字で伝えるのが基本ですが、そこに図を入れたらどうなるのか?」なども考えました。
 また、文字での表現についても、AとBの2つの方向を比較して考えていきます。表現Aは、「建てる場所」「人の住む家がたくさん集まっている」という文章として表現する形。対して、表現Bは、「建設地」「住宅が密集」というようにコンパクトに表現する形。加藤先生はこの2つを比較するときに、「AとBのメリットとデメリットを書いてみようよ」と言います。
 加藤先生は、この活動の意図を、「表現Aは和語的な表現、表現Bは漢語的な表現です。“和語と漢語”という文法事項も、プレゼンスライドを作成するという流れの中に組み込むことで、断片的な文法の知識が目的に向かって駆動していきます」とおっしゃっていました。こうしてプレゼンスライド作成のなかに、文法事項も組み込んでいくのが、カリキュラム・マネジメントとして先生方の力量が問われる部分ではないかと思います。
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 5分とって、グループでホワイトボードにAとBのメリットとデメリットをまとめて、クラスで共有しました。
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 これをふまえて、タブレットでプレゼンを作っていきます。その前に、わかりやすいプレゼンの作り方を動画で見ます。NHK for Schoolの「しまった!」のなかから、「プレゼンテーションのコツ」を見て、キーワードで文字は少なくするというポイントを学びました。
www.nhk.or.jp

 「しまった!」を見た後に、2人1組でスライドを作っていきます。タブレットは1グループに1台。ロイロノートを使ってスライド作りをスタートします。この日はまだスライド作りの本当に最初の時間でしたが、それでもGoogle Earthを使っている子がいたり、検索サイトを使って調べ物をしている子がいたり、さまざまな活動をしていると感じました。
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 最終的に自分の言いたいことを伝えるという、「何をやるか」が明確になっています。そして、「何をやるか」が明確になっているぶん、それをどう実現するか、「どうやるか」は自由になっていても、自律的に学びが進んでいるように思いました。
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 この後、どんなスライドが完成し、どんなプレゼンテーションが行われるのか、非常に楽しみだと思いました。プレゼンテーションツールの使い方の練習になってしまわず、こうして「どうやったら伝わりやすいのか」ということをきちんと考える、国語という教科のなかで、情報活用能力が育まれるようになっていると感じました。

 No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)