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おせっかいな問題集ATLS(アトラス)を提供するforEst CEO後藤匠さん インタビュー No.2

 デジタル問題集ATLS(アトラス)を提供する株式会社forEst(フォレスト)の代表取締役CEOの後藤匠さんのインタビューをお届けします。ATLSは「Adaptive Training Learning System」の略で、これまでの勉強方法とICTテクノロジーの融合を目指している自主学習支援アプリです。今回は、宿題や授業など、学校でどのようにATLSが使われているかについてレポートします。

宿題をATLSでサポートすることができる

 ATLSで問題を解いたノートの写真はクラウドに保存されるので、先生は生徒の学習の成果を確認できます。クラスで間違っていた生徒のノートだけを集めて一覧で見ることもできます。
 この機能を使って、ATLSで宿題を出している先生もいらっしゃるそうです。宿題名をつけて、「いつからいつまでにやってね」と期間を設定して、クラスに紐付いている教材の中から、問題を選ぶと、自分のクラスの宿題を一斉配信することができます。宿題の問題を解いて、ノートを撮影して、先生に提出します。

 ATLSは、宿題のノートを集め、学習の成果を確認する、という先生の仕事を一部代替することができるようになっています。先生側では、下の写真のように出した宿題の問題ごとの各生徒の正誤結果が一覧で表示できます。また、問題ごとの正答率も自動的に計算して出してくれます。正解/不正解の生徒だけのノートをフィルタリングして取り出して見せることもできます。
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 ATLSで宿題を出している先生に評価されていることは2つあるそうです。1つは、リアルタイムで生徒の宿題の結果が見えること。夏休みとか長期の宿題を出したときに、途中の登校日などに宿題の進捗を把握できます。

 もう1つは、ノートを回収する前に見られることです。授業が始まってノートを回収して、その次の授業で…というのではなくて、宿題を出したら授業前にノートを見て、クラスの習熟度合いを理解したうえで授業ができるようになります。授業のPDCAサイクルを、ATLSの力を借りて、速く回すことができます。これまでノートを集めていたときにはできなかった、同じ問題を解いてあるA君のノート、B君のノート、C君のノート…をまとめて見ることができます。これも先生の負担を減らすところだと思いました。
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授業の中でATLSを使っている事例

 ATLSを使って、正解した生徒のノートだけをフィルタリングして表示し、おもしろい解法を使っている生徒のノートを電子黒板で紹介・解説するという授業をしている先生もいるそうです。
 逆に、典型的な間違い方をしている生徒のノートを電子黒板で映して、「みんなだったら、こういう解き方をした人に対して、どうやって教える?」と発問し、アクティブラーニング型の授業をしている先生もいるそうです。この場合、生徒の名前を隠すこともできます。

 ATLSを使って、生徒の学習を可視化することによって、先生がより効果的に授業改善ができるようにサポートしています。

 ATLSの中に、学校で採用している問題集がそのまま入っているので、授業や宿題にそのまま使えます。しばらく使っていると生徒も慣れてくるし、学校で採用している問題集がそのままデジタルでATLSの中に入っているので、「あーこれ便利じゃん。問題集持ち歩かなくていいじゃん」となって、生徒も先生もATLSのファンになってくれることが多いそうです。

 ATLSを授業で使うことで、先生も紙の問題集だけでやっているよりも授業と連携させやすくなります。授業の進め方もこれまでと何も変わりません。今までと同じ教材から宿題も出せます。そうすると、ICTにあんまり賛成じゃない先生も、「これならいいよ」と言ってくれることが多いそうです。
 ATLSを通じて宿題を出し、ノートを集める、この一連の活動は、「全部ICTに替えましょうということでも、全く新しいことをやっているわけでもないんです。先生が手間をかければできることだけれども、ICTを使ってその効率や質を上げましょうというスタンスです。だから、心理的な導入ハードルを徹底的に下げて使ってもらえる」と後藤さんは言います。

 No.3に続きます。
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(為田)