教育ICTリサーチ ブログ

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ドラマ「みかづき」を見て、アダプティブラーニングについて考える

 いま、土曜日にNHK土曜ドラマみかづき」が放送されています(全5回で、こないだの土曜日が3回目でした)。
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 原作は森絵都さんで、お世話になっています私塾界の山田未知之さんの名前もクレジットに登場します。

 その「みかづき」の中で、主人公たちが始めた学習塾が、補習塾から進学塾化していくストーリーがあり、そこで主人公の吾郎先生が「一人ひとり生徒に合わせた教材を用意する」ということを言っていました。もともと始めた学習塾では、生徒一人ひとりに合わせて、それぞれの生徒が85点を取れるように問題を作っている、という言葉もありました。でも、進学塾化するに伴い、そうした一人ひとりに合わせた教材の準備ができなくなり、だんだん塾が変わっていく…という話です。

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 こうした「一人ひとり生徒に合わせた教材を用意する」ことは、小さい学習塾でみんなに目が届くうちはできますが、教室規模が大きくなっていくと、だんだんできなくなってきたのだと思います。
 でも、いまであれば、テクノロジーの力によってこうした「一人ひとり生徒に合わせた教材を用意する」、アダプティブな教材も可能になってきていると思います。テクノロジーが発達したから急に出てきたものではなく、昔から教育に携わる人たちがやりたいと思ってきて、でもどこかで実現ができなかったものなのかな、と思いました。

 僕が今まで実際に動いているものを見たり、先生方から話を聴いたところでは、「一人ひとり生徒に合わせた教材を用意する」ことをしているのは、ATLS(アトラス)、Qubena(キュビナ)、やるKeyあたりでしょうか。

 やるKeyは、開発に参加していたし、学校での活用についても先生方のサポートなどさせていただいてきました。データを見て、分析をするということも少しさせていただきました。
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 QubenaはCEOの神野元基 さんと、以前からイベントなどで一緒に登壇することも多かったですし、実際に学校でやっている様子などを伺って記事にしたこともあります。
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 ATLSについては、開発した後藤匠さんにインタビューをさせていただきました。
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 QubenaとやるKeyは、経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択もされています。それぞれ、授業の様子をレポートしていこうと準備を進めています。
 「一人ひとり生徒に合わせた教材を用意する」ことが、子どもたちの学びにとっていいはずだ、という学習塾黎明期の頃からずっと言われている、先生方の希望を叶える力を、テクノロジーが与えてくれればいいな、と思っています。そのために、先生方に使っていただく機会をどのように増やしていくのか、考えていきたいと思います。

(為田)