スマートに学べる問題集リブリー(Libry)を提供する株式会社Libryの代表取締役CEO 後藤匠さんのインタビューをお届けします。リブリーは、いままで学校で使っていた問題集をタブレットやスマートフォンで見ることができるようになるシステムです。
スマートフォンでもリブリーができるようになった
リブリーは、2019年3月にスマートフォン向けアプリをリリースしました。スマホ版は、スマホの小さい画面でも無理なく勉強できるよう、画面設計をタブレット版と一部変えていますが、使い方は同じです。リブリーでは、当初は「見づらいだろう」ということで、スマートフォン版への対応は後ろ向きだったそうです。でも、高校生に実際に見せてみたところ「十分に見れる」という声が帰ってきて、スマートフォン対応を進めることにしたそうです。
リブリーのスマホ版をリリースすると、公立高校からの問い合わせが増えたと後藤さんは言います。「タブレット端末の導入は予算的な問題で難しいが、ICT を使って何かをしたい」という学校が多い、ということではないでしょうか。
スマートフォンの高校生での普及率は9割を超えています。2020年度からは、東京都でも都立高校において、スマートフォンを授業で活用していく方針が掲げられているなど、生徒個人所有のスマートフォンを活用したICT活用が注目されています。リブリーでは、学校で購入している紙の問題集にプラスアルファの価格で、デジタル化された問題集を自分のスマホで利用することができます(紙の問題集を購入せず、リブリー版のみ購入する場合は、紙の問題集と同じ価格で購入できます)。買い切りなので、紙の問題集を購入しているのと感覚的には変わりませんし、学年があがったり学校を卒業しても、購入した書籍は生徒が継続して使い続けることができます。そのため、予算的にも大きな負担にならず、教材費の枠の中でリブリーを利用することができます。すでに、東北地方や中国地方、九州地方などの全国各地の公立高校で、リブリーのスマホ版の活用が進んでいるそうです。
スマホ版は学校にどう受け入れられているか?
スマートフォン版のアプリがリリースされてから、学校で利用している問題集のペーパーレス化という文脈だけではなく、 学習管理・宿題管理という目的でリブリーが使われるケースが増えている、と後藤さんは言います。
宿題管理ツールとしてリブリーを使うと、宿題を自己採点して、ノートを撮影して先生に送るので、先生はノート回収・採点などが楽になります。生徒は、自分で類似問題を解いていくようになると、ただ宿題をやって提出する使い方からアダプティブ・ラーニング的な使い方へ進んでいきます。例えば、教科書の章末問題を宿題でやって、そこから他の参考書から類似問題が出題されるので、そこから2~3題を自分で解いてみる、という使い方がされているそうです。
リブリーが実現しているのは、ノートを集める・結果を記録するところの電子化と、多くのコンテンツを横断した類似問題のレコメンデーションだけです。ですが、この2つが先生方の授業設計と結びつくことで、さまざまな活用方法を生んでいるそうです。
No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)