教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

戸田市小・中学校児童生徒プレゼンテーション大会 レポート(2019年1月12日)

 2019年1月12日に、戸田市文化会館において、戸田市小・中学校児童生徒プレゼンテーション大会が開催されました。戸田市内の小中学校18校から、それぞれ1チームの代表が出場し、プレゼンテーションを行いました。
 戸田市教育委員のみなさんと戸田市教育委員会 21世紀型スキル育成アドバイザーである株式会社リバネスの森安康雄 先生と株式会社情報通信研究所の平井聡一郎先生、インテル株式会社の竹元賢治さんと共にプレゼンテーションの審査員をつとめさせていただきました。
f:id:ict_in_education:20190113064039j:plain

プレゼンテーションについて

 プレゼンテーションは3人~4人のグループで行われました。中学生には、「私が戸田市長だったら」という統一テーマを設定されていました。会場には、戸田市の菅原文仁市長もいらっしゃっていて、中学生のプレゼンテーションを聴かれていて、こういった機会があることが、戸田市の児童生徒にとって、とても貴重な場になるのではないかと思いました。
 今回のプレゼンテーションについては、戸田市教育委員会がルーブリックを作成していて、それに基づいた審査ができるように準備をされていました。ルーブリックは、小学生は「知識・技能」「学びに向かう力」「思考力・判断力・表現力」の3観点で6項目、中学生は「知識・技能」「学びに向かう力」「思考力・判断力・表現力」「市民力」「キャリア設計力」の5観点で8項目から成っていました。各学校でプレゼンテーションの指導をする際にも、このルーブリックが活用されているそうです。

 個人的には、まだまだルーブリックで4点=Sをつけるものはありませんでした。ただ、児童生徒が、臆せずステージ上でプレゼンテーションをしているのは素晴らしかった。エンターテイメント色を強く打ち出しているグループも、訥々と語りかけるグループも、いろいろなプレゼンテーションがありましたが、ルーブリックで判断するならば、そのあたりはほとんど影響がなくなるので、こうして審査員にルーブリックが提供されるのはとてもいいことだと思います。
 こうしてルーブリックがあると、先生方も指導のガイドラインとして活用できると思います。プレゼンテーションの主張=目的を明確に設定し、それがきちんと伝わる論理的な構造を作ることが第一歩。その後で、聴いている人たちに、「自分たちが言いたいことがきちんと伝えられる」プレゼンテーションになっているかを考える。このステップをルーブリックに拠って磨いていけば、プレゼンテーションのレベルは上がっていくと思います。来年度以降も楽しみです。

デモンストレーションで伝えたかったこと

 小学生と中学生の全18校のプレゼンテーションが終わったあとには、デモンストレーションがあります。今回は、僕が担当することになっていたので、「プレゼンテーションは、なぜ大事か。」というテーマで20分間、プレゼンテーションをさせてもらいました。
f:id:ict_in_education:20190113085410p:plain

 戸田市では、セサミストリート・カリキュラムやポプラ社「どう解く?」を使った授業など、2018年度にはいろいろと授業作りに協力させていただくことができました。一見、関係がなさそうでもありますが、実はそうした授業はいずれも「正解がない」ことを考えられるようになる授業です。「正解がない」ことをみんなで考える授業の中では、「どうやって考えたのか」を他者に伝えること=プレゼンテーションが重要になります。
 相手に伝わるようなプレゼンテーションをするときに、どういうことが必要なのかを考えてほしいというメッセージを伝えたつもりです。人に何かを伝えることは、「相手に伝わったかどうかが大事」であり、「相手に伝えるのは意外と難しい」ということをわかってほしいと思います。
f:id:ict_in_education:20190113064921j:plain

 そのうえで、「正解がないこと」を考えるのを楽しめるようになってほしいし、「どうやって考えたのか」を他者に伝えるのが好きな人になってほしいと思っています。

まとめ

 プレゼンテーションが上手になるためには、伝える側のスキルや経験の問題も当然あると思います。ですが、それより重要なのは、“良い聴き手”がいるかどうか、ということではないかと思いました。「僕はこう思うんだ」というプレゼンテーションを聴いて、頷いて同意を示してあげることも、「ここはちょっと論理が飛んでて言っていることがわからない」と言ってあげることも、資料やデータを用意してきたときに「これ、わかりやすい!」と言ってあげることも、良いプレゼンテーションをする人・プレゼンテーションを好きになる人を増やすために、非常に大きな意味をもつと思います。
 先生方だけでなく、保護者の方々にも同じことは言えます。子どもたちが日々、いろいろな場面でするプレゼンテーションの、良き聴き手・良き評価者になっていくことは、大事な仕事だな、とあらためて感じました。

 会場には、これまで戸田市内の学校で授業を行ったときにお世話になった先生方・教育委員会の方々だけでなく、仕事でご一緒した企業の方などもたくさんいらっしゃっていました。お会いできてうれしかったです。何よりいちばんうれしかったのは、小学校5年生の息子が通っている横浜市内の公立小学校の先生が来てくださっていたことです。とてもうれしかったです。ありがとうございます。