教育ICTリサーチ ブログ

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自民党教育再生調査会 ウィズ・コロナ下における初等中等教育・高等教育のあり方PT 講演レポート(2021年2月10日)

 2021年2月10日に、自民党教育再生調査会 ウィズ・コロナ下における初等中等教育・高等教育のあり方プロジェクトチームの会合にお呼びいただき、15分間の講演をさせていただきました。
 オンラインでのプレゼンテーション、オンラインでの質疑応答でしたが、ほとんど不自由は感じませんでした。ペーパーレス会議でしたので、参加された議員の皆様も、「事前にお送りした資料の○ページをご覧ください」と言いながらプレゼンテーションをすると、目の前のタブレットで見ていただけるという形式でした。
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 今回は「ICT利活用の9類型」について話をしてほしい、というリクエストを事前にいただいていましたので、そのあたりに時間をかけつつ、いろいろな学校の実践事例を説明し、「先生が授業に使う」というのと「児童生徒が思考・表現のツールとして使う」というのは違うのです、というお話をさせていただきました。
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 質疑応答の時間には、「学習評価のあり方はどうなると思いますか?評価のための評価尺度はどうなりますか?」などの質問も出ました。この部分については、僕もまさに現場の先生方をお手伝いしながら作っているところです。ルーブリックやパフォーマンス評価などを通じて、評価に組み込んでいる学校もあります、というお答えをしました。
 また、「(為田がアドバイザーを務める)戸田市教育委員会成城学園などは、総当たりで改革にあたっていると思うが、それはどこでもできると思いますか?」という質問もいただきました。僕は、戸田市をはじめICTの活用が進んでいる学校は、保護者への説明が手厚いと思っています。保護者自身が送ってきた学校生活と、今の姿との違いを理解できるかどうかが重要だと思いますし、そのために保護者に理解を求めるとともに、校長先生への応援が必要だと思います、とお答えしました。

 子どもたちにとって、デジタルは身近なツールとしてあるべきであり、そのために「デジタルで学ぶ」という経験ができるようにしなければいけません。デジタルもアナログも両方使えるようにして、そのうえでアナログを選ぶ子がいても問題はありません。
 ここでは、新渡戸文化小学校での「デジタルでオリジナルの色を作って、名前をつける」というのと「絵の具でその色を作ってみる」という活動を紹介させてもらいました。
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 他にも、先生方から伺ったたくさんの事例を準備してあったのですが、時間の関係で紹介できず残念でした。これらの事例は、文部科学省が出している「未来の学び」構築パッケージに書かれている「1人1台端末」の活用によって充実する学習の例を、より具体的に先生方・保護者の皆様に見てもらえるものになると思っています。
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 デジタルとアナログは、0:100で切り分けるものではなく、両方を選べるようになってほしいと思います。それは、大人がいままさにやっていることだと思うので、それを学校で実現できるようにお手伝いしていきたいと思います。

(為田)