教育ICTリサーチ ブログ

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さとえ学園小学校 授業レポート No.1(2024年6月12日)

 2024年6月12日に、さとえ学園小学校を訪問し、一人1台のiPadが活用されている授業を参観させていただきました。さとえ学園小学校で実践されていたレベルアップ型ルールを紹介した著書『一人1台のルール』を共に書いた、山中昭岳 先生が学校を案内してくださいました。山中先生は「一時期に比べて授業でiPadを使う先生は減ったと思います。結局は授業力ですね」と授業を見ながらおっしゃっていました。参観させていただいた授業の様子を少しずつレポートします。

5年生 国語:教科書を忘れてもiPadでなんとかする

 5年生の国語の授業をしている教室に入ると、全員がiPadを机の上で開けているわけではありませんでした。自分でiPadをどう使うか決めて、授業に参加している感じがしました。
 教科書を忘れてしまった子が、iPadで撮影した教科書のページを見ながら授業を受けていました。こういう日常のちょっとした工夫にiPadが活用されていることは、子どもたちにとってiPadが日常使いの文房具のひとつとなっていることを示していると思いました。大人も資料を忘れたりしたときに同じことをすると思います。大人がしているのと同じことを子どもができる環境を学校が用意できるのは、社会と接続した学びを実現するのに大切なことだと思います。

5年生 体育:体育館にもiPadは持って行く

 体育館で行われていた5年生の体育の授業では、ペアでボール投げをしていました。全員ではなさそうですが、何人かの子どもたちが水筒を体育館に持っていくのと同じように、iPadを持ってきていました。先生が「はい、iPad持って体育館に行くよー」と指示をしているわけではなく、自分でiPadが必要かを考えて、持って行くかどうかを決めているのだと思います。
 ボールを投げている間はもちろんiPadを使いません。水筒を置いてあるのと同じようにiPadが床に置かれています。僕が見ている間は、iPadを使っている場面はなかったのですが、こうして体育館に持ってきているということは、何かの形で使う場面がこれまでの体育の授業であった、ということだと思います。

3年生 図工:作品をコマ撮りアニメーションに

 図工室では、3年生が自分で制作した作品をKOMA KOMAで撮影してコマ撮りアニメーションを作っていました。自分の作った作品が動くことは、とても想像力をかき立てられることだと思います。「これが動いたら面白いのにな」と誰もが思っていたことが、いまではiPadで実現できています。こういう活動は、図工に新しい創造性をもたらしてくれると思います。

3年2組 国語:板書をZoomで画面共有する

 3年2組の国語の授業では、子どもたちがみんなiPadでZoomを開いていました。画面を見ると画面共有がされていて、先生が話しながら手元のiPadでApple Pencilを使って書き込んでいることが、子どもたちの画面にリアルタイムで表示されています。
 iPadとZoomの画面共有が、黒板を使った板書の代わりになっていました。子どもたちは自分のiPadの画面を見ながらノートをとることができます。先生にとっても黒板に書くよりも書きやすいし、一度書いた内容を移動させたりする、黒板で書くときには少し面倒だった作業が簡単にできるという利点もあります。

 黒板に書かれた板書を見てノートに書くのと、手元のiPadの画面を見てノートに書くのと、どのような差異があるのかについては、先生と子どもたちがどちらの方が書きやすいか、学習効果としての差異があるか、という評価は、教室で先生方が継続的に見とっていくことが必要だと思います。
 もちろん、こうしたチャレンジに取り組めるのは、一人1台の端末を使うことが子どもたちにとっても先生方にとっても日常になっているからこそだと思います。 


 No.2に続きます。
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(為田)