フューチャーインスティテュートの前田です。美大卒の教育コンサルタントです。この連載では、ICTを使ってこんな授業ができるのではないかというアイデアを紹介していきます。
今回は、イリュージョンフォーラムというサイトにあるコンテンツを使って、錯視をインタラクティブに体感しながら、実際は同じ色なのに違うように見えたり、同じ長さなのに違うように見えたり、形は存在しないのにあるように見えたりなどの効果があることを知って、デザインや色の使い方に活かす方法を紹介します。
▼イリュージョンフォーラム
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/index.html
錯視といっても、たくさんありますが、このサイトでは、種類ごとに見ることができます。各コンテンツの下部に、解説文もあるので、授業で説明する際の参考にできるかと思います。内容によっては、神経細胞などを含んだ解説などもあるので、場合によっては、高校の生物の内容と絡めることもできるかもしれません。
ここのコンテンツのいいところは、実際に図形をマウスで動かすことができるので、その場で見た目の違い・変化を体感することができることです。
実際の色と、見た目に感じる色の違いを体感することで、画面上・キャンバス上での色味・見た目はどうかを確認し、調整することの重要さを学んだり、錯視の手法を活かした表現方法を思いつくことができたり、見せたい部分を誇張するのに活用するなど、いろいろ展開させることができるかと思います。
明るさの対比
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/brightnessContrast/ja/index.html
明度対比の説明で使うことができるかと思います。
色の対比
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/colorContrast/ja/index.html
色相や色相環、色相対比の説明で使うことができるかと思います。
チェッカーシャドウ錯視
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/checkerShadow/ja/index.html
影の効果による見た目の色と実際の色の違いを説明するのに使うことができるかと思います。
カニッツアの三角形
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/kanizsasTriangle/ja/index.html
実際には描かれていない形が見えるという体験をすることで、描かずに形を出す方法を説明することができるかと思います。
大きさの恒常性
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/sizeConstancy/ja/index.html
奥行きの説明で使うことができるかと思います。
錯視というテーマで、いろいろ紹介するよりは、その後に制作するデザインなどに展開できるポイントに絞って紹介するのがいいと思います。
錯視っておもしろい!で終わらせずに、その仕組みを活用する流れにするといいでしょう。
例えば、カニッツアの三角形のコンテンツで描かずに形を出す方法を説明したあとに、実際に形のない図形や文字・マークを制作するワークをやってみるといいと思います。
(前田)