2019年7月10日と11日に、福島県いわき市と郡山市で開催された、ドコモ教育ICTセミナー(主催はNTTドコモ東北支社)に参加させていただきました。このセミナーは、これからICT環境整備や活用研修を進めたいと考えている学校・教育委員会向けに開催されたものです。
田村市教育委員会 教育部 学校教育課 主査の紺野健太郎さんによる講演「LTEタブレットを活用した教育で未来を担う人づくり」の様子をレポートします。
紺野さんは、タブレット導入までの経過を詳細に説明してくれました。田村市の導入への歩みは、2018年5月のドコモ教育ICTセミナーに参加して、LTEタブレットの導入事例を知ったことからスタートしたそうです。
2018年8月に実施した市内小中学校教員向けの教育ICT体験会のアンケート結果では、「タブレットを利用した授業のイメージは持つことができたか?」「タブレットを利用した授業は生徒に有効だと思うか」という2点について、ほぼ100%に近い数値だったそうです。
機器整備においては、整備した後にきちんと使われるかどうかということが非常に重要なので、こうした体験会を実施して、イメージを持ってもらうこと、有効だと思ってもらうことは、教育委員会がするべき大切な役割だと思いました。
2019年1月からモデル校(小学校3校、中学校1校)へ114台を導入して、授業でクラス全員に活用してもらっているそうです。NTTドコモのYouTubeチャンネルで導入事例の動画を見ることができます。
LTEモデルを選んだ理由は、「安定した通信環境がいちばんの利点」という理由だとのことです。LTEタブレットなので、校外学習や修学旅行でも利用することができますし、PC教室以外の一般教室でも利用することができます。
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教務面では、新学習指導要領にある、情報活用能力の育成を目指して、ロイロノート・スクールを中心として使っています。田村市としては、プレゼンテーションによって表現ができる子どもを育てたいという思いがあり、ロイロノート・スクールを選んだそうです。
タブレットを使っていて、子どもたちが「あ、わかった」「ひらめいた」というような表情を見せるときが、子どもたちの変容をいちばん感じられるところです。タブレットの導入を進めている先生方にとっても、彼らの変容が何よりのモチベーションになるのだと思います。どのように子どもたちが変わっていくのか、ということを共有していくことが、さらに導入を広げ、根付かせる上では重要だと感じます。
また、導入効果のひとつとして、ロイロノート・スクールを使うことでの授業用プリントの印刷・配布などの負担軽減も挙げられていました。この仕組みを、授業だけでなく、職員会議においても利用することで、校務面での効率化も実現しているそうです。子どもたちが使っているツールを、先生たちも使うことで、学校全体としての取り組みはより加速していくと思いますので、とてもいい試みだと感じました。
2019年10月に501台のタブレットが導入されるそうです。今後の田村市のタブレット活用に注目していこうと思います。
No.3に続きます。
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(為田)