このブログではあまり話題になることがありませんが、お話をさせていただく先生方には、特別支援学校の先生方も多くいらっしゃいます。数年前に東京都教育庁のお仕事で、特別支援学校を見学させていただいたときには、児童生徒の障がいの種類に応じて、様々な支援技術(アシスティブ・テクノロジー:Assistive Technology)があり、たくさんの機器が配備されていることに驚いたものでした。
ただ、学校数としてたくさんあるわけではないので、あまり大きな話題になりにくく、また配備を進めていくのも大変だ、という話を伺ったこともあります。
そんななか、Facebookを通じて情報交換をさせていただいている、東京都立石神井特別支援学校の海老沢穣先生から、「iPadを活用した授業実践について、2015年11月に東京都が主催したICT教育フォーラムにおいてポスター発表をしました」という情報をいただき、さっそくそのポスターのデータを送っていただきました。
送られてきたポスターのデータは全部で12枚。テーマとしては以下のようなものでした。
- 立体のキーホルダーを作ろう(小学部6年 生活単元学習)
- 秋を見つけて写真を撮ろう(小学部6年 生活単元学習)
- いろいろなお絵描きを楽しもう(小学部6年 生活単元学習)
- 光で絵を描こう(中学部1年 美術 映像メディア表現)
- アニメーションを作ろう(中学部3年 美術 映像メディア表現)
- 視覚支援としてのスライドの活用(中学部1年 国語)
- 友達と協力して物語を作ろう(中学部1年 国語)
- ネットワークモバイルプリンタの活用(中学部1年 国語・数学)
- 作業に一人で取り組もう(中学部 作業学習 布巾班)
- 写真を撮って発表しよう(中学部1年 生活単元学習 校外活動)
- 3Dプリンタを使用した授業の今後の展開について
- 校内ICT活用研修
小学部
小学部の実践事例として紹介されていたのは、以下の3つでした。
- 立体のキーホルダーを作ろう(小学部6年 生活単元学習)
- 秋を見つけて写真を撮ろう(小学部6年 生活単元学習)
- いろいろなお絵描きを楽しもう(小学部6年 生活単元学習)
3Dプリンタで立体の造形物を制作することで、「またやりたい」「次は何を作ろうか」という声が児童からあがったそうです。立体造形は、イメージはできてもなかなかその通りに作ることは難しい活動です。3Dプリンタを活用することで、指で描いたイメージ通りの立体造形物を実際に作成できたため、子どもたちにとっても有意義な活動となったのではないかと考えられます。
中学部
中学部の活動として紹介されていたのは、7つでした。
- 光で絵を描こう(中学部1年 美術 映像メディア表現)
- アニメーションを作ろう(中学部3年 美術 映像メディア表現)
- 視覚支援としてのスライドの活用(中学部1年 国語)
- 友達と協力して物語を作ろう(中学部1年 国語)
- ネットワークモバイルプリンタの活用(中学部1年 国語・数学)
- 作業に一人で取り組もう(中学部 作業学習 布巾班)
- 写真を撮って発表しよう(中学部1年 生活単元学習 校外活動)
映像メディア表現について、光で絵を描いたり、アニメーションを作るなどがあるのは非常に興味深いです。生徒たちの変容として、「描画や造形とは異なる表現活動のプロセスを楽しめた」「アニメーションでしかできない表現に、友達と協力して取り組めた」などが紹介されていました。
また、作業に一人で取り組もう」については、ワークWatchというアプリを使って、自分がこなした仕事の数や残りの仕事の数を視覚化し、自主的に意欲をもって作業を行えるようにと授業が設計されていました。
作業や学習場面での活動を構造化していくにあたり、ちょっとしたツール系のアプリを使うといい場面は多そうだと感じました。