2017年6月5日に、“「未来の学び」のビジョンと課題”に参加させていただきました。このセミナーは、ICT CONNECT 21主催、未来の学びコンソーシアム後援のセミナーで、省庁・教育委員会の皆様、自治体職員の皆様、校長・副校長・教頭および教師の皆様、大学の先生等、教育関係者(私企業を除く)限定セミナーでした。
以下は、あくまで為田の個人的な解釈としてのセミナーレポートとなります。ご了承ください。
最初に、小金井市立前原小学校の松田孝 校長先生によるICT活用事例をレポートします。前原小学校では、今年度は100時間をプログラミングにあてるそうです。小学校では、授業は全部で1000時間だそうですから、全時間の1/10にあたることになります。その時間を、さまざまな科目と紐付けて教えていくそうで、そうした授業を実際に前原小学校では公開しています。今年度の授業公開でも、さまざまな活用事例を見ることができると思います。
松田先生は、「学校は時代&技術を学ぶ最先端の場」であるということをおっしゃっていました。これは、先の講演で“教育のトランスフォーメーション”が求められている、と言われていたのと重なると思います。
学校にプログラミングという新しい学びを入れることで、学校は最先端の場となることができます。それを、子どもたちを教えるスキル、子どもたちに学ばせるスキルを持つ先生方が、既存の科目と紐付けて教えることができるようになることで、子どもたちの可能性は大きく広がるのではないかと思います。
ただし、そのためには行政の後押しも必要です。松田先生の報告の後で、全国ICT教育首長協議会の会長である、佐賀県多久市の横尾俊彦市長がスピーチをされました。その中で、「財政の問題、情報の問題、人材の問題がある。何より心配なのは、小学校の先生方。やったこともみたこともない、教わったこともない、そんなプログラミング教育を2020年にスタートするという宿題を負っている。それをしっかりサポートしたいと思う。」という言葉がありました。
環境整備に関しても、デバイス環境だけでなく、通信環境も含めて整備していく必要があります。横尾市長は、「現場と自治体の声を集めて、政府にはたらきかけていきたい」とおっしゃっていました。
学校が時代と技術を学ぶ最先端の場としても存在できるように、行政のバックアップは不可欠であり、ICT CONNECT 21の活動はそうした動きを円滑にすることもできるし、さまざまな情報が横にどんどん展開されるようになるといいと感じました。
(為田)