2021年3月28日に、掛川教育フェス2021に参加させていただきました。掛川教育フェス2021は、野中潤 先生(都留文科大学)と、吉川牧人 先生(静岡県立掛川西高等学校)が共同リーダーを務めますGEG Fujiと、掛川に本社を置くエンジニア派遣会社である株式会社リツアンSTCが実行委員会を作り、「新しい自分に出会え! ~ニューノーマルのその未来へ~」というテーマで、3月27日と28日に開催したイベントです(3月21日にもプレイベントを実施)。
サイトで公開されているタイムテーブルを見ればわかりますが、多くのコンテンツが用意されていましたが、自分が参加したものについてレポートをしたいと思います。
鈴木寛 先生による特別講演
最初に参加したのは、鈴木寛(すずかん) 先生の特別講演です。鈴木先生は、1995年から「すずかんゼミ」を主宰していて、多くの社会起業家たちがそこから巣立っています。
これからの教育がどういった方向へ進んでいくのかということについて講演をしてくれました。
- PISAの結果を見ると、日本の15歳は2000年代低迷するも、2012年以降、世界トップクラス。この才能が開花すれば、日本はAI時代をリードできる。=中学校についてはうまくいっている。
- ただし、この素晴らしい15歳の能力を伸ばせているのか?というと、疑問だ。
- 高校に以下の科目を新設
- 理数探究、総合探究でPBLと探究活動
- 公共(「板挟み」と「想定外」への対応)
- 歴史総合(暗記科目から脱却。歴史を見れば、「板挟み」と「想定外」へ対応をこれまでもしてきた)
- 地理総合(暗記科目から脱却。エリア・スタディーズに転換)
- 情報
- 誰もが起業家になる時代がやってくる。そういう時代の教育はどうあるべきか?
- 危機をマイナスとばかり捉えない。危機は、「危」険+「機」会と書く。こういう時代にどう生き残っていくのか、そうした力が求められている。
- 単にリスクを減らすだけではなく、洗剤チャンスを最大化するために最善を尽くせる力、失敗を乗り越え、挑戦する力。
- 子どもたちだけでなく、いまの大人こそ、いままでの常識を白紙にして(=「unlearnする」と言います)、時代が変わってきているということを理解しなければならない。
- Society 5.0時代に求められる人材育成
- 形式的な平等主義が行き過ぎた。これからは、公正に個別最適化が実演されなければならない。
- あらためて、読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得。
- 文理分断からの脱却。
- AAR(Anticipation・Action・Reflection)とにかくやること。
- 学びは、安心して失敗できるところでなくてはならない。だから、PBLを用意する。
- 学習者の自立性(Student agency)が重要。
- 自己効力感
- 動機づけ
- アイデンティティ
- 希望
- 目的意識
- 成長志向
- マイプロジェクトアワード
- 高校生13000人が参加(第1回は18人だった)
最後に、進行役を務めた野中先生と吉川先生から、鈴木先生へ質問がありました。
- GIGAスクール構想を成功させる鍵は?
- デジタルの良さは、「CONNECT」「SHARE」「ARCHIVE」。こうした機能で、先生方はチームとして働くことができる。
- ARCHIVEは、検索の機能とセットではじめて発揮される。
- 「Agency」とは?
- Agencyとは、「脱・指示待ち人間」。人間は、自ら何かを始めようとする、動こうとする存在。そこを取り戻すということ。
講演の様子は、YouTubeでアーカイブとして公開されています。
No.2へ続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)