経済産業省「未来の教室」のレポートのための取材で、静岡県立掛川西高等学校の吉川牧人 先生にインタビューをさせていただいたときに、「総合的な探究の時間でも、おもしろいことやっているので、ぜひ!」と教えていただきました。
掛川西高校の総合的な探究の時間
掛川西高校の総合的な探究の時間は、今年度の2年生から全面リニューアルし、高校生が「地域課題を、地域の方々(市役所、民間企業)と連携して探究する」ものになったそうです。
掛川市役所と連携しながら「外国人(多文化共生)」「文化芸術活動」「健康」「福祉」「環境分野」「農業」「産業振興」「観光・シティープロモーション」「防災・都市環境づくり」「ICTの有効活用」の10の課題グループを作り、クラスに関係なく同じ課題意識をもつ生徒たちが、ゼミに集まり、市役所と地域の企業と連携しながら探究していきます。先生方はファシリテーターとしてこのゼミに関わります。
Zoomにて掛川市副市長とのミーティングを実施
総合的な探究の時間は、2020年4月22日に掛川市の久保田崇 副市長の講演会が行われるはずだったのですが、新型コロナウイルスの影響で休校となってしまったので、Zoomにてオンラインミーティングを行ったそうです。掛川市役所の副市長室に教員が出向き、総合的な探究の時間の中心となる2年生の代表生徒4名は家庭からオンラインミーティングに参加しました。
最初に久保田 副市長から、「掛川市が抱えている地域課題について」というテーマで、掛川市の現状と、高校生が探究することに市役所が期待することについてのプレゼンが行われました。
その中で、掛川市が隣の袋井市と経営している、中東遠総合医療センターのことが話題になったそうです。この中東遠総合医療センターが、クルーズ船の時から新型コロナウィルス患者を受け入れていたという話を聞き、生徒たちからは、地元の医療センターがどのようにコロナと戦っているのか、と質問がされました。
この動画が収録されると、ミーティングに参加した生徒を中心に、「医療従事者を応援したい」という雰囲気が学校内で高まってきたそうです。掛川西高校のパソコン部では、これまでにも掛川城などにもプロジェクションマッピングをするプロジェクトなどを行っています。そこで、副市長とのオンラインミーティングに参加した2年生の生徒会メンバーにパソコン部の一部が加わったメンバーで、医療従事者を応援するメッセージ動画を作り、その動画を投影することになった、と吉川先生は言います。
まとめ
掛川西高校では、新型コロナウイルス対応で休校になっても、Googleクラスルームを利用して実技教科を含めてすべての教科の授業を時間割通りに10分程度の動画で配信していました。すべての生徒が通常通りにオンラインで授業動画を見て、課題に取り組むことで学びを継続していました。
総合的な学習の時間についても例外ではなく、副市長の講演会が中止になっても、教員が市役所へ行って、オンラインミーティングを開催し、さらにそれを生徒に配信するということを行っています。ICTを活用することで、地域といかに繋がることができるのかということを考えるひとつの事例になるのではないかと思います。
No.2に続きます。
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(為田)