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富士見市立針ケ谷小学校 開校40周年記念セレモニー レポート No.1(2024年1月31日)

 2024年1月31日に富士見市立針ケ谷小学校で開校40周年記念セレモニーが開催されました。実行委員を中心に6年生がICT機器を活用してセレモニー全体の企画運営を担当すると本木千穂 校長先生から伺っていたので、セレモニーに参加させていただきました。

 体育館に全校児童が集まってセレモニーが始まると、司会進行は6年生が2人で担当していました。また、普段の学校行事だと教頭先生が言うことの多い「はじめの言葉」も、6年生が担当していました。この他にも、セレモニーのプログラムのほとんどで6年生が進行を担当していました。
 6年生以外だけでなく、1年生と2年生は会場である体育館の壁を飾りつけしたそうです。3年生はステージに掛っている「開校40周年記念セレモニー」という看板を作り、4年生はこの日の給食で使うランチョンマットをデザイン・制作したそうです。5年生は来賓の皆さんへ手紙を書いたそうです。
 本木校長先生は挨拶のなかで、「いつも言っている“自分たちの学校は自分たちで作る”、そういうセレモニーになっている」と子どもたちのがんばりを称えていました。

 実際に、どんなふうにセレモニーの準備にICT機器を使っていたのかをレポートしていきます。

イデアをFormsで募集

 本木校長先生は挨拶のなかで、「パソコンを使って1年生から6年生まで全員にアンケートをとって、出た意見を全部大切にして、何らかの形で実現してくれました。針小(針ケ谷小学校)の子たちは本当にすごいと思います」と、来賓の皆さんに向けて伝えていました。

 全校に向けたアンケートを実施するために、Microsoft Formsを使ったそうです。全校から募集したやりたいことには、クイズ大会や、ハッピーバースデーの歌を歌うなどのアイデアがあり、実行委員の子たちができるだけみんなのアイデアが採用されるように気をつけて、プログラムのなかで実現させていったそうです。

40周年記念ムービー

 プログラム「40年のあゆみ」では、針ケ谷小学校のあゆみを伝える「針小40周年記念ムービー」が上映されました。このときも、6年生が上映されるムービーに合わせてナレーションを入れていました。針ケ谷小学校の日常の様子や行事の様子、先生方の写真や職員の皆さんの写真も映し出されて、子どもたちからは拍手と歓声があがっていました。

 このムービーは、6年生のセレモニー内容係とPTAの広報担当の鈴木さんとのコラボレーション企画だったそうです。プリントを配布して、「どんなムービーにしたいか、何を伝えたいか」というアイデアを子どもたちから募って、ムービーの内容を決めていったそうです。

 ムービーのなかで素材として使う写真や動画も子どもたちが撮影したそうです。実行委員会のなかの40周年記念ムービー係に、もう使っていないiPhoneを撮影用として1台渡して撮影してもらったそうです。PTAの鈴木さんは、「子どもたちが撮るからこその表情が撮れていると思います」とおっしゃっていました。
 40周年記念ムービーのための撮影をしている、ということが先生方にも児童にもわかりやすいように、iPhoneには「40周年実行委員 動画作成用!」とテープが貼ってありました。こういう一工夫で、校内での撮影も楽になると思いました。

 また、40周年の歴史をふりかえるために、学校にある古い写真などもムービーに入れていました。古い写真などは、「フォトスキャン」を使ってiPhoneに取り込んでいました。

 撮影した動画や写真は、子どもたちが撮影したiPhoneで「PicPlayPost」というアプリを使って、自分たちで編集したそうです。動画にまとめるところまでは子どもたちがやって、そのあとでPTAの鈴木さんにデータを渡して、最後の調整だけしてもらったと言っていました。空のiPhoneが1台あるだけで、いろいろなことができることがわかります。

◯✕クイズ大会

 プログラム「針小クイズ」では、6年生が用意してきた針ケ谷小学校にまつわるクイズを全校児童で楽しみました。クイズを進行する子たちが、自分のPCを持ってきてプロジェクタに接続し、スライドショーをスタートしました。◯✕クイズが出題されるたびに、みんなで頭上に◯や✕を作って回答していきます。

給食ランチョンマット

 4年生は、この日の給食のときに使うためのランチョンマットをデザイン・制作してくれていました。4年生一人ひとりがランチョンマットをデザインしたそうです。誰か一人の作品を選んで全校で同じデザインを使うのではなく、4年生一人ひとりが7枚ずつ自分のデザインを印刷して、色を塗って全校に配布したそうです。
 少し手間がかかってしまうものの、一人ひとりが自分のデザインを全校で開校40周年を祝うために使えるようにした工夫が素晴らしいと思いました。

バルーンリリース

 40周年記念セレモニーの最後は、校庭に出てみんなでバルーンリリースをしました。よく晴れた青空にバルーンがきれいに映えていました。こういう体験はデジタルでは代替しにくいところであり、一人ひとりの心に強く残るのではないかと思いました。

 こうしたリアルな体験を、全校児童で一緒にできるというのが、学校の良いところだと思います。

 No.2に続きます。
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(為田)