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教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

福生市立福生第五小学校 「やるKey」実証研究 公開授業(2015年6月19日)

公開授業 取材 授業実践 教育ICT利用の目的 目的-5. 進捗、理解度確認 目的-6. 教材拡充 目的-9. 学習環境拡充 やるKey

 6月19日に、福生第五小学校で「タブレット端末を使用した公開授業」がありました。こちらは、研究員の為田が、主にコンテンツ開発、導入支援などを中心にプロジェクトに参画しています、凸版印刷様の学習支援サービス「やるKey」の実証研究です。ict-in-education.hatenablog.com
 福生市教育委員会の川越教育長をはじめ、多くの見学者がいらっしゃいました。タブレット端末を利用した授業への関心の高さが伺えます。
 あまりに参加者が多かったため、教室内だけでなく、教室外でも授業の様子を見られるように、前日の準備でモニターを用意して、Apple TVで教室内から映像を送るようにしました(これはこれで、良いiPadの利活用デモンストレーションになったと思います)。
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 公開授業は、朝学習の時間~1時間目「算数」の時間を使って行なわれました。その後、図書室で説明会と協議が行なわれました。
 まずは、朝学習の時間と「算数」の時間の様子をレポートしたいと思います。

朝学習の時間

 公開授業では、朝学習の時間にタブレットでわり算の問題に取り組んでもらいました。すでに福生第五小学校ではわり算の単元は終わっており、この1ヶ月の間で授業進度に合わせて、自宅にiPadを1人1台持ち帰ってもらい、自由に学習してもらっていましたので、ほとんどの児童は操作にも慣れています。
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 ドリルを始める前に、自分で「何分、ドリルをする」か「何ページ、ドリルをする」と目標を設定します。どのような目標を立てたか、またその目標に比べてどれくらい実際にやったか、というのは、目次のページで常に児童が確認できますし、先生の方で確認をすることもできます。これは、「努力する力」「目標を立てる力」という、学力ではない能力=非認知能力が、学習にとって意味を持つという仮説のもとに導入されている機能です。

 「やるKey」では、算数の問題で間違えた時に、「どこでつまずいているのか?」を判断して、そのつまずきに対応したドリルが出題されるようになっています。つまずきに対応したドリルのときは、「いま、弱点克服のための問題をしているんだ」とわかるように、画面のカラーリングが変わるようになっています。
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 朝学習の時間が終わると、一度ドリルを終了します。この時点で、先生画面に学習履歴がすべて送られます。
 この後、朝の会が教室で行なわれたのですが、その間、先生は学習履歴を見て、各児童の取り組んだページ数や正答率などを確認し、1時間目の算数の授業設計を最終的に練っていました。

「算数」の時間

 算数の時間は、さっきの朝学習の時間で行なったドリルの成果を受けて、間違えが多かった問題について児童たちに発問していきます。
 黒板に模造紙で2つの問題を貼り、どのように違うのかを質問していきます。
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 そうした点を説明してから、再度タブレットでドリルに取り組みます。
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 児童たちが問題に取り組んでいる間、先生は机間指導を行います。ドリルには多くの問題が収録されていて、それが自動出題されていきます。採点も自動採点です。そのため、多くの授業で見られる、「先生、できた!」「先生、次は何やればいいの?」というような状況がありません。その間、先生は時間をかけて発問し、対話しながら説明するということができます。
 一緒に授業の様子を見ていた校長先生も、この点が「授業をやるうえで非常に良いと思います」とおっしゃっていました。
 まさしく、こうした「今までの授業だと先生が大変だったこと」を解決するためにテクノロジーを使って先生を助ける、というのが、やるKeyのやりたいことなので、非常にうれしいコメントでした。


 その後、さらに理解を深めるために、半具体物を2人に1つずつ配布し、実際に半具体物を使ってわり算の概念を手を動かして考えてもらっていました。この間は、タブレットは横に置いておきます。
 実際、こうした半具体物を操作するコンテンツも、タブレットの中に入れることもできますし、検討もしましたが、「わり算、わかんない…」という児童にとっては、先生の説明を実際に手を動かしながらの方が理解できる、という子も多いのではないかな、と思います。(もしかすると、ここではわり算を得意な子が教えてくれる、というような授業設計もできるかもしれません)
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まとめ

 「やるKey」は、協働学習のようにiPadを使うのではなく、家庭に持ち帰ってもらって、家庭学習をしてもらい、その家庭学習の成果を先生が見て授業設計をするという部分を実現したかったものです。先生方の授業設計を助けるシステムになればいいと思っています。

 この後の説明会と協議については、次のエントリーをご参照ください。ict-in-education.hatenablog.com